少し間が開いてしまいましたが、前回の続きを書いていこうと思います。

1月8日、ブラジル議会などが襲撃された事件は、2021年1月6日の米国議会襲撃と多くの共通点があるが、大きな違いは、ブラジルでは軍部が共謀した証拠があることだ。ブラジルの軍事独裁政権が崩壊して数十年たつが、軍組織は完全にコントロールされておらず、ブラジル民主主義が直面する最大の弱点だ。

ブラジル新政権最大の課題である軍部の制御 wedge ONLINE

これ、本当にブラジルだけの「課題」なの?

世界の課題―日本の場合

もし、これがブラジル民主主義だけの「弱点」ではなく、世界の民主主義にとっての最大の懸念であり、しかも、世界中の軍組織は、一つの意志で動いているとしたら?

そんなことは、全くあり得ない話でしょうか?

私にはどうもそうは思えないのです。むしろ、そう仮定してみることにより、近現代史を非常に明瞭に理解することが出来るのです。もちろん証明することは不可能です。ただ、少なくとも日本においては、軍が政治に介入していることを客観的に確認することが出来るようです。

いわんとするところは、海軍の軍備が早くいって、それがために抜いた刀を収められないということで、不本意な戦争に入ったというふうにみなすことは、どうであろうかというふうに、私はいま、感じております。

なぜ海軍は長期持久に賛成したのか
加登 川私も余り研究しておりませんけれども、第二次世界大戦の各国の形からすると、実際、そうでしょうね。ただ、原君の言われることは、仮にいうと、ルーズベルトが、ちゃんとうまいことやった 。チャーチルがそうであった、あるいはヒトラーがそうであった、スターリンがそうであったといっても、ヒトラー、スターリンについていえば、彼の決定は国家意思の決定ですよね 。ルーズベルトも、もとより然りです。ところが、日本の場合には、国家意思の決定がないうちに海軍が先に走っちゃったと。

『なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議』 文春新書

「軍部の暴走」が日本を愚かな負け戦に追い込んだことは、中学生でも知っています。更に現代においても・・

ところが日米合同委員会の場合は、 本来は立場が違うはずの文官と軍人の組み合わせになっており、それは一九五二年の発足時からずっと続いています。そのため、アメリカ側は常に軍事的観点から協議にのぞみ、軍事的必要性にもとづく要求を出してきます。

『「日米合同委員会の研究」の研究』 創元社

これらの特殊構造を念頭に置けば、なぜ日本の政治家たちが、あのような奇妙な言動を見せるのか、を理解することが出来ます。

日本の官僚たちは、こう突き付けられたことでしょう。

「中露の脅威が高まっています。今こそ軍備を拡張し、将来の危機に備える時です」

政治家たちが、日本の安全保障の指揮を束ねる米軍の「正論」に反論することは、非常に困難です。

「いや、中露とは、仲良くすべきですよ」という「暴論」は、もちろん口が裂けても言えないのです。なにせ、それらが悪の枢軸国であることは、初めから決まっているのですから。

だから、彼れらは「正論」で答えたのです。

岸田首相
「さまざまな議論がありましたが、私は内閣総理大臣として将来の世代に先送りすることではなく、今を生きる我々が将来世代への責任として対応すべきものであると考える」

借金に頼るのではなく、必要な収入をきちんと用意しようという考え方で、これは首相の信念といってもいいようです。周りによりますと首相は「政策を実現するために総理になったんだ。嫌われることを気にしていたら、何もしないままで終わる」というふうに話していたといいます。慎重と言われてきた首相ですが、最近は、リーダーシップを発揮しようという意気込みが見えます。

【政治デスク解説】世論調査“反対63%”なのになぜ増税?防衛費確保へ岸田首相の考えは? 日テレNEWS

「分かりました。しかし、それにはお金が足りませんから、増税をします。国債に頼ることは出来ません。日本の未来を担う若者へこれ以上の負担を強いるわけにはいかないですから」と。

米軍さんは、これに「NO」とはいえませんよね~。君たちは正義の使者なんだからさあ。

日本の政治家、官僚コンビ VS 軍組織、メディアコンビのトンチ合戦の結果発表~!

このためか、防衛費の増額自体も賛成と反対が逆転してしまいました。先月12月には賛成が51%、反対が42%と賛成の方が多かったのですが、今月1月は賛成が43%、反対が49%となってしまいました。政権の中枢の一人は「やはり財源に増税という話が出てきてしまったので、これに引きずられて反対論が増えてしまったのではないか」と分析していました。

日本大勝利!!

