昨日のNY株式市場で、3指数がそろって下落しました。株式市場は既に天井をつけたのではないか、という記事を1カ月前に書きましたが、結果はどうでしょう。

日本株に関しては、今のところ当たってますね。NYについてはナスダックとS&Pは、最高値を「少し」更新してしまいました。ダウは終値では更新したものの、取引時間中はまだです。

つまり、まだ外れてませんね(笑)。

さて、真面目にこれをどう見たらいいのかと言うと、経験上は日本株の方が正しいことが多く、依然として、長期的に株式市場は崩壊する可能性が高いのでは?と思います。

ついにインフレが抑えきれなくなった

その最大の理由が、インフレがとうとう、抑えきれなくなったことです。これは、過去に株式市場が崩壊した典型的な理由の一つです。

新型コロナウイルス不況を抜け出した米国で、物価高への懸念が広がっている。インフレ率は約13年ぶりの高水準に達し、こうした状況が長期化するという観測も浮上。「物価上昇は増税と同じだ」(下院議員)との不安から、インフレを一段と加速させかねない金融緩和策を早期に見直すよう、連邦準備制度理事会(FRB)に対する政治的な圧力が強まってきた。

物価高騰、「増税と同じ」 インフレ懸念強まる―米 jiji.com

当局は、一時的と誤魔化していますが、それはありません。

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)​​​​​​は15日、米金融当局は「一時的インフレ」の定義を変えたと述べた。

米金融当局は「一時的インフレ」の定義を変えた-ガンドラック氏 ブルームバーグ

インフレが加速した理由に関しては、過去記事で散々書きましたので、まだ分からないという人は、私の記事を読んで勉強してください(笑)。

そして、とうとう言っちゃいましたね。

インフレはただの増税です」

その通りです。しかし、経済学では「インフレはいいこと」だとされているのです。その嘘を絶妙なタイミングで上塗りしたのがMMT論者で、彼らはただの「慰め屋」です。

「大丈夫ですよ!」と言ってるだけですからね。

いまだに給付を言ってる人もいますが、もう黙ってください。それはつまり、ただのキャッシングですから。

生活必需品が高騰

そして、打撃を受けるのは生活必需品です。

新型コロナウイルス禍で苦難に見舞われていた米国の家庭に現在、インフレによる出費増というさらに重い負担がのしかかっている。自動車や衣料品、外食などの裁量消費は先送りにすることも可能だが、生活必需品は待ってくれない。紙おむつもそうだ。

紙おむつにもインフレの波、コロナ禍で厳しい米家計をさらに圧迫 ブルームバーグ

この危機を救う方法は確かにあります。増税は「持つ者」に行えば良く、米国の民主社会主義者たちは、既にそれを提案済みです。しかし、これが通る可能性はとても低いでしょう。

資本主義の猛者たちは、それをすると私たちに悪いことがあるよと宣いますが、その言い分をそのまま受け入れている人、特に日本人!が多いことには驚きます。

社会主義が怖いのだと、彼らは一様に言います。

自分の収入を削って全従業員の最低年収を、7万ドル(約760万円)にします――。 

アメリカ西海岸シアトルを拠点するクレジットカード処理会社グラビティ・ペイメンツ、ダン・プライスCEOの2015年の決断はビジネス界に衝撃を与えた。

従業員の最低年収を上げるにあたり、プライスCEOは自分の110万ドル(約1億1000万円)の年収を90%カットした。

収入の不平等を無くすための大きな一歩だと高く評価された一方で、批判も少なくなかった。

中でも保守系のFoxニュースはプライス氏を「社会主義者」と呼び、「従業員は生活保護の支給を求める列に並ぶことになるだろう」と酷評した。

従業員の賃上げで「社会主義者」と罵られたCEO、6年後会社の収益は3倍になっていた HUFFPOST

しかし、もちろん、これは流行りの「偽パンデミックシンドローム」です。嘘の出どころは言うまでもありません。

今はバブルではない?

一方、マーケットに目を向ければ、熟練の投資家や株式アナリストからよくこういう話を聞きます。

「今がバブルだという人は、本当のバブルを知らない」と。

しかし、私に言わせれば、バブルに本当も嘘もありません。それは全て嘘なのですから。嘘の種類が変わっただけですよ。

1980年代のバブル期には、一般素人投資家まで株に参入してきていた、今は全くそのような状況じゃないよ、と彼らは言います。

しかし、2018年、その一般の素人個人投資家は、仮想通貨市場に参入していたじゃないですか。芸能人が、儲かった話を披露している様は、まさにバブルの様そうでしたよ。たまたま、入ったファミレスの隣の席の人が、友人をビットコイン取引に誘ってたんですよ。

完全にバブルの光景ですね。

私は2018年にリセッションとともに、株式市場のバブルは崩壊しましたと書きました。そして、225の下値は15,000円くらいではないかと。

2020年、日経平均は夜間先物で、15,000円台に突っ込みましたが、その後に3万円まで上がった理由はなんでしょう?

未曽有のバラマキ

理由はそれだけ、ですよね。ですから、その理由がなくなれば、再び元の位置に戻るのは、不思議ではありません。

過去のバブルと今のバブルは違うのです。

30年前にロックダウンやってましたか? こんなに札を撒いてましたか? 素人個人が、株式市場に戻ってくることはもうないですよ?

今は十分バブルであり、株式市場ともに資本主義は終わる可能性がある、と思います。