コロナウィルスの蔓延による世界的な騒乱は、収まる気配を見せません。これまで、世界に比べて”緩い”対策を取ってきた日本にも、強制対策の圧力が高まっています。

しかし、この状況はとてもよろしくない、と私は感じています。

専門家は、ウイルス封じ込めにはこうした措置が必要だと認める。一方で、国民の基本的な権利が奪われたり、危機終息後もこうした措置が解除されない恐れがあると懸念する声もある。

ウイルス封じ込め策、人権への影響懸念も 68カ国が非常事態宣言 ロイター

私は人間の自由、基本的人権は命より大事なものと教わったと認識していたのですが、果たしてこれは勘違いだったのでしょうか。そう思わざるを得ない状況が、今目の前に広がりつつあります。

「封鎖は命優先」は出鱈目

人権は人が生まれつき持ち、国家権力によっても侵されない基本的な諸権利であり、国際人権法(international human rights law)によって国際的に保障されている。

ウィキペディア

今はメディア、芸能人を中心とした一大勢力は、

「私たちの自由と権利を早く奪ってください」

と時の権力に対し、懇願しています。それに対して安倍政権は、

「そんな危険なことはしたくない」と拒否の姿勢を示すと言う非常に奇天烈な状況です。

芸能人の言い分としては、「安倍政権は命より経済を重要視」していると言うのですが、これは全くおかしな論理です。

経済は本来的に、衣食住の流れのことであり、生命の維持と対立軸ではないでしょう。衣食住の流れを確保することは、感染を免れること以上の生きる上での最優先課題です。

それを受けて、医師で大阪大学人間科学研究科未来共創センター招聘教授の石蔵文信氏は、

「経済的損失は、人命と無関係ではありません。男性の場合、失業率が1%上昇すると、10万人当たり約25人、自殺者が増加するというデータがあります」

「コロナ地獄」に近づく日本 テレビが煽る悲観論、緊急事態宣言の必要はあったのか デイリー新潮

経済活動を停止させても平気と言うのは、貯蓄を切り崩して生活ができると言う人の場合の話です。つまり、富裕層です。芸能人=富裕層、少なくとも、今のワイドショーで発言しているような人たちは、一生働かなくても生きていける貯蓄があるだろう上に、仕事をしています。

自粛しろ? 笑わせんな! ボケ! そんな彼らにはこう言っておけば十分でしょう。

彼らは「そう言えば、人気が上がる」と知っているから言っているだけですよ。まあ、とにかく、自粛、封鎖が命優先と言うのは、全くのデタラメですからね。

「補償しろ」の無理

ま、これも同じで、「補償出来る」は嘘なんですよ。政権は補償したくないんじゃなくて、出来ないのです。だって、経済活動を止めてるんだから、貯蓄を切り崩すしかないんです。

私たちってそんなに貯蓄してましたっけ? お金を持っているのは、大企業と富裕層です。彼らから巻き上げて、貧しい人々に配ろうって言うなら大賛成ですけど、言うだけ無駄だから言いません。

ドイツのメルケルは、補償をやると言って、国民の支持率を大きく改善させたようですが、彼女は元から、到底出来もしないようなことをぶち上げる名手です。

「移民を無制限に受け入れる!」「原発を廃止して、全てクリーンエネルギーに入れ替える!」当時、そりゃあ大絶賛を浴びましたよ。で、結局どうなりましたかね。

安倍首相は、この辺りが下手だと言えば、全くその通りということになります。

橋下徹案は威勢いいが危険極まりない

そんな中、テレビの討論で、流石の魅せ方をしたのが、橋下徹氏でした。

橋下徹氏は、フジテレビの緊急生討論番組「日曜THEリアル!」にリモートで生出演。明日の生活も苦しい人への補償として「安倍さんたちの世代、または上の世代は日本の借金なんて考えなくていいんですよ。それを処理するのは我々か、我々の次の世代なんだから。俺たちが借金をなんとかするから。だから今の緊急事態宣言で困っている人に札を刷って配って、その尻拭いは我々世代、我々以降でやるから、だから安倍さんやってくれって」などと主張した。

