米中戦争が激しさを増していますね。8月1日、トランプさんは、中国製品のすべてに9月1日から関税をかけると宣言。8月5日には、中国を為替操作国に認定することが発表されました。
これに対し、中国も徹底抗戦する構え、やはり彼らも戦う覚悟を決めたのでしょう。さて、今回のこの米中戦争ですが、どちらが勝つと思いますか? やっぱり最後はアメリカですかね?
なにせ彼らは世界最強の軍隊を持っていますからね。私も当然、そうだと思っていた。でも、最近こんなことも考えています。
最終的に雌雄を決する鍵となるのは、国の信頼ではないか?
その点から考えると、最強のはずのアメリカも意外なウィークポイントを抱えているとも思えるのですが・・。
情報戦が開始
戦時における最重要とも言える戦いの一つに「情報戦」がありますよね。国の支配層が、自分たちの国民、世界中の人々に自らの正義を訴え、彼らからどれだけの支持を得られるのか、と言うのが、実に重大なのです。
孫啓明教授は最後に「為替操作国」のレッテルを貼られた場合に、どういう影響が出て来るかに関して回答してくれた。
ニューズウィーク 日本版
──実際には何もできないが、しかしアメリカ政府は「モラルと法律」の上で有利な立場に立ち、攻撃の度合いを強めて来るということは考えられる。なぜなら、もし為替を操作しているとなると、それによって取得したその国の利益を正当に評価することができなくなるからだ。そういう心理的な効果は持つだろう。それは他の国がどれだけトランプの措置を重要視するかによって変わってくる。重要視しなければ国際秩序の混乱を招く要素は少なくなり、逆にアメリカが孤立することを招く。
「為替操作国認定」の成否は、アメリカに対する他国からの信頼にかかっている、と中国の教授は言いますが、これは実に本質的な言及ではないでしょうか。
アメリカが過去で唯一敗戦したと言える、ベトナム戦争ですが、最大の敗因はその戦争に対する支持が得られなかったことだったのではないでしょうか。
ベトナム戦争を巡って世界各国で大規模な反戦運動が発生し、社会に大きな影響を与えた。1973年のパリ協定を経てリチャード・ニクソン大統領は派遣したアメリカ軍を撤退させた。
ウィキペディア ベトナム戦争より
したたかな中国は、そのことを理解し、すでに対抗のための情報戦を開始しています。
中国外務省の華春瑩報道官は30日の記者会見で、最近の香港の暴力的な抗議活動は「米国の作品」だとして米国を非難した。香港の混乱を巡り、中国が米政府を直接批判したのはこれが初めて。
ブルームバーグ
どっちを信じるか
香港の暴力的なデモは、CIAの謀略だ、と言う中国。私はこれを見たときにですね・・自分の中で「あれ?」って思っちゃったんです。CIAが他国のクーデターを支援し、アメリカに敵対的な政権の転覆を図ってきたことは、ネット上などには情報としてはもちろんあります。
でも、普通にはそんなに表に出てこないじゃないですか。テレビニュースではまずやらないし、その辺で口にだしたら、陰謀論者、頭のおかしな奴扱いされるような話だったはずなんです。
でも、世界第二位の経済大国の外務省の報道官が言っちゃったんです。
これに対し、米国側は「ばかばかしい」と一蹴していた。
当然アメリカは、こう言いますよね。で、ここからが重大な問題なんですが、果たして皆さんは、
どっちを信じますか?
