予想は的中なのだが・・
前回の記事(ジャネット・イエレン先生の華麗な利上げ!)で、日銀が金融緩和に動く可能性がある、ということをお伝えし、実際、その通りに本日の金融政策決定会合で金融緩和策が発表されました。
黒田バズーカにより、株価は大暴騰! のはずが、一瞬、吹き上がっただけで、その後に大きく売られ、終わってみれば前日比、366円安となりました。
緩和の内容が、
「政策の随時投入はしない」
「躊躇なくぶっぱなす」
としてきた黒田総裁の言質と合わず、マーケットは迷いと怒りの売りをぶつけたというところでしょうか。前々からお伝えしてきたことではあるのですが、これは黒田総裁とマーケットの信頼関係は全く成り立っていないことを表しています。私も予想が当たって喜びたいところなのですが、正直ため息しか出ません・・。
10月くらいから日銀が動きそうな気配を察知し、緩和予想は皆無の中、直前でその可能性をお伝え出来たというのに・・とても残念ですね。この程度なのに、なぜ、事前に私に察知できるくらいのざわざわ感があったのか謎です。
マーケットは黒田総裁に興味がなく、数字しか見ていない
前回の記事で、市場は利上げそのものではなく、イエレンという”人”、彼女の言葉、態度を注視していると書いたのですが、黒田総裁の場合は、彼がどう言おうと関係なく、ただ彼の出す緩和の数字にしか興味がないと言えます。ですから、今回の数字は大したことがないと分かると、一気に売られたのです。彼が成功するためには、バズーカ級の数字を出すしかなかったのです。
なぜなら、彼はマーケットから、愛されても尊敬されてもいないからです。それは、今まで彼が市場に対して接してきた実績の結果だと思います。これはFRBのイエレン議長の仕事とは大きな隔たりがあります。
操縦能力を持たない人の元で飛ぶ日本経済
黒田総裁が市場に対してコントロール能力を持たないことが改めて示されたわけですが、そのバックにいるのは日本政府です。政府も法人税減税の材料などで、年末の株高を目論んでいたようですが、日銀とセットで完全に失敗に終わりました。同時に私の年末予想も大きく外れました・・。
政府と日銀、これが市場のコントロール能力を持たないということは、例えるなら、機長のいない飛行機に乗っているようなもので、好天気の続くうちはよいのですが、ひとたび波乱が起きれば、行き着く先は・・。
私は今日の一連の動きに一抹の不安を感じずにはおれませんでした。それは、将来の日本経済の行く末を象徴しているのかもしれません。そして、それは、まだ、もう少し先の未来のことかもしれません。