連日、世界は不可解なことだらけですねえ。大統領の乗ったヘリコプターが霧で落っこちちゃいました~って、どんな国だよ。谷口浩美の「こけちゃいました」ってか?(古い) そう言えば、数年前にもイランって、旅客機を撃ち落としちゃいました~って言ってましたね・・。

イランもイスラエルに負けず劣らず、奇々怪々な国です。しかし、今回の記事はそれとは関係のない、再び経済の話です。経済界の不可解というか、馬鹿馬鹿しさも並外れています。

いい加減にしろ

資産運用会社ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は23日、米国の消費者と企業が高金利で圧迫される中、米経済は年内にも景気後退(リセッション)に陥るとの予想を示した。

ガンドラック氏はローゼンバーグ・リサーチの創設者、デビッド・ローゼンバーグ氏が主催したウェビナーで、クレジットカードの延滞率上昇のほか、軟調な小売売上高など米経済に問題が起こりつつある兆候を挙げ、インフレ再燃よりも景気後退のリスクの方が差し迫っていることが示唆されていると指摘。「景気後退を示す兆候は多い」とし「物価上昇感より、景気後退感の方が強い」と述べた。

米、年内にも景気後退 高金利が圧迫=ダブルラインのガンドラック氏 ロイター

これに対しては「いい加減にしろ、もういいわ」という漫才のお決まりの〆の台詞しか思い浮かびません。そりゃ、なるでしょう。いえ、もうなってますよね。何度も言ってますけど、あ・た・り・ま・え、のことなので。

米FRB議長のパウエルの口から「米経済こけちゃいました~」、と谷口浩美ばりの名文句が飛び出す日もそう遠くないでしょう。

なぜ、こんな馬鹿げたことが起こり得るのか。それは経済の専門家と呼ばれる連中が、経済学を正しいと信じ込んでいるからですね。で、それを国民も固く信じ込んでいると。

ちなみに、こんなことを言っている奴もいますよ。

「利上げが実際にインフレ率を下げるかどうかはわからない。実は、金利を下げればインフレ率は下がるというのが私の主張だ」とリーダー氏は17日に放映されるブルームバーグテレビジョンの番組「ウォールストリート・ウィーク」でのインタビューで語った。

米インフレ抑制には利上げでなく利下げ-ブラックロックのリーダー氏 ブルームバーグ

つまり、彼らの話は信じるに値しないと言うことです。それとも面白いですか? この漫才。

巨大な宗教団体

経済界というのは、巨大な宗教団体です。

過去25年間の金融緩和で9割程度の企業が効果を実感した一方、7割強が低金利で経営不振企業が存続してしまう「新陳代謝の停滞」など副作用を指摘した。

 副作用について、29%の企業は「為替相場の動向」と回答した。企業からは最近の円安進行を念頭に、原材料高や事業策定などへの悪影響を懸念する声が聞かれたという。「新陳代謝の停滞」や「金融機関の収益力低下」もそれぞれ2割程度理由に挙げられた。

7割の企業、緩和副作用指摘 「新陳代謝が停滞」―日銀調査 jiji.com

「円安を止めるために利上げしてください」「我々には新陳代謝が必要なんです」って。新陳代謝って言っちゃったら、何でも正当化されちゃうんですよね。

世界恐慌も、日本のバブル崩壊もリーマン・ショックも新陳代謝なので、いいことだったって言う話になりますよね。なんでこんなバカなことが堂々と言えてしまうのか? それが正しいとハナから疑いもなく信じ込んでいるからですよ。

財界首脳から相次ぐ円安是正要望、「行き過ぎ」と新浪氏-155円目前

ブルームバーグ

で、その宗教団体から圧力を受け、それとメディアに洗脳された世論から圧力を受けたら、政府は折れざるを得ないですよね。だって、それが政治なんですから。

ここが今回の記事で一番重要なところだと思っているんですけど、これが陰謀論者が「悪魔の秘密結社」だと言っているものの実態だってことなんです。これで、SNSの陰謀論から抜けられますよ。

悪魔なんて、いないんです。実際に存在しているのは、敬虔な信者たちと、その要求に従わざるを得ない政治家なんですよ。

中央銀行を支配しているロスチャイルド先生が、岸田、植田宛に「そろそろバンバン利上げするべし」とか書簡を送って来て、「親愛なる先生のご意向通りにいたします」とか、ご丁寧に返事書いてるわけじゃないですよ。まだそんな世界観に浸っているのならば、さっさと卒業しましょう。

「世界の支配者」の現実

それでも、オバマ政権はワシントンのシンクタンクとは密接な関係を維持した。オバマ政権には多くのシンクタンク研究者たちが政治任命で加わっていた。 トランプ政権は違った。トランプ陣営中枢の一人の表現を使えば、「ここのシンクタンクの連中は、献金者たちの言いなりになっている」。その献金者たちの多くは、彼らが敵視する「グローバリスト」にほかならない。