橋下徹氏の補償問題への“主張”に賛同 テニス・杉田祐一の投稿に「頼もしい」と反響 THE ANSWER

威勢が良くてカッコいいです。惚れます。だけど、これは危険極まりない。だって、つまり、投資ですよね、これ。しかも、信用取引。我々の生活を信用買いで成り立たせようと言っているわけです。

成功する可能性もゼロではないけど、失敗したら当然破滅します。そのハイリスク、追いますか? 投資は余剰金でやるものだと、教わりましたけどね。

橋下氏の言うことを安倍氏が行えば、支持率は確実に騰がるでしょう。しかし、もし失敗に終われば、それを未来の子に負わせればいい、俺は死ぬから別にいいや。確かにカッコい・・。

「困っている人を助ける」のは、私も大賛成で、やるべきですよ、もちろん。でも、結局、線引きが出来ないのです。

困っている人って?

「困ってますって言った人?」「貯金がない人?」「稼ぎが少ない人?」「収入ゼロだけど、資産を持っている人は?」「稼ぎはあるけど、借金がたくさんある人は?」

って考えると、結局みんなに配るしかないってなってしまいます。

みんなに配ってしまうと、世の中のお札=紙が増えるだけです。経済活動を止めてしまってますからね。止まってるんじゃなく、止めてるんです。ここが重要ポイントです!

止まってるんなら、もしかしたら、意味あるかもしれないです。なぜなら、それが刺激になって動き出す可能性があるから。それが金融緩和の意味ですね。でも、今回のは意図的に止めてるんだから、全く意味なし!

お金は無から作れますけど、富は作れません。だから、今回の場合は富のバランスを整えるしかないんですよ。あるところからないところに配る、物理的にそれしかあり得ない。

補償するならば、お金持ちから貧乏人に配る!これしかないんです。あ、私、今、気づいちゃいました。だから芸能人さんたち、ごまかしているんですね。私たちはいっぱい持ってるけど助けたくないから、政府なんとかしろや!ってことですね。

政府の金って結局みんなの、ですからね。自分で自分を助けろ、結局誰も助けないってことですよね、これ? 私にはどう考えてもそうとしか思えないのですが、違うのかな?

ちなみにベーシックインカムは、一応は金持ちから貧乏人への配給の形になっています。富裕層は、人々から巻き上げた巨万の富をほんの少し”ただで”返す、ということ。

「ただで金くれてやるんだから、最低限の生活でも文句言うなよ」

それをこう言いかえる。これがベーシックインカムの本質です。

だから、逆に富裕層からもらえる額を大きくすれば、それはそれは、素晴らしい制度にもなりうるわけです。でも、分かるでしょ? ありえね~って。だから、ベーシックインカムは駄目なんです。制度の問題じゃなくて、根性が腐ってるからダメ、ということです。

最大の問題

そして、最大の問題は、時の権力者たちは「封鎖をいつ止める」の約束を一切していないことです。

人権保護団体オープン・ソサエティ・ヨーロピアン・ポリシー・インスティテュート代表、カール・ドーラン氏は、非常事態に伴い拡大した権限を一部の政府は危機が終息した後も維持しようとする恐れがあると指摘。

ロイター

結局何が正解か

で、結局「コロナ対策」何が正解かって誰にも分からないよねってことです。

「何が正解か分からないから、みんなで出来る限り自粛してね。助けられないから強制もしないけど」って安倍政権は言っています。

別にそれでもしょうがないんじゃないですか? 情けない? そうかもしれないですが、怖い政権よりは私は好きですけどね。

それにこの政策を取っているのは、別に日本だけではありません。欧米でもスウェーデンなどは、この方法で成功していると言われています。

対して、より強硬な自粛を推し進めているのが、東京都知事です。彼女は、私たちの「自由と人権を奪う」政策を期限の設定もせずに行っています。私には、正解か不正解かの前に、問題だらけに思えますが、いかがでしょうか?

緊急時だから仕方ない?

冒頭でも書きましたけど、私は自由と人権は命より大事だと思ってきました。

そんなに簡単に差し出していいのでしょうか?

少なくとも、小池はいつまでにそれを解除すると明言すべきです。それができないのならば、彼女には破壊王の称号が相応しいと言えるでしょう。