昨今のコロナ騒動ののおかげで、世の中の「真実」に気が付く人が増えているようです。大変結構なことだと思いますが、陰謀の真相を探すこと以上に大事なのは、目の前に起きた現実をどう捉えるかではないでしょうか。

残念ながら日本人は依然として、現実とは遠いところを見ているようです。

大衆は間違っている

昨今の「目覚めた日本人」にも「目覚めていない日本人」にも、共通するのが、「反政治家」と「反中」です。特に反政治家はメディアを含めた日本の総論となっており、これは情報機関の統制の結果として、国民が総親米反日になっていることを表しています。

CIAは、日本の国会議員はじめ、首長、県議、市議にとどまらず、区議や町議の情報まで集めていた。それも議員本人の素行だけでなく、その家族にまで調査が及んでいるのである。日本政府にも内閣情報調査室などの情報機関があるが、集めている情報の幅広さも、深さも比べものにならない。驚くほどの費用と手間ひまをかけて日本の情報を収集し、日本の世論が「反米」に向かないように神経を使っている

アメリカ情報機関は日本で何をしているのか 現代ビジネス

対して、日本に全く存在しないのが、反米思想です。

日本の言論人は全て偽物

テレビや雑誌で偉そうに話している言論人と呼ばれる人たち、これらは全てニセモノと判断してよろしいかと思います。

人類に対する米国の犯罪行為のこれまでの経歴としては、広島と長崎への原爆投下、アフガニスタンとイラクへの侵略、シオニスト政権イスラエルの犯罪体制への支援、イエメンでの女性・子供の殺害目的による対サウジアラビア武器売却、そして米の資本主義体制における差別と不公正に対する抗議者への残虐な弾圧など、直接的な犯罪が挙げられます。

米人権国際会議ー米の犯罪行為を広く知らせる機会 parstoday

なぜなら、外国のメディアに語られるこれらは、根拠のない陰謀論ではなく、紛いない歴史だからです。彼らが本当に言論人であるならば、この事実に触れる義務がもちろんあります。しかし、一向にその義務が果たされる様子はありません。

そうです、ご存知の通り、日本のメディア、言論人は全て腐っています。著名な論者でまともな人は一人もいません。すべてが米国の情報機関の手先となっているといって大げさではないのです。

しかし、失望するのは少し早いかもしれません。我が日本には、日本の行く末を本気で心配し、巨大な権力と戦う人たちが間違いなく存在しているのです。

戦う政治家たち

2020年に入りコロナ騒動が勃発すると、私は「何か」が日本を守っていると感じるようになります。その戦いの最前線に立ったのが、日本の安倍晋三首相です。

彼は「コロナを感染症5類の扱いにする」と表明したこと、「中国に近づく」ことを米国に見とがめられ、解任された可能性が高いと見て間違いないでしょう。

つまり、彼は日本を守ろうとして解任されたのです。

まだ、このことに気が付いている人は、ほとんどいません。「裏側を知る人」にも「知らない人」にとっても、彼はただの悪人です。

なぜでしょうか? メディアによって、悪者にされているからですよね。しかし、メディアが「ただの風邪」を「重篤な感染症」に見せるのが、大得意であることは、とっくにご存知のはずですが。

もっとも、私も安倍晋三が過去に過ち、売国的政策を犯さなかったなどと言うつもりはありません。しかし、それは戦略として仕方のないものであると解釈しています。

岸信介は売国政治家ではない

安倍元首相が、祖父である岸信介氏と全く同様の戦略をとっていたことは、少し調べて見れば分かります。

岸という人は、これまで誤解されてきましたが、アメリカからの自立を真剣に考えた人でした。アメリカを信用させ、利用しながら、時期を見計らって反旗を翻し、自主自立を勝ち取るという戦略に挑みました。

『アメリカに潰された政治家たち』 孫崎享

岸信介は、噂に聞く、CIAエージェントなどではありませんでした。

このことをもって、岸信介という人は長らく「CIAのエージェント(工作員)だ」「対米追従路線だ」と信じられてきました。

しかし、これまで見てきたように、岸は極めて非凡な切れ者であること、政界復帰した時点から明確に自主路線を歩んできたこと、そして、旧安保条約を改定する道筋をつけたことから考えれば、そのレッテルが間違いであることが分かります。

