少し前の話ですが、面白いニュースがありましたね。

何より驚きなのは、彼らが「ドイツが闇の政府に支配されている」という陰謀論を信じており、それがクーデターの動機のひとつとなっていたことだ。闇の政府を倒して、ロシアと組んで新たな帝国を作ろうと考えていたというあたり、常人には理解しがたい思考である。

もっとも、この「闇の政府が支配」という世界観は、このところの流行だともいえそうだ。

「闇の政府」と戦う71歳老貴族を逮捕 陰謀論で突っ走る人たちの心理とは デイリー新潮

そう、世界中で「陰謀論ブーム」に火をつけることこそが、コロナ危機及びワクチンに隠された真の目的ではないか、と当ブログは予測してきたわけです。

失敗の経緯

世界を裏で支配する「闇の政府=ディープ・ステート」に、トランプ元大統領を中心とする光のメンバーが立ち向かう、という構図を中心とした一連の陰謀論は、米国を中心に信奉者が増えており、「Qアノン現象」とも呼ばれている。

しかし、結論から言えば、このオペレーションは、すでに失敗に終わったとみていいでしょう。

2017年時点で、それは失敗に終わったと私は書いていますが、その規模においては、今回の方が遥かに大きいですね。

ターニングポイントとなったのは、最大の火付け役だったトランプ氏の2020年における敗北です。

トランプ米大統領は18日、11月の大統領選で大規模な郵便投票が実施されれば多くの問題を引き起こす恐れがあり、選挙のやり直しもあり得るという考えを示した。

トランプ氏「大統領選やり直しも」、郵便投票拡大なら ロイター

トランプの支援勢力は恐らく、司法省やペンスに「不正があった」と言わせた上で、選挙をやり直して、彼を勝たせるつもりだったように見受けられます。

司法省元幹部「トランプ氏は『君は選挙は腐敗していた、とだけ言い、あとは私と(同調する)共和党の議員に任せればいい』と言った」

しかし、アデルソンやロスチャイルドらの大物フィクサーの裏切りに阻止されて失敗したと考えれば、彼らの大統領選挙直後の死の説明もできるわけです。

成功の暁

では、もしそれらが成功していたら、いったいどうなっていたのでしょうか。彼らの目指した世界とは、いったいどんなだったのでしょうか。

それまで極めて限定的にしか政治参加できなかった一般の民衆が変革の原動力となった点がこの政治変動の大きな特色で,経済的格差や独裁政権による統制,政治参加の制限等に対する民衆の不満の高まりがその背景にあります。反政府運動に参加した民衆はツイッターやフェイスブックなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や衛星放送等のメディアによって連帯と情報共有を図っており,かつてないスピードで国境を越えて民主化運動が拡大していきました。

「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢 外務省

それは新しい「民主化運動」の勃興、「極右の春」です。

トランプ氏、憲法の「終了」を主張 米政府は非難

BBC NEWS JAPAN

それは「アラブの春」と構図がそっくりであることに、気がつきます。

諜報機関はそのために、「極右」に正義を与えるために、軍事作戦「TRUTH」を展開しているというのが、これまでここで書いて来た当ブログ独自の仮説です。

「パンデミック」こそが、まさにそれです。

マスク氏は「私の代名詞は、『訴追/ファウチ』だ」と投稿した。こうした書き方は、SNSやメールの署名欄で、自身の性自認を識別するためのジェンダー代名詞を表明する慣行を連想させる。新型コロナ対策に関してファウチ氏の責任を追及しようとする保守派のキャンペーンにも沿ったものだ。

コロナ対策のファウチ氏やゆするツイートが物議 マスク氏 AFP

「過激派」が「穏健派」に勝つ「ジャイアント・キリング」を起こすこと、これが諜報機関の最大の目的だった可能性は、とても高いでしょう。

閉鎖的なネット上のコミュニティーでは、膨大な情報が流れます。情報と情報を組み合わせ、強引な解釈を重ねることで『隠された真実』が明らかになり、しかもそれが多くの支持を集めれば正史と見なされてしまう。

