ウクライナの「実質敗北」が、確定したようです。

ロシアによるウクライナ侵略で、米NBCニュースは4日、複数の米当局者らの話として、ウクライナを支援する欧米諸国がウクライナ側と停戦について「ひそかに」協議を始めたと伝えた。ウクライナ軍の反攻が進まず戦局が膠着(こうちゃく)していることや、ウクライナ軍の疲弊、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの交戦などを背景に、欧米側のウクライナ支援の余力が低下していることが背景だとしている。

欧米、ウクライナに停戦促す動き 米NBC報道 産経新聞

結論から言えば、これは最悪の負け方で、ウクライナはさっさと負けた方が、みんなにとって良かったのです。

惨敗

こんなことを言ったら、怒る人もいるんですかね。うちの読者にはいないかな? いや、まだ負けていないって? ですので、「実質敗北」と書きました。

〈我々はいま、ウクライナ戦争の報道を日々眼にしていますが、西側の主流メディアは、最も肝心な“現実”をきちんと伝えていません。西側陣営が直視できていない“現実”とは、米国がすでにウクライナ戦争で負けてしまったことです〉

 こう断言するのは、仏の歴史人口学者・家族人類学者のエマニュエル・トッド氏だ。しかし、なぜ「米国はすでにウクライナ戦争で負けている」と断言できるのか。

勝敗はすでに決しているのに、空約束の軍事支援で、米国はウクライナに戦争継続を強いている E・トッド氏インタビュー 文春オンライン

もちろん物には色んな見方があります。しかし残念ながら、ウクライナが勝っていると言うのは作られた見方であり、現実は、これからもロシア側がどんどん強くなります。それは初めから決まっていたことであり、流れが変わることはありませんので、そちら側の人はどんどん苦しくなっていくだけです。

ウクライナの連帯人

当ブログは、ウクライナ戦争の勝者はロシアに決まっていますと初めから書いてきたわけですが、予想外だったことと言えば、だらだらと長期化したことですね。ウクライナがさっさと負けて戦争が終わってほしかったのですが、そうは問屋が卸さなかったわけです。

「もう我々が勝ったのだから、さっさとこの戦争を終わらせろ」というプリコジン氏(とプーチン)の国防省に対しての正当な主張による反乱はさざ波程度、死の制裁をもって制圧されたことも、また一つの現実でした。

国防省に比べれば、彼らはとても紳士的です。

それにしても、奇妙なのは「世間」には「ウクライナの連帯人」が大量発生し、彼らはウクライナを支援、つまり、戦争継続へ賛成の声を上げ続けていることです。

しかし、この戦争が長期化すればするほど、多くの犠牲を強いられるのは、ウクライナの人々だ。

戦争が長期化するほど、多くのウクライナ人が犠牲となり、ウクライナの建物や橋が破壊されていきます。実際、「反転攻勢」が始まった6月4日以降、ウクライナ側で大量の死者・負傷者が出ています〉

 ここから、ウクライナ戦争の“真実”が明らかになる。

〈米国は“支援”することで、実はウクライナを“破壊”しているわけです〉

日本における「ウクライナの連帯人」とは、いったい何なのでしょうか? いったい何の動機でもって、ウクライナの人々を戦わせようとするのか、理解不能です。

勝てるはずないので逃げた方がいいですよ、と何故言ってはいけないのか。

が、しかし、最近になり、私は彼らの気持ちが分かってきた気がします。ようは、自分の評判ばかりを気にしているのです。

「ウクライナを応援しなさい」「マスクをしなさい」「ワクチンを打ちなさい」

その教えを世に広めたのは、テレビと新聞です。彼らにとって、それは「先生」です。先生の言うことを聞けない生徒は、評判が下がりますよね。

彼らは、それだけを気にしているのです。そのことがよくわかってしまった、ここ2,3年でした。

そう言えば、会社にもたくさんいますでしょう? 評判ばかりを気にして、実利を一向に得られない人。私には言わせれば、典型的な仕事が出来ない人です。

「そんな遠い国のことなど知らん」

「名誉」さえ気にしなければ、こう正直に話せたではないですか? 

ヤフーニュースの「ウクライナ戦争に関心がありますか?」のアンケート結果は、80%が「はい」でした。嘘つけ~! 国際政治記事をこんなにたくさん書いている私でも、ウクライナ戦争なんてそんな関心ないですよ。つまらん(酷い)作戦だと思っています。

彼らは、匿名でさえ評判を気にした回答しか出来ないということです。

中東の大逆転劇

それに比べて、中東戦争の方は「西側」の首領だったはずのイスラエルが初めから負けており、悪者扱いされていますが、それはつい2、3年前には、考えられなかったことです。

投稿したのは、イスラエルのネタニヤフ首相の元ソーシャルメディアアドバイザーで、インフルエンサーとして知られるHananya Naftali氏。左右の男性は同一人物であり、1日で回復するはずがないから被害は茶番だと示すような内容だ。2023年11月9日時点で1万いいね、4万6000リポストを獲得している。

