原則、ワクチン接種を乗客に義務付けていた運航中のクルーズ船から27人の新型コロナ陽性者が確認されましたが、全員、ワクチンを接種済みでした。

ワクチン義務付けて出航したクルーズ船で27人陽性 テレ朝ニュース 

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もう、無理に頑張ることはないでしょう。私たちは正しくなかったのです。

「奴ら」は滅ぶつもりだ

私が日本の国際政治分析者として、唯一無二の存在と思っている田中宇氏。彼の解説は、ほとんど納得できる物ばかりなのですが、唯一そうではなかったのが、この部分です。

コロナは、テロ戦争の失敗が確定した後に覇権自滅策の第2弾として起きている。テロ戦争のときも今回のコロナ危機でも、私が「これは米国が覇権を自滅させるとともに中国などを台頭させ、世界を多極型に転換するための策でないか」と書くと、多くの人が「米国が自滅したがるわけがない。妄想だ」と一蹴したが、現実の世界では、米国の覇権がどんどん低下し、中国などが台頭して世界が多極型に転換している。私は、自分の見方が間違っていると思えない状態になっている。

「アングロサクソンを自滅させるコロナ危機」 『田中宇の国際ニュース解説』

しかし、数か月前から「奴らは滅ぶためにこれを行っているのではないか」という妄想が、私の頭にもちらつくようになりました。その理由は田中氏と同様で、そういう風にしか見えないからです。

奴らは自分たちの滅びの美に私たちを巻き込む気です、きっと。

つまり、これは『斜陽』です。

斜陽
しゃよう

太宰治(だざいおさむ)の中編小説。敗戦後の1947年(昭和22)に発表され、ベストセラーとなり、敗戦によって没落した貴族をよぶ「斜陽族」という流行語を生んだ。母は最後の貴婦人として美しく死に、弟直治は生きる基盤のない貴族であることを嘆きつつ自殺する。1人残ったヒロインかず子は「人間は恋と革命のために生れて来たのだ」と、画家上原の私生児を身ごもり、道徳革命の完成を目ざして生きる。

『斜陽』 コトバンク

なぜ自ら滅ぶのでしょうか。それは、自分たちが間違っていると、いつか気が付いてしまったからではないでしょうか?

いまはもう、宮様も華族もあったものではないけれども、しかし、どうせほろびるものなら、思い切って華麗にほろびたい

『斜陽』 太宰治

これが今、「奴ら」が行っていることなのではないでしょうか。

なぜ、気が付かないのか?

例え真理はキリスト以外にあるということを、数学的に証明してくれるものがあっても、自分は真理とともにあるより、むしろキリストとともにとどまるを潔しとする。

『悪霊』 ドストエフスキー

「なぜ、彼らは気が付かないのか?」

恐らく多くの「目覚めた方」が、この疑問を強く抱いていると思います。私は、この問いに答えを見つけることが出来た気がしているので、ご紹介します。

それは、みんなが「自分は正しい」と思っているからです。正しい世界に住み、正しい活動をしてきたと固く信じているからです。

その「正世界」では、権威が私たちを攻撃するなどということは、あってはならないこと、なのです。

「自分は正しい」という思いは、もちろん誰しもが持っているものです。

人間は卑劣漢として生きてゆけないばかりか、卑劣漢として死ぬこともできないものだ。

『カラマーゾフの兄弟』 ドストエフスキー

しかし「ワクチン強制クルーズの悲劇」を目にしても、「未だ目覚めない人たち」は、その思いがとっても強いのです。何かがおかしいと感じることは、自分たちの住んでいる「世界」が間違っており、即ち、自分が間違っていることに気づくことになります。

その「世界」では、政府が陰謀を働くなどということは、ありえません。

それを知ることは、死ぬほどつらいことなのです。それならば、毒を体に入れた方がまし、ということかもしれません。

私は自分の嘘を信じようと思った。命取りなどというおそろしい言葉は、忘れようと思った。

『斜陽』 太宰治

「特別な人間」だらけ

誰もが自らを「少しは特別な人間」だと思っているはずです。そうじゃないと、自分が正しいとは思えないはずなのでね。その極端な例が優生学で、コロナ禍とは、支配層たちによるその思想の具現化だと考えている人は多いでしょう。これはまさにその通りだと思います。

