「イエレン」はマーケットを甘やかさない
以前、こんな記事を書かせてもらいました。
アメリカのFRBによる”利上げ”の時期を世界の投資家は固唾をのんで見守っているわけですが、以前お伝えしたように利上げによってイエレンが市場に大きなショックを与えることはないという見方に変更はありません。
FRBは市場動向を非常に気にしていますし、利上げによって、世界経済を混乱に陥れることは決してしたくない思っているのは間違いないでしょう。
では、中国ショックやギリシャ問題などで揺れた昨今の世界経済、「利上げは先延ばし、今年はしないのではないか」そんな声も聞こえてきています。
ですが、私は利上げはきちんと行われると読んでいます。イエレンは市場に対してまれに見る愛情を持った人であると私は思います。ですが、優しいのと甘やかすのとでは全然違います。それは人に接するのと同じことです。
相場は人の心で動いているのですから、甘やかしてはいい様に育たないのです。イエレンはその辺りがすごく分かっているのではと言う気がします。
台風の来ない年はない、だから利上げはある
そもそも、あれがあるから駄目だ、これがあるから駄目だなんて言っていては、到底利上げなどできません。それは所詮、実行力のない上司のいいわけです。そんな順風満帆な時期などあるはずもなく、台風の来ない年を待っているようなものです。
今後も中国とギリシャとユーロは世界経済の足を引っ張り続けるでしょう。ですから、利上げを先延ばしにするにはそれ相当な大義が必要なはずで、世界を見渡しても、そんな大問題は今のところ起きていないのです。
マーティン第9代FRB議長は、
「米国連邦準備理事会(FRB)の仕事は、パーティーが盛り上がり始めたら、参加者から不満が出てもパンチボウル(酒が入ったボウル)をさっさと片付けること」
とおっしゃっていたようです。
それを計画通りに実行することが市場に対する本当の優しさかもしれません。先延ばしは甘やかしにすぎず、どこまでもずるずると甘え、独り立ちできなくなるだけです。
ジャネット・イエレンは”本物”のスーパーFRB議長
イエレンはテーパリング(量的緩和縮小)を予定通り速やかに、華麗に終了させました。利上げもきっと同じように鮮やかに行ってくるでしょう。その手際に市場の動揺は少ないと私は見ています。FRB初の女性議長、ジャネット・イエレンは本物の優しさと強さを持ったスーパーFRB議長なのかもしれません。