ワクチンパスポートの導入が、進んでいます。これはもちろんですが、事実上のワクチン強制ですね。ついに「敵」はこれに踏み込んできましたね。対する世界の民衆は、激しい抵抗を見せているようです。

フランス各地で24日、政府が打ち出した新型コロナウイルス対策に反発する16万人以上が抗議し、パリでは警官隊との衝突もあった。

フランス政府のコロナ対策強化に市民反発 パリで衝突 BBC JAPAN

ところで、この「ワクチンパスポート」と言う概念、果たして「正しい」のでしょうか? 「正しくない」のでしょうか?

正解があるとすれば、それはまだ分からない、になるのではないでしょうか。

当たり前?

 これにフォロワーから「ワクチンを推奨するのはいいと思うが拒否する人を全面否定するのは違う」という意見が届くと「特定の疾患などでやむを得ない人は除き、ワクチン拒否する者のみ社会的な制限を課すのは当たり前じゃないの?」と言い返した。

ホリエモン ワクチン拒否者に「社会的な制限を課すのは当たり前」「同様の権利を求めるのは筋違い」 スポニチ

コロナは「ただの風邪」派だと思われていたホリエモン氏ですが、ふたを開けてみたなんと、熱烈なワクチン推進派でしたね。

「コロナなんぞ、気にするな!」的なことを常々言っていたと思うので、矛盾する発言に思えますが、彼の真意は一体どこにあったというのでしょうか? それは取りあえず置いておいて、

「ワクチン拒否する者のみ社会的な制限を課すのは当たり前」

という考え方って実際問題、正しいのでしょうかね?

皆様はどう思われますでしょうか? 

民主主義社会は自由が保障されているんだから、間違っているに決まっている!

これを「当たり前」と考える人も一定数いるでしょう。となると、先程のホリエモンの「当たり前」と真っ向から対立していますよね。世界でもそうなっているからこそ、激しいぶつかり合いが起きているわけです。さて、困りました。

ちなみにホリエモンの真意に関しては、ここにあったようです。

「ワクチンを打つ打たないは個人の自由であり強制のような仕組みだけは反対すべきです」という意見には「それをいうならいまの緊急事態宣言がおかしいわけでね。インフルエンザみたいに緊急事態宣言しないんだったらワクチン接種拒否も個人の自由でやれよって話だよ」と私見を述べた。

これは私はわかります。今が緊急事態だと思う人は、ワクチンを拒否する理由って説明できないと思うんですよね。緊急事態じゃないから、緊急のワクチンは打たない、これは論理的です。

ただ、多くの日本人はそうじゃないみたいなんですね。マスクの強制はOK、ワクチンの強制はNGという奇妙な器用を発揮しているのが、今の日本人なのです。

彼はそのあいまいさを責めているのでしょう。

正義とはなにか

話が少しそれましたが、困ったことに、私たちの未来にとって、非常に重要な「当たり前」が二つ出来てしまいました。

「ワクチンの強制はされるべきか、されないべきか」

さて、どっちが正しいでしょうか?

その答えを出すには、これを理解しないといけません。

「正義」とは何ぞや? ということですね。これね、実は難しいようで簡単です。

簡単に言えば、「フォールスコンセンサス」はみんなが自分と同じように考えて同じように行動するはずと思い込む認知バイアスのことです。自分を常に「多数派・正常・常識人・普通」と思い込む正常化バイアスを意味しています。

フォールスコンセンサスとは|自分が”多数派”と思い込む心理を解説 Behaav

正常=多数派、つまり正義って多数派のことなんです。これ、意外と知られていませんね。

多分こう思っている人は結構います。

「俺こそ正義」

しかし、日本人は比較的そう言う人は少ない傾向にあると言われてますよね。実際に、日本人は、周りの人と同じでないと不安を感じる人がかなり多いようです。

これは、正解なんです。だって、多数派が正義だからです。ただ、ですね。ここに落とし穴があって、それは常に変わるってことなんです。

例えばこれ。

新型コロナウイルスに関する4回目の緊急事態宣言が発令中の東京都で、都の要請に従わずに午後8時以降も営業する店舗が増えている。日本経済新聞が新宿などの個人飲食店500店を調べたところ5割超の店舗が時短営業していなかった。

