どうせ、G7中に仕掛けてくんだろ~と楽観的にいや悲観的に考えていたら、やっぱりそうでした。

米債務上限を巡る政府と共和党による非公開の交渉は19日午前に始まったが、マッカーシー下院議長側の交渉担当者らが突然退席した。

  グレイブス下院議員(共和党)は「彼らはとにかく合理的ではない」と述べた。交渉がこの日、あるいは週末にかけて再開されるのかどうかは分からないと述べた。

ブルームバーグ

このアメリカの債務上限問題、株式投資をやっている人にはお馴染みの、政治ショーで有名なのですが、今回ばかりは楽観は危険かもしれないというマーケットの話ではなく、ホラーの話です。

投資家は慣れっこ

このアメリカの債務上限問題は、投資家ほど無頓着です。先程も書いた通り、もう何度も繰り返されてきたお約束の政治ショーで、本気で心配する投資家なんて一人もいません。

そう、確かに今まではそうだったのです。しかし、今回は事情が異なるというのが、当ブログの見解です。

株価騰がり過ぎ問題

それを示唆しているように感じるのが、株価の騰がり方です。尋常じゃないですね。

昨日のTOPIX(東証株価指数)に加えて、今日は日経平均も33年ぶりの高値を付けた。ゴールデンウィーク直前からの日本株はほぼ一本調子で上昇していて、これまさにアベノミクス相場の初期を思わせる上げ方である。私は以前から今回の岸田政権の「資産・所得倍増プラン」と、東証の「資本効率改善・PBR1倍回復要請」の効果はアベノミクスを上回ると予想してきたが、今はまさにその株価上昇の起爆剤としての効果が爆発的に表れ始めた感じである。

『山本伸の言いたい放題』

カリスマ株式評論家の山本伸氏はこう表現しますが、とてもそんな健全な動きとは思えないところがあります。そんな中、その危険性を訴えるアナリストも少なからずいらっしゃいます。

平穏無事で、特に「口実」のないまま政治的に歩み寄るのは簡単ではないだろう。このため株安拡大などの「口実」は、合意にある意味では不可欠な前提条件の可能性さえある。このように危機感をバネに物事が動き出すことを「危機バネ」というが、2011年はそれでもすぐに一件落着とならなかった。

【為替】米債務上限問題、なぜ「危険」なのか? 「吉田恒の為替デイリー

危機が起きないと、今回は問題は解決しないですよと。ふむふむ。当ブログの政治分析上もまったくその通りなのです。

いじめっ子の親分

須田)ただ、共和党サイドとしては悩ましいところがあって、議会・共和党は必ずしも一枚岩ではないのです。大きく分けると4つのグループに分かれていて、「フリーダム・コーカス(自由議連)」と呼ばれる保守強硬派のグループがあり、ここが頑ななのです。

米債務上限問題を長引かせるトランプ前大統領と共和党保守強硬派「フリーダム・コーカス」の存在 ニッポン放送

出ました「保守強硬派」、なんだか懐かしい気すらしますね。

須田)その背景にいるのが誰なのかと言うと、トランプ前大統領です。フリーダム・コーカスというのは、トランプ前大統領に絶対的な忠誠を誓っている議員集団なのです。

フリーダム・コーカス? そうそれは、当ブログ通称「ロンドン」。彼らが何をしようとしているのかを知ることこそが、政治を知ることなのです。

それはすなわち、バイデン(アメリカ)いじめですね!

G7が開幕した途端、退席を仕掛けてきましたしね。そもそも、バイデンはんは債務上限問題が深刻化すれば、G7を欠席するって言ってました。でも、共和党のマッカーシー氏も楽観的なことを言っていました。

株価も連日上昇で、危機は全くなかったわけです。しかし、こんな記事も。

米国家経済会議(NEC)のブレイナード委員長は18日、デフォルト(債務不履行)回避に向け共和党と協議しているホワイトハウスの交渉担当者が、薬価設定や医療へのアクセス、気候変動対策プログラムで譲歩しないよう指示を受けていることを明らかにした。

ブルームバーグ

んでもっと、この人はこんなことさえ言っています。

米民主党上院議員団はバイデン大統領に対し、共和党との債務上限交渉が不調に終わった場合のデフォルト(債務不履行)回避に向け、合衆国憲法修正第14条の発動に備えるよう求めた。

米民主上院議員団、バイデン氏に憲法修正14条発動への備え求める ロイター

結局どうなる?

サンダース氏は、悪戯にこのようなことを言う人ではなかったですよね。まあ、いくら「ロンドン」でもね。彼らが本当にデフォルトまでやるかどうかというと・・私も懐疑的なんです。なので、私は悲観的ではありません。

ただ、今回も無風で終わると思えるのは、単なる無知からなんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

株価の大暴落くらいは作って、表面上のアメリカの信用をぶっ潰すくらいのことはやるんじゃないかと思うのです。

つまり、米国はそれほど打撃を受けなかったというわけだ。しかし、今回は違うと木内氏は警告する。

「今回はデフォルトリスクが高まり、あるいは国債の再度の格下げとなれば、信用リスクの高まりがリスク回避傾向の影響を上回って、米国債が下がり、長期金利が上昇する可能性もあるだろう。それは、債券含み損をさらに拡大させることで、足元の米銀不安を増幅させる可能性が考えられる」

「その場合には、ドルの下落幅もより大きくなり、米国は『トリプル安』の傾向を強める。そうなれば、海外金融市場への影響も2011年の時よりも大きくなり、より急速な円高株安進行で、日本経済が大きな打撃を受ける可能性も出てくる」

どうするバイデン大統領、米国議会、米金融市場、そして米国民、と問いかけているわけだ。(福田和郎)

Xデー迫る債務上限問題! 交渉難航のカギは低すぎる市場と国民の危機感…エコノミストが指摘「今回は、世界を巻き込むトリプル安が起こる?」 Jcastウォッチ

株価は何故上がったのか? 下がるために上がったのではないですかね。