私ははっきり言って、中国の言い分を信じますね。まあ、多分香港のデモは、CIAの謀略でしょう。恐らく、このブログ読者の方も私と同じに思うのでは?と思います。自分の中で、これは結構衝撃でした。だって、この時点でこの件に関して、すでにアメリカは中国に負けているって話ですから・・。
まあ、もちろん、ここのようなぶっとんだブログを読まない、テレビが頼りの常識人の方や(読者の方すみません)、世界中の人々がどう答えるか分かりません。
ただ、アメリカと一緒になって、ばかばかしいと一蹴するかどうかは、かなり疑問です。このことは、中国と言う国家が、これまでの敵と違い、やはりアメリカと対等に渡り合える強国であることを如実に示しているように私には思えるのです。
「世界は自分たちを信じるだろう」、そう思ったからこそ、中国共産党は、「香港のデモは米国の陰謀だ」と、外務省に語らせたのではないでしょうか。
米国の嘘
私は、中国共産党は好きではありません。だからと言って、残念ながらアメリカも到底信用に足る国とは言えないのです。なぜなら、彼らは余りにも多くの嘘を私たちについてきました。特に16年前のイラク戦争はひどく、私が彼らの言質を一切信用しなくなるきっかけになりました。
イラク戦争の動機は「石油だった」とグリーンスパンさんがいっています。
北野幸伯 公式ホームページより
「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露
07年9月17日15時0分配信 時事通信
【ワシントン17日時事】18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。
この時のイラクは、アメリカにとっては所詮敵ではなく、攻め入るきっかけさえあれば、簡単につぶせる相手でした。情報戦でも圧倒的に有利、イラクがなにを主張しようと、「悪の独裁国家」として無視され、彼らの言い分が私たちの耳に届くことは、全くと言っていいほどありませんでした。
アメリカは、国際テロ組織のアルカイダとイラクは繋がっていると喧伝、開戦の口実の一つとさえした。
トルコのテロ専門家はザマン紙に対し「アルカイダという名前の組織は存在しない。アルカイダとは、テロ戦争を永続できる状況を作ることを目的としてCIAなどの諜報機関が行っている作戦の名前である」「テロ戦争の目的は、常に低強度の危機が持続している状態を作ることで(アメリカが世界から頼られる)単独覇権体制を維持することにある」と述べている。
田中宇の国際ニュース解説
しかし、例えば、こんな情報は私たちに一切入ってきません。この衝撃的な話も私は本当だと思います。しかし、常識派の方は、逆にこれを嘘だと言うかもしれません。彼らには、田中宇さんや「トルコのテロ専門家」はきっと信用に値しないのでしょう。
つまり、アメリカの方が圧倒的に強い訳です。
しかし、中国相手に同じ手が通用するでしょうか。もし、中国がアメリカの嘘を本格的に暴き始めたとしたら、どうなるでしょう? 世界中の人々は、いったいどっちを信じるのでしょうか?
中国共産党とつながりのある香港メディアが、香港の民主化活動指導者と会った米外交官の個人情報を報じたことを受け、米国務省のオルタガス報道官は8日、中国を「暴力的な政権」だと批判した。香港で続く抗議活動を巡り、米中間で非難合戦がエスカレートしつつある。
ブルームバーグ
その時、世界はひっくり返るかもしれません。
彼らはそれくらい危険な嘘を私たちにつき続けてきました。いうなれば、米国の支配層はレバレッジを効かせて私たちをコントロールしているのです。そのハイリスクが、いずれ自分たちに思いもよらぬ形で跳ね返ることは十分考えられるでしょう。
自分の嘘で身を亡ぼすオオカミ少年、これは実に現実的で、あり得そうな話ではないですか。それがいつ訪れるかは決して分からないとは言え。
もちろん、中国共産党が信用できますと言っているわけではありません。彼らは初めから、自国民からも私達からも大して信用されていない。ですが、アメリカは、今のところ、従順な自国民や世界中の(私のようなへそ曲がり以外の)人々からの圧倒的な信用を元に国家を運営しています。
ですから、そこが最大のウィークポイントとも言えるのです。
「鳴かぬなら鳴くまで待とう、ほととぎす」 徳川家康
「鳴かぬなら殺してしまえ、ほととぎす」 織田信長
「鳴かぬなら鳴かせてみせよう、ほととぎす」 豊臣秀吉
「鳴かぬなら鳴いたことにしてしまえ、ほととぎす」 アメリカ