みなさん、突然ですが、アメリカのトランプ大統領をどう思いますか? アメリカの世論調査では支持率36パーセントとという数字をたたき出し、世界中の嫌われ者となっている彼ですが、それはきっと、日本でも同様のことでしょう。
でも、なんで彼はわざわざそんな嫌われる、おかしな発言ばかりを繰り返すのでしょうか? 馬鹿だからでしょうか。いえいえ、それはちょっと違っていると思います。その理由は実は世界第二位の中国に負けないため、なのです。
当ブログではトランプ大統領の当選直後くらいから、トランプ政権の本当とは、「対中国戦略」ではないか、とお伝えしてきました。その当時はまだそのような見解は非常にまれでしたが、今日までに実際出てきた情報を重ねますと、それはほぼ間違いないだろうと確信できるレベルになっていると言えるでしょう。
日本のテレビ報道などでは、トランプ大統領をまるで愚か者かのように扱うことが主流で、いまだにそのようなイメージから脱却していません。その点で当ブログの情報力は一歩も二歩も先出ていたと考えて、なんら悪くはないだろうと考えているところなのです。
何もかもうまくいっていないように見えるトランプ政権
そんなトランプ政権の緻密な戦略ですが、どうもそれは思ったように進んでいないようです。オバマケアの代替法案が撤回になったという事実はそれを象徴しています。しかし、なぜ、トランプ政権はうまくいっていないのでしょうか。きっと何かに邪魔をされているから、と考えるのは普通じゃないでしょうか。では、いったい何に? となるわけですが、それは恐らく身内の可能性が高いのじゃないでしょうか。
少し前になりますが、フリン補佐官がロシアとの不適切な接触を指摘され、失脚したわけですが、他にも次々とロシアとの不適切な関係がリークされました。誰がこんなことが出来るのかと考えた場合に、内部告発ということがまず第一に考えられます。実際、トランプさんはCIAやFBIをこの点で非難しています。
オバマのトランプタワー盗聴は本当である可能性の方が高い
これも少し前の話ですが、トランプさんが、「オバマがトランプタワーで通話を盗聴していた」などとツイートし、世界中の笑い者になりました。
これをニュースで知った多くの方は恐らく、「トランプは何と馬鹿なやつなんだろう。オバマがそんなことするはずないじゃないか」と思ったのだろうと想像します。
しかし、私は当初からトランプのツイートは本当の可能性の方が高い、と考えました。もちろん、証拠はありません。これに関して何か特別な情報を持っているわけではありません。ですが、普通に考えると、この話は本当の可能性の方が高い、ということになるのです。その理由をこれから書きます。
では、まずこのツイートが出鱈目だという前提で考えてみましょう。そうであるならば、「トランプはまったくの嘘を世界中に吹聴して、笑い者になった」ということになります。では、果たして何のメリットがあって、彼はそんなことをするのでしょう・・? 彼は馬鹿だからでしょうか? 虚言癖があるからでしょうか? 実際そんな癖を持った愚かな人間は腐るほどいると思います。
しかし、彼はアメリカの大統領です。彼はビジネスマンとして、凡人では成し遂げられない成功を収めた実績を持っている人ですよね。そんな人が「世界中に嘘をばら撒いて笑い者になる」という選択をする可能性は極めて低くないでしょうか。リターンのないリスクを選択を普通の人間はしません。それをする人は、どっかしら壊れたおかしな、かわいそうな人です。そういう人が大統領に選出される可能性はほぼゼロに等しいと思います。
盗聴発言が全くの嘘の場合のリスクにおけるリターンはほぼゼロです。
「いやいや、それをやるのがトランプだから」「オバマさんが盗聴なんてそんなことするはずない」そんな声が聞こえてきそうですが、これは単なるイメージですよね。で、そのイメージの出どころってテレビですよね。
盗聴発言にリターンがあるとすれば、それは本当、もしくは本当と受け取れる根拠がある場合に限られます。
こう考えますと、私にはトランプのツイートがまったくの嘘である可能性は極めて低いように思われるのです。もちろん、これは可能性の話であり、トランプの話が本当だ!と言っているわけではありません。証拠はありません。嘘ではなく、間違い、勘違いという可能性もあるでしょう。
ただ、繰り返しになりますが、単なる嘘である可能性は相当低いのです。私の説明で納得がいかない、という方はこちらの記事をお読みください。
~ JBpress ~
さて、つなぎ合わせると、トランプ政権の邪魔をしているのは、やはり身内ではないかということになるわけです。
トランプ政権が失速すればあの国が台頭する
トランプ政権がうまくいっていない間に当然のように着々と力を増している国があります。
中国主導のアジアインフラ投資銀、新たに13カ国・地域の加盟承認
AIIB加盟国・地域が増えていることは、国際舞台における中国の役割拡大を示す
~ ブルームバーグ ~
さて、もう一つ考えてみたいと思います。このままアメリカが失速し、中国が台頭すればアジアの覇権は中国の物になります。日本からすれば当然、尖閣諸島は中国に奪われるでしょう。そして、その先はもっと多くを奪われるかもしれません。中国は沖縄の日本の領有権を認めていないそうですよ。
「在日米軍を撤退させる」トランプさんは選挙前にそう言っていました。その真意は「日本の皆さん、自分たちで自分の国を守らなくていいのですか?」という世論への働きかけだったと私は思っています。「日本の皆さん、強くなって私達とともに戦いましょう」という意味です。
しかし、実際ふたを開けてみると、中国に対してオバマ以上に強硬な姿勢をとり、尖閣諸島を守ると力強く約束しました。そして日米首脳会談によって、安倍政権とも親密な関係が確認されました。そんなトランプ政権が明らかに押されているように見えます。
私たちはそれを欧州と同じように、「トランプは馬鹿なやつでどうしようもない」と笑って見ていて果たしていいのでしょうか。これは日本にとって安全保障上の重要な問題だと私は捉えています。もちろん、中国に支配してもらった方がいい!という考えの方もいるでしょう。どっちがいいか悪いかなんて私にわかることではありません。
また、「どっちも嫌だ。アメリカなどに頼らず、自分の国は自分たちで守るべきだ」という意見も当然あるでしょう。それは理想だと私も思います。話し合いで解決できる? それはあまりにも世の中を知らなすぎではないでしょうか。もしくは、そういうふりをしているだけではないでしょうか。
日本の安全保障から考えたい
森友問題で追い込まれる安倍政権ですが、これも安全保障上のリスクになりえます。もし、これで安倍政権が倒れることになれば、このリスクはかなり高まるでしょう。そういう意味では、森友学園問題はトランプ政権のロシアがらみのリークと同様の性質を持った事件だと言えるでしょう。
そして、アメリカのトランプ政権の行く末は、最大の同盟国であろう日本の安全保障上の重要問題なのです。多くのテレビ報道のように、他人事として見下して笑っている場合では決してありません。
中国につきたい、もしくは自分たちだけで戦うべきだと考える方はそれでいいでしょう。しかし、もし、現実的に中国の横暴を食い止めたいと考えるのなら、日本人にとっては、トランプ大統領はむしろ正義の味方、応援すべき存在、ということにならないでしょうか。
少なくとも私たちは、米英日(露?) VS 中国欧州 という大きな世界的な戦いの渦中に既に突入しているという認識を持つべきではないでしょうか。