安倍晋三は、その魂をしかと受け継いだ様です。

「政治というのは、如何に動機がよくとも結果が悪ければだめだと思うんだ。よっては動機が悪くても結果がよければいいんだと思う。これが政治の本質かと思うんです」(『岸信介証言録』)

CIAから巨額の資金援助を受け、アメリカから期待されながら、反逆の狼煙をあげた岸の生き様が、この言葉に表れています。

第一次安倍政権は「戦後レジームからの脱却」を掲げる露骨な反米政権でした。そんな政権が続けられるはずもないのですが、晋三はまだ若いがゆえに、愚かだったのです。

いわば60年安保闘争は、岸ら自主路線の政治家が、吉田茂の流れを汲む対米追随路線の政治家とアメリカの反政府デモ拡大工作によって失脚させられ、占領時代と大差ない対米従属の体制がその後の日本の歴史にセットされた事件だったといえるのではないでしょうか。

安倍氏は、この時悟ったはずです。祖父と同じ轍を踏んだことを、自分の力が圧倒的に足りないことを。だからこそ、第二次政権では動機を隠し、結果だけを重視することを決意したのでしょう。アメリカは当然、安倍の野心に気が付いていました。

安倍首相の外交政策を「実利的かつ現実的」と評するカーティス氏。しかし、それでも疑問視されているのは、安倍首相の表現・言語が誤解を招きがちだからだと指摘する。

(中略)

話を聞いていると、それは「占領時代にGHQが作った戦後のレジームを変えたい」ということであるらしい。それで、憲法を改正する、あるいは教育のやり方を変える。また、外交についても、アメリカの下というか、従属するのではなく、より独自の立場に立つ。そのように言うわけですが、占領時代に作られた体制は、日本の国民の多くに受け入れられて、日本のものになっているのです。

「戦後レジームからの脱却」は外国人からすると意味不明 テンミニッツTV

安倍のイデオロギーは「意味不明」だと、東京財団上席研究員のジェラルド・カーチス氏はおっしゃっています。

彼は祖父と同じように、反逆の狼煙をあげるその時を待っていたはずです。しかし、今回も少し早すぎたようです。彼は少々気が短いところがあるようですからね。

2020年になると、安倍晋三はとうとう牙を隠しきれなくなります。彼が中国に近づく姿勢を見せたのは、いよいよアメリカが中国との戦争に日本を借り出す姿勢を鮮明にしたからでしょう。

このままでは中国との戦争の最前線にされる、それは誰の目にも明らかでした。

今回のアーミテージレポートは2000年、07年、12年、18年に続く5回目となった。その内容は世界的なコロナ禍と相まって経済危機が進行し、朝鮮半島やアジア圏で米国が主導してきた軍事的・経済的な覇権が崩れていくなか、日本を米国の先兵として前面に押し出していく方向が色濃くあらわれている。

さらなる日米軍事連携強化を要求 CSISが「第5次アーミテージ・ナイレポート」で対日政策提言 長周新聞

安倍があのような不可解な辞任に追い込まれた理由は、米国の先兵になることを明確に拒否したからだと断定してもいいはずです。2020年の7月にCSISは、安倍政権の親中姿勢に警告を発するレポートを発行しましたね。

「在日米軍の削減」と「中国の関係改善」という二つの”虎の尾”を踏んだ岸に対しては、アメリカが総攻撃をかけて、政権の座から引きずり下ろしたということが、これで納得いただけるのではないでしょうか。

『アメリカに潰された政治家たち』

再び、晋三は信介と同じ「過ち」を犯すことになったのです。

しかし、ここまでで、はっきりしたことがあります。日本にはまだ国のために戦う政治家が残っているということなのです。日本を守ろうという意志、これは安倍晋三だけのものではないでしょう。