「闇の政府」と戦う71歳老貴族を逮捕 陰謀論で突っ走る人たちの心理とは デイリー新潮

それに気づいたからこそ、私は「陰謀論」に警鐘を鳴らしてきました。「陰謀論という言葉は、CIAがそれを揶揄するために作ったんだ」とよく言われますが、そうではなく「陰謀論そのものをCIAが作った」と考えるべきです。

ですから、うちを「陰謀論ブログだ」とおっしゃるなら、全然わかってないなあと思います。前にも書きましたけど、うちは「陰謀論と戦うブログ」なんです。

なぜ、失敗したか

では、なぜ諜報機関は、そんな大それた作戦を展開したのかというと‥

BRICSは中露が主導する非米諸大国の組織で、多極化する今の世界において、米国覇権に対抗する存在だ。中露はBRICSを使って世界の多極化と非米化を進め、米覇権を壊そうとしている。

「中露が誘う中東の非米化」 田中宇の国際ニュース解説

世界の最上層部が、今後の世界運営をBRICSに任せる長期計画を、極秘裏に進めているからだと考えられるでしょう。

中東諸国は近年、中国やロシアと接近して相互協力の関係を強化しているが、米欧の世界支配を破壊したい中露に後押しされた中東が再び欧州をしのぐ勢力になる可能性がある。その流れを示唆する習近平のサウジ訪問や、サウジのBRICS加盟の動きは、米欧とくに中東の隣にある欧州にとって脅威だ。

それには、欧米の中間支配層である貴族、「アングロ・サクソン」や「ユダヤ人」が、邪魔だったと考えられます。

中東諸国の国境線や国家体制の多くは、英国によって第1次大戦後に作られた。英国は、それまで中東を支配していたオスマン・トルコ帝国を大戦で倒し、その領土を分割して英傀儡の新興諸国を作った。英国にとって必要性が低いシリアとレバノンは「サイクスピコ条約の交渉で負けた」という歪曲のシナリオを作ってフランスに与え、中東分割を固定した。フランスは英国の都合で「おこぼれ」をもらっただけで、シリアの運営にも消極的でうまくやれなかった。

そして、彼らのリストラを進めるのが、諜報、軍事の最高峰を握る、ノルマンの「ロンドン」です。しかし「最強」の思惑は、計画ほどうまく行かなかったのです。

それは、多くの裏切りにあったからです。日本の安倍晋三氏も、その裏切者の一人です。

だがサウジがBRICSに入るには、米国との安保上の関係を完全に切らねばならない。サウジの上層部には米諜報界の傀儡者(スパイ)がたくさんおり、米国との安保関係を完全に切るのは時間がかかる。MbSらサウジ王政は最近、急速に米国から距離をおいている。だが、それで十分なのか。サウジをBRICSに入れてしまって大丈夫なのか。習近平はそれを探りにサウジに行った感じだ。

そして、中国の習近平氏も「ロンドン」の陰謀を理解しており、そこに「ロンドン」のスパイが潜んでいることを十分に見越しているということではないでしょうか。

「ロンドン」は「表上の支配権をくれてやるから、俺らを入り込ませて、言うことを聞け」と中国に言ったのだと思うのです。

おそらく、キッシンジャーはそう言ったはずだと私は想像しています。

中国は「はい」と言ったのでしょう。しかし、習近平がそれを裏切った。私には今のところ、そう見えています。

世界は今後、米英覇権体制から多極型に転換していくほど「良い」状況になる。マスコミは、多極化で世界が混乱し戦争になると予測したがるが、それは米英傀儡組織であるマスコミのウソであり、そんなものを信じるのは間違っている。多極化した方が世界は良くなる。

私も田中氏の「世界が今後よくなる」という見方に同意します。しかし、それは彼の言う「隠れ多極主義者」の戦略がうまく行ったからではなく、むしろ逆。

激しい争いの中で、世界の最上層部「ロンドン」の計画が失敗となり、自然の法則に則った形で、世界が浄化に向かうからだと私は思っています。

強いものは、生き残れない。

すべては、自然の摂理の通りになるというのが、今の私の結論です。