都内飲食店の5割超、時短応じず 協力金遅れで離反 日経新聞

これは本当に分かり安いのですが、2020年の4月に緊急事態宣言が出された時、感染症の被害の数字は今より遥かに少なかったのです。私は書きました。一切従う必要はない、抵抗するべきである、と。しかし、そのような世論は当時皆無に近く、そんな考えの私はまさに「悪」だったのです。

でも、それから1年が経ち、とうでしょう。結果的に、その点において、私が「正しい」ことが証明されつつあるわけです。

「正しさ」が最初から存在していたわけではなく、それが正しいことになった、と考えた方がいいと思います。

現実は正解である

立川談志

ですから「常識人」は、常に「正しさ」を後追いする羽目になります。

対して、ホリエモンのような人種は数年後、数十年後の「正しさ」を予想して、それを表明しているのです。それは結局、投資なんですね。もちろん、外れるリスクが常識人に比べたデメリットであるわけです。

ですから結局、「ワクチンを強制されるべきか、されないべきか」二つの「当たり前」のどちらが正しいのか、その答えは現時点では不明なのです。だって、どっちが多数派か、これから多数派になるか、誰にも分かりませんからね。

ですが、私は明確に予測し、それを表明します。

「されるべきではない」が正しい、すなわち「されるべきではない」が勝つと。

日本人には、この「勝つ」という気概が少々足りないように思えるのです。勝てるという予測もないのに、戦っても意味なくね? 運動会じゃないんだからさ・・と思います。

どうも、悲観的な人が多くてですね。敵が間違っているなら、それを証明しなければいけないのですから、戦に対して悲観的というのは、変ですよね。

「自分は正しいけど認められることはない」は、ガキの理屈に過ぎないのです。ゴッホのように死んでから認められるという形もあるかもしれませんが、それは滅多にあることではありません。

ですから、今民衆を引っ張るリーダーに必要とされる姿勢は、これではないでしょうか。

2020年の大統領選で民主党の候補指名を争ったバーニー・サンダース上院議員は6月17日、バイデン政権の対中政策を「新冷戦外交」と批判する論考を、有力外交誌に寄稿した。

同氏は「ワシントンの危険な対中新コンセンサス 新冷戦を始めてはならない」と題した文章で、米中対立を「ゼロサム(一方の得が他方の損になる)」的な経済・軍事闘争とみる「コンセンサスはきわめて危険」として、政権と議会の「冷戦思考」を批判

さらに、バイデン大統領の「民主主義対専制主義」という「決めつけ」を、「国家間ではなくアメリカ内部の問題。民主主義が勝つつもりなら、権威主義より人々により良い生活の質を提供できることを実証するべき」と主張した。

台湾寄りで中国刺激続ける日本に「ハシゴ外し」のリスク。アメリカの対中政策に「変化の兆し」 BUSINESSINSIDER

う~ん、素敵。これくらいのことを言うリーダーが、日本にも欲しいですよね。

「間違っている!」ではなく、

「間違っていることを、(俺が私が)証明して見せる!」という人。

勝者は決まっている

正義は予め決まっているものではなく、「正しい」は予測に過ぎないことをこれまで書いてきました。でもね、実は決まってるんですよ(笑)。

私たち人間が、どうあがいても勝てない存在がありますよね。

チンパンジーのコミュニティでは、確かに無慈悲な暴君がトップの座につくこともあるが、私が知っているもっと典型的なアルファたちはそれとは正反対だった。この地位にあるオスたちは、必ずしも群れで最も大きく、最も強く、最も意地の悪いものというわけではない。他者の助けを借りて頂点に昇りつめることが多いからだ。それどころか、最も小さなオスでも、適切な支持者がいれば、アルファになることがある。

『ママ、最後の抱擁 わたしたちに動物の情動がわかるのか』 フランス・ドゥ・ヴァール

「我々の敵」は、愚かにも自然に戦いを挑んでしまいました。彼らが「自然の法則」に勝てると思いますか? 

だれが勝つのか? 何が「正しい」のか、それは初めから決まっていたのです。

勝てば官軍負ければ賊軍

[使用例] 勝てば官軍、負くれば賊で、革命前夜には国家が極刑に処した罪人でも、革命が成就した後には、位を贈られ、神に祀られることになる

コトバンク