ここまで本書では、岸信介、田中角栄、小沢一郎、鳩山由紀夫という、戦後を代表する自主路線の4人の政治家を採りあげ、どのようにしてアメリカの圧力や工作で失脚させられたかを見てきました。

私は、彼らの魂を知る機会を得ることが出来ました。それを教えてくれたのは、2020年に見せた安倍晋三の戦う姿勢だったのです。それまで私は、安倍はトランプの子分だと思っていたのです。実際、そうだったではないですか! しかし、本当の彼は違ったのですよ。間違いなく違ったのです。

彼らは本物の「保守派」です。彼らが日本を守っているのです。

幼い国民は、おんぶにだっこになっています。情けない、そろそろ気が付かなくてはいけません。

日本の政治家は立派なんですよ! 全員とは言いませんが。

日本のために戦う人の姿が見えなくて、本当に覚醒したと言えるのですか?

もっとも大事なのは情報ではなく、目の前で起きたことをどう捉えるか、で、それが可能ならば、政治家の真の姿が見えてくるのではないでしょうか。

2021年現在、多くの人が目覚めたはずのネット上においても、反米は未だ最大のタブーであり続けているようです。所謂「陰謀論」で語られる支配体制の問題は我々にとっては二の次で、日本社会上最大の焦点は、対米論にあると言えるでしょう。

最も有名な反米論者

最後に、有名人には、本物の反米言論者は全く存在しないと書きましたが、実はこれは嘘ですので(笑)、私の知る反米論者を紹介します。数は少ないのですが、本物の言論人は存在します。その先鋒と言えば、故西部邁で、漫画家の小林よしのりは、そこに共鳴していました。

また小林氏は「西部氏とは公私にわたってあまりにも深く付き合い、従米エセ保守とのイラク『侵略』戦争を巡る戦いでの共闘は、その頂点だった。わしが『保守』を自認するようになったのも西部氏の影響である」と西部さんとの交流を振り返り、「謹んで哀悼の意を表します」とつづった。

小林よしのり氏 西部邁さんとの交流振り返る 日刊スポーツ

そして、もっと有名な芸能人にもいます。その一人が故立川談志師匠です。彼も西部邁氏と親交が深く、その反米言質は、彼の元来の強烈な物言いもあわさり、すさまじいものでした。

なにせ、911事件の後、

「ざま~みろ! アメリカ。がんばれ、ビンラディン。俺がついてるぞ」と叫んでいたのですから。。

その良し悪しの判断は、お任せするとしますが、彼が本物の芸人であったことは間違いなさそうです。そして、更にもっと有名な同じく天才芸人と称されるあの人も、米国への強い怒りを発しています。

松本さんはかなりブチギレしているようで冷静ではなかったものの、こんな事も語っていた。「僕、毎年言うてるんです。それは、原爆落とされた日にね、二度と原爆投下のようなあやまちは繰り返してはいけないってやるでしょ。で、子どもたちにも悲惨だった話をするじゃないですか。でもね、あやまち、あやまちって言うんですけど、原爆に関しては(日本は)被害者なんで、被害者が被害者に伝えていったってダメなんですよ。アメリカの子どもに言わんとダメなんですよ」(松本さん 談)。

松本さんの怒りは本物のようで、心から怒りがこみ上げてきているのがわかる発言となっている。

ダウンタウン松本が原爆投下についてアメリカに大激怒「アホか! ボケ! 謝ってもらわんと終わらないんですよ!」 EXCITEニュース

しかしこの後、松本氏からこの手の言論を聞くことはなくなり、無難な発言に終始している印象です。

彼ほどの影響力を持つ人物であれば、世論を一気に変えてしまう可能性がありますから、例の機関が神経をとがらせたとしても不思議ではありません。

「家族を守るため」と言い、尋常ではない肉体改造を行った松本人志氏、いったい何が彼をここまで変えたのか・・

すみません。最後に余計なフィクションを挟んでしまいました。まあ、とにかく現在、反米は日本社会最大のタブーであり続けており、売国制度を甘受し続けているのは、大嫌いな政治家たちではなく、我々国民自身であるということです。