あるインタビューで、ロックフェラーはこう語ったそうですね。

「我々は特別な人間なんだから、一般の奴らなんか、どうなったっていいんだ」

そして、支配者として有名な、ジョージ・ソロス氏は、自分を神のような存在だと語っていました。

しかし、私はこう思うのです。

彼らは本当にそれを信じていたのだろうか?・・と。

彼らは本当はそれを信じていないから、わざわざ口にしたのではないだろうか?・・と。

彼らは何もかもが自分たちの思い通りになる、その前提を信じてきた、しかし今、それが否定されつつあります。その強い焦りが垣間見られるようです。

そして、いつしか彼らは気づいたのではないでしょうか? 自分には、自由も幸せも恋すらもないではないか!と。

私は確信したい。人間は恋と革命のために生れて来たのだ。

その怒りは凄まじく、まるで復讐の様そう、それは、そう、私たちへの。彼らは、私たちが許せないのですよ、きっと。なぜなら、彼らが最も欲しい物を私たちは持っていますからね。

なぜ奴隷たちが、自由と幸せと恋をもっているのだ? これは大きな間違いだ! 民衆から自由を取りあげるべきだ!

ああ、何かこの人たちは、間違っている。しかし、この人たちも、私の恋の場合と同じ様に、こうでもしなければ、生きて行かれないのかも知れない。

想像が行き過ぎたとは思いますが、現状、奴らのスピード自壊を説明するには、そうとでも考えるしかありません。

さらば、素晴らしき自由民主資本主義世界

支配者の皆様が私たちに与えてくれた、幸せが偽りのものであったことは、明白です。

私はやがて、アフリカの辺鄙な村で起きた殺戮と、裕福な世界の人々の快適な暮らしとをつなぐ糸があることに気がついた。その糸はグローバル経済を通じ、紛争地帯から、権力や富が集中するニューヨークや香港やロンドンへとつながっている。

『喰い尽くされるアフリカ』

文明と資本主義の発展のおかげで、幸せを掴んだのは、「人類」ではありませんでした。私たちの幸せとは、誰かの犠牲の上にあるものだったのですが、そのことに気がついたのは、ここ数年内のことです。

私は物心ついたときからずっと、それを「正しい世界」だと勘違いしていたのです。

幸せの犠牲者たちにとって、「支配者」とはだれのことになるのでしょうそれはお前らだ、と彼らは言うのではないでしょうか?

「ロスチャイルドとロックフェラーが悪いんだよ」と言えば、彼らは許してくれるでしょうか?

彼らにとって、資本主義の支配者とは、私たちのことではないでしょうか。

この世は正しくなどなく、誠に酷いのです。しかし、私は悲観的な気持ちでこの記事を書いてはいません。先へ進むために、現状の反省が必要だと考えているだけなのです。

「私たちが経験している恐ろしいパンデミックと経済崩壊に明るい兆しがあるとすれば、今、アメリカの根底にある基本的な考えを見直し始めているということだ」

コロナ禍があぶりだした貧困と格差。撤退したサンダースの主張が改めて注目される皮肉 BUSINESSINSIDER

サンダース氏の言う通り、自分たちが正しいと信じている限り、明るい兆しは見えてこないのです。パンデミックは決して終わらないでしょう。

ドイツ発の民主政治団体、「世界医師連盟」は、以前の日常が間違っていたことを認め、よりよい日常を自分たち作ると言います。

そして、皆で声を揃えて言いましょう。「新しい日常なんか嫌だ」と。しかし、「以前の日常」に戻るのも嫌です。なぜなら「以前の日常」が「新しい日常」と言う状況を生み出したからです。私たちは「よい日常」を望みます。

それを皆で共に求めましょう、そう、あなたと一緒に!

「世界医師連盟」「啓蒙医師団」 ハイコ・シェーニング医師

最後まで正しさに固執すれば、死にます。

死んで行くひとは美しい。生きるという事。生き残るという事。それは、たいへん醜くて、血の匂いのする、きたならしい事のような気もする。

『斜陽』 太宰治

美しく死ぬのもいいでしょう。しかし、私は「奴ら」と一緒に美しく滅ぶ気はまったくありません。

サンダース氏やシェーニング氏を見習い、自らを革命して、新しい世界を生きる所存です。

酷い症状は、それ自体が悪い病なのではなく、体が病気を治そうとした結果です。人はそれを見て「ヤバイ」と、必死に目の前から消し去ろうとします。しかし、それは間違った方法です。

「コロナ禍」は、人類の病気の症状だと見ます。そして、症状は治る直前が一番ひどいのです。治すには「抑える」ではなく、出し切るのが鉄則です。

「普通の病気じゃないんです。神さまが私をいちどお殺しになって、それから昨日までの私と違う私にして、よみがえらせて下さったのだわ」

夜明け前が一番暗い

それが今です。

私には、是非とも、戦いとらなければならぬものがあった。新しい論理。いいえ、そう言っても偽善めく。恋。それだけだ。

滅ぶか、革命して生きるか二つに一つ。