「(動画)入院中のパレスチナ人は怪我を装っている」は誤り 日本ファクトチェックセンター

イスラエル≒「西側」は、ファクトチェックされる側に落ちぶれています。「仕組まれた世紀の大逆転劇」ここにあり

知ることもない人間たちに愛されるために殺されるのが戦争

西側に加勢するものは一時の勝利者には違ないが、永久の敗北者だ

これは夏目漱石作『行人』の中の台詞、「道徳に加勢するものは一時の勝利者には違ないが、永久の敗北者だ。自然に従うものは、一時の敗北者だけれども永久の勝利者だ」の一部をもじったもので、この名文句がまさに現実となったここ数年、そして、この流れは今後も加速するでしょう。

日本の大人の皆さん、テレビと新聞に前習えしていれば、体裁を保てた時代は終わったんですよ。

一方、首相は「どんな呼ばれ方をしようとしても、やるべきだと信じることをやるということだ」と強調。

「増税メガネ」と呼ばれても「構わない」 日本経済新聞

どんな風に言われてもよくなくないすか? どこぞの誰とも知らないやつらに。もっと、現実を見ましょう。ロシアが襲ってくのを心配するくらいなら、奥さんに刺されることを心配しましょう。

無理して、そんなことを考える必要なんてありません。

選挙にだって、行きたくなかったら行かなくっていいじゃないですか? わからなかったら、行かなくていいじゃないですか。私は選挙には基本行かないけど、それでいいとこの人から、お墨付きもらってます。

「(安全保障について)考えない方が悪い」という人がよくいるが、それは世の中が分かっていない。今、アフガニスタンやシリアやイラクに生まれたとしたら、間違いなく安全保障について考える。いきなり地雷が爆発するようなところに住んでりゃ。みなさん方はそういうことに関係のない国、日本に生まれた。だから考えなくて良いというのは良いことなんですよ。

「政治に関心持たず生きていける国は良い国です」自民・麻生太郎氏 麻氏新聞

選挙に行かなきゃいけないと思う第一の理由は、「大人」じゃないのがバレると困るからじゃないですかね?

みんなが求めているのは、逆に「その人がいるせいで、周りの人たちが思考停止して、幼稚な感情に居着いて、定型的な言葉しか吐かなくなる」人たちです。そういう人のことを「大人」だと思っている。

日本人が知るべき「大人が消えている」危機の実態 東洋経済オンライン

それを、とっても恐れているのじゃないですかね。しかし、臆病さのあまり、みんなで「幼稚な大人」を演じ続ける限り、日本人は、再び永久の敗北者になってしまうでしょう。

パレスチナ自治区ガザで起きている凄惨な戦争は、中国とロシアに、世界中で支持を取りつける貴重な機会を与えている。

ガザ危機「高みの見物」の中ロ、逆転チャンス狙う WSJ

「海賊メディア」のWSJが言うのだから、彼らの勝利は間違いないでしょう。だから、中国ロシアと仲良くしよう。

日本政府は露にどのような態度で臨もうとしているのか。岸田政権の対露政策には釈然としないものを感じる。ウクライナ問題ではG7合意の「露の軍事侵略」を強く批判をしながら、サハリン2などのエネルギー問題では、ロシアの善意に取り縋っている。核問題では、広島の平和記念式典に露を招かなかったが、8月のウクライナ主催の「クリミア・プラットフォーム」では、岸田首相は、日本がウクライナと同じく領土を露に侵されていることには一言も触れなかった。

再び岸田政権の対露政策の二重性について JFIR 公益財団法人日本国際フォーラム

「THE 政治」 評判は一切無視、嘘をつきまくって実利を取る。

これが「本物の大人」じゃないのですか? だから、岸田政権を支持します。その上で、こう意見したい。

国防費を削減して、国民に還元せよ

これは最高のアイデアですよ。減税だけを叫ぶのは、おもちゃを買ってくれと泣き叫ぶ幼稚園児と同じです。

私は、国民全員で周囲への自分の評判ばかりを気にして敗北者となった、世界大戦の二の舞はお断りです。

そして、たくさんの人間が、父、妹、妻が―おれにとって一番大切な人間が―どんなに大切で、どんなになつかしくても、これがどれほど恐ろしく、不自然に思えようと、おれは名誉の一瞬のために、人々に勝ち誇る一瞬のために、自分が知りもせず、知ることもない人間たちに愛されるために、まさにそういう人間たちに愛されるために、父や、妹や、妻を今すぐにでも引き換えにする。

『戦争と平和』 トルストイ

戦争とはまさにそういうもの、なのでしょうね。日本人は、見事に戦争体制に組み込まれちゃってることが、この言葉からも明らかな気がします・・・う~む・・・

ちなみに、この記事の副題ですが「ウクライナとともに去りぬ」にしようか迷いましたが、どっちがよかったですか? どうでもいいね!