彼らは、これで再び「正論」を返すことが出来ます。

日本官僚「私どももやぶさかではございますが、国民に反対されては、強行することは出来ません」

米軍高官「クー o(≧~≦)o クヤシー!」

あっぱれ!ということなんですが、これは同時にある、とても残念な現実を突きつける結果となったのです。それは国民たちが、安全保障政策に関して「無料ならいるけど、有料ならいらない」という判断を下したということです。

私たちは「戦争にも平和にも大した興味がない」ということを告白してしまいました。つまり日本国民にとって安全保障政策は、ポケットティッシュと同等の扱いだったのです。

これが現実です。一応言っときますけど、私は最初から断固反対、ですからね。

先の大戦で、これらの現実をうまく利用されて、日本はトンデモナイ方向に持っていかれてしまった。そして現代において、鬼畜米英が鬼畜中露に変わっただけということに、国民は誰一人気がつかない。

しかし、そのことを日本の政治家は完全に理解しており「二度と同じ轍は踏まない」。その決意こそが岸田氏のリーダーシップの本質だと考えられます。

しかし、相手は世界最大の暴力です。表でうまく行かないとなれば、強みを行使してくることは、容易に想像が出来ます。

戦争に反対して殺される

岸田文雄首相は8日午前の衆院予算委員会で、ロシアのウクライナ侵攻によって停滞している北方領土問題を含む平和条約締結交渉について「(平成30年の)シンガポールでの首脳会談における合意を含め、諸合意を踏まえて取り組むのが政府の基本方針だ」と述べた。

平成30年のシンガポールでの首脳会談では、安倍晋三元首相とプーチン露大統領が日ソ共同宣言に基づく平和条約交渉の締結加速で一致している。

岸田首相、ロシアとの平和条約「シンガポールでの合意踏まえ」 産経新聞

本当に何度も書いたのですが、岸田首相の盟友であった、前安倍晋三首相はロシアとの平和を模索し、米軍(その上位組織)に暗殺された可能性が極めて高いと思います。

それは歴史の中で、いくども繰り返されてきたことです。

〈侵略主義というようなことは、よほど今では遅ればせのことである。どこまでも、私は平和ということをもって進んでいきたい。政友会の内閣である以上は、決して外国に向かって侵略をしようなどという考えは毛頭もっていないのである〉

それから2週間後、犬養は官邸で銃弾に斃れた。堀川さんは言う。

「犬養のこの演説は当時あまりに危険なものでした。実際、夫の入手していた演説の音源と文書の記録を照らし合わせてみると、やはり激しすぎる箇所が削られていました。なにより私が衝撃を受けたのは、まさに命がけで話していることが分かる犬養の口調でした。満州事変の拡大は日本の破滅につながる。それを何としてでも阻止したい、という身をさらしての最後の抵抗であったことが伝わってくるようだったからです」

なぜ犬養毅は”話せばわかる”と言ったのか PRESODENT ONLINE

犬養も安倍も青年将校に殺されました。誰がやったのか、それはもはや明らかです。

しかしながら、せっかくのグレートバリア戦略も、中国に遠慮がちだったオバマ政権の下では、日の目を見ることはなかった。ところがトランプ政権の誕生により、ようやく現実のものになろうとしている。もちろん、戦略実施の主役は日本である以上、アメリカ側から圧力が加わる前に、日本政府の決断が望まれるところだ。

いずれにせよグレートバリア戦略は、「海洋戦力にはより強力な海洋戦力で対抗する」という伝統的な海軍の戦略とは一線を画す、新機軸の戦略なのだ。

『トランプと自衛隊の対中軍事戦略』 講談社+α文庫

計画の立案者、それは「海賊」です。

平和憲法の「正論」

さて最後に、ここまで見てくると、こんな疑問が浮かんできませんか? 

ところで、日本国憲法の9条って、本当にGHPが作ったの?

アメリカのバイデン副大統領は8月15日、「我々が(日本を)核武装させないための日本国憲法を書いた」と発言した。アメリカの政府高官が、日本国憲法を「アメリカが起草した」と明言するのは極めて異例だ。

「日本国憲法はアメリカがつくった」 バイデン副大統領が明言 HUFFPOST

バイデンはボケてるらしいので、参考になりませんね。

「元首相の幣原喜重郎から衆院議員だった平野三郎が聴き取った記録です。幣原は連合国軍総司令部(GHQ)と憲法改定の交渉にあたりました。その際に戦争放棄を思い立ち、最高司令官マッカーサーに秘密会談で提案したことを、死去の直前、1951年に打ち明けています」

9条の発案者は幣原喜重郎なのか 立証を試みた研究者 朝日新聞

それよりも「平和憲法」は、敵の謀略を挫くための日本の「正論」だった可能性が高いのではないでしょうか。GHQは当然、受け入れざるを得なかった。ですから今になって「敵」は、こう訴えてきたのです。

「アメリカに押し付けられた憲法のままでいいのですか?」と。

「非暴力・不服従」こそが、今後の日本安全保障の要になるでしょう。