先週の金曜日、ドル円が151円の後半に達し、125円の時から円高になると言い続けた当ブログはすでに、マーケット予想者としては死んだも同然になりました。

ですので、今回は季節外れの怪談話でも書こうかと思います。

内容は題名の通り、10月21日夜,24日早朝に行われた「覆面介入」の実行者は本当に日銀なのか? というものです。

外国為替市場で個人投資家の円売りポジションが増えている。日本の当局による円買い介入が取り沙汰される中、円が急反発する場面が増え、個人投資家にとって円売りの好機となっている。

個人投資家の円売りポジション拡大、介入でチャンス到来 ブルームバーグ

この時点ですでにゾッとしたという方がいたら、恐らくお化けに大損させられたことのある経験者でしょう。

「分かっている」千載一遇のチャンス

個人投資家にとって、今回の「覆面介入」は千載一遇のチャンスだと言います。

フジトミの山口哲也チーフテクニカルアナリストは、「介入時にドル・円の安値を拾おうという考えによるもので、当局が介入してもその前の価格に戻ると分かっているのだろう」とし、「個人投資家にとっても、とても簡単にトレードできるところだ」と話している。

個人投資家の円売りポジション拡大、介入でチャンス到来 ブルームバーグ

先程も書いた通り、投資経験者であれば、すでにゾッとしていることと思います。

「誰もが儲かりそうな相場」

これ、滅茶苦茶怖いですよね。私も何度もやられました。そして、未だにやられることもあります。個人投資家は「当局」が介入したと決めつけているようですが、全然確定してないですよ。

もし、為替介入じゃなかったら?

はい、またゾッとしました。私も見ていたのですが、金曜日のドル円相場は、非常に奇妙な動きでした。夜間、一本調子に152円近くまで上昇したかと思うと、そこから5円近くも急落。そして、明け、24日の早朝で再び急落。

仮に「介入」じゃなかったとしたら・・ヤバすぎる動きだと、投資家なら誰もが感じると思います。

一本調子で上がってきたドル円相場が突如として、2日も渡って暴落したと言う話ですからね。買うとこ、じゃなくて逃げるとこじゃないですかね、多分・・。

日銀じゃない

米国が知らない

今回の急落が日銀の介入のせいじゃないと考えられる理由が、いくつかあります。

イエレン米財務長官が「日本のいかなる介入も知らない」と発言したと、ブルームバーグが25日に伝えた。同氏は「介入が行われる場合、以前は日本から確かに通知があった。ボラティリティーに対する懸念からだと理解した」と説明したが、新たな介入に関して、米財務省は連絡を受けてはいなかったと続けたという。

〔マーケットアイ〕外為:米財務長官、日本の介入「知らない」 追加介入に不透明感 ロイター

常識的に考えて、国際的な関係性のなかで内緒でやるなんて、まずあり得ないことでしょう。アメリカじゃなくても、相手国は大激怒するはずです。

ということは、もしこれが介入だった場合、イエレンは嘘をついているということになります。何のため? 日本のため? そりゃあ、嘘でしょう!?

異例の海外市場での介入

そして、今回の「介入」は過去に例を見ない異例づくしだったようです。

木内氏はリポート「為替介入の実施で一時円安の修正が進む」(10月24日付)の中で、「東京市場の時間帯ではなく海外市場の時間帯で為替介入が行われたこと」に驚いたという。木内氏は、「海外市場の時間帯での為替介入は、海外の中央銀行に委託して行う『委託介入』が一般的だ。各国が協調して為替介入を行う協調介入の場合には、この委託介入を行うことが容易だ。しかし、今回のような単独介入では、他の中央銀行に為替介入を委託するのは簡単ではない。一部報道によれば、欧州中央銀行(ECB)は、21日に為替介入を実施していないことを明らかにしている。米連邦準備制度理事会(FRB)が日本からの強い要請で委託介入を実施したのだろう」と推測する。

政府・日銀「夜討ち朝駆け」為替介入、金融市場パニック!? NYで「深夜」、東京で「あさイチ」…エコノミストが鑑定、「伝家の宝刀」切れ味は? JCAST

なんと、為替介入を行ったのは、日本に委託されたFRBだと言うのです。さらに、こちら。

(4)タイミングが絶妙だった。ちょうど米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、「FRBが利上げペースの縮小を議論する」との観測記事を発表、米国の長期金利が低下し、ドル安円高の圧力が生じた瞬間に合わせて為替介入が行われたため、効果が高められた。

う~ん。私的には、単に「投機筋」が「介入」した、と考えた方がすっきりしますけどね。まあ、どちらにしろ「日銀が介入したぜ、ヤッホー」は危険じゃないか、と思えるわけです。

リスクは円高

そして懲りずに書くと、私は依然として、ここ2~3年のうちに100円を割れるような相場があるんじゃないかと思っているんですね。その要因となるのは、もはやこれしかないでしょう。並み外れたリスクオフ。

ちなみに、こうしたタイプのドル高は初めてではない。2008年4月から2009年3月までの約1年間、すなわちリーマンショックの前後でも類似の現象が起きている。

リーマンショック級「08年型の円安ドル高」はどこへ向かうのか ダイヤモンド・オンライン

月並みですが、後から見ると、リーマン・ショック前とそっくりだったという話になるんじゃないかと思うんです。

歴史的なインフレや急激なドル高を背景に、新興国と途上国の債務問題が深刻化している。国際通貨基金(IMF)で筆頭副専務理事を務めたジョン・リプスキー氏は、24日までに時事通信のインタビューに応じ、こうした重債務国のデフォルト(債務不履行)の拡大が「現実味を帯びている」と強い懸念を表明。

デフォルト拡大に「現実味」 新興国債務危機を懸念―元IMF副専務理事 jiji.com

どうでしょうか。ここまで読めば、投資未経験者でもゾッとしたかもしれません。あ、今日凄い寒いですよね~。