『シンクタンクとはなにか 政策企業力の時代』 中公新書 

シンクタンクという専門家集団が、政府に強い影響力を持っているだろうこと。その専門家たちは、お金の言いなりの傾向が強いであろうことは、SNSではなく、この本からうかがい知ることが出来ます。

「支配」のリアルが見えますよね。それはさっき生まれた陰謀ではなく、ずっと昔からある正真正銘のこの世界の仕組みであり、構造そのものなのです。言い換えれば、マトリクス。マトリクスとは、母体、基盤の意です。

そして昨今の円安バブルをきっかけとした、経済界と世論の圧力に、日銀が政策を修正せざるを得ないこの局面において、「悪魔の秘密結社」の面影を垣間見えたのです。

まあ確かに見方によっては、専門家と政治家が仲良く、薄ら笑いを浮かべながら、庶民を虐めているように見えなくはないのです。では「献金者」こそが悪魔なのか! というと、どうもこれも違うみたいですよ。

「黒幕たち」の現実

自給自足の貧しい暮らしをするサバイバリストは、ビリオネアとすべての面で対極にあるように思えるが、ラシュコフは自分を呼びつけた大富豪たちの頭のなかが、終末論を信じるカルトと同じであることを思い知らされたのだ。

なぜ大富豪たちは、宗教カルトや陰謀論者と同じように終末論的サバイバルに取りつかれているのか? ダイヤモンド・オンライン

「黒幕」であるはずの富裕層たちは、陰謀論者と同じ敬虔な信者であったと言う、非常に興味深い事実がこちらの記事にあります。

武装した警備隊が必要なのは、飢餓に陥った群衆がゾンビの群れのように、自分の敷地に押し寄せてくるのを防ぐためだ(ある富豪はすでに、「適切な指示を出せば、10人ほどの海軍特殊部隊が自分の邸宅に向かってくれる」ように手配している)。

「黒幕たち」は、民衆のクーデターに怯えながら生きている、まったく、どこかで聞いたような話です。

だがこれを、たんなるバカバカしい体験談と切り捨てることはできない。人類を絶滅から救うために火星への移住を実現しようとしているイーロン・マスクは、大富豪のサバイバリストとどこが違うのか。シリコンバレーの投資家でマスクの「盟友」でもあるピーター・ティールは、「世界の終末」に備えてニュージーランドに広大な土地を購入した。Chat GPTを開発したオープンAIのサム・アルトマンは、「人工ウイルスのパンデミックやAIの暴走、核戦争などが起きたときには、ティールとプライベートジェット機に乗ってニュージーランドに避難する約束をしたよ。あそこにはティールの所有地があるから」と『ニューヨーカー』誌に語った。

 ラシュコフは莫大な富を得た者たちが陥った罠を、次のように書いている。

 彼らの並外れた財産や権力がもたらしたのは、気候の変動、海面の上昇、大量の人口移動、世界的パンデミック、移民排斥、資源枯渇など、現実に今存在する危険から自分たちを隔離するという考えにとりつかれるという結果でした。彼らにとって、「テクノロジーの未来」とは、たった1つの意味しかありません。他の人間から逃れる、ということです。

彼らは「黒幕」というよりは、単なる「洗脳され民」というのが現実のようです。

ゲイツ氏はまた、新型ウイルスやワクチンに関する陰謀論にも言及し、自分にまつわる誤情報に「驚き、心配している」と話した。

ビル・ゲイツ氏、「ワクチンのためにもっと協力を」 陰謀論にも言及 BBC

ビル・ゲイツは陰謀を知らず、陰謀論に怯えているだけ、これが実態だと私も思います。彼は、良いことをやっているつもりなだけなのだと。逆に言えば、この世界に対して純粋であるからこそ、富裕層になれたのです。

 ラシュコフが砂漠のリゾートで出会った大富豪たちは、経済ゲームの勝者というよりは、むしろ「制約のある経済ゲームのルールによる犠牲者」だった。彼らは、「『勝利』とは、自分たちが金儲けをすることによる害悪から自らを隔離するのに十分な資金を稼ぐことである」という考え方に支配されているのだ。

 ラシュコフはこうした「シリコンバレーの逃避的な態度」を、「マインドセット(無意識の思考パターン)」と名づけた。

なぜ大富豪たちは、宗教カルトや陰謀論者と同じように終末論的サバイバルに取りつかれているのか? ダイヤモンド・オンライン

では「黒幕たち」は、いったい何に洗脳され、もしくは誰に支配されてしまったのでしょうか?

2021年1月6日、ラシュコフは「ツイッターやフェイスブックよりも健全で中央集権型ではないプラットフォーム」をブロックチェーン使って構築しようとしている3人の起業家とZoomで会議していた。1人はスタンフォード大学を卒業したばかりで、他の2人はFacebook(現在の社名:Meta)とTwitter(その後、イーロン・マスクに買収されてXとなる)を退職する予定だった。

会議の途中で、「くそっ、これを見てくれ!」とFacebookの男が突然叫んだ。画面が共有されると、連邦議事堂前に集まったトランプ支持者たちがバリケードを突破するところが映し出された。このあとに続く彼らIT技術者たちの会話は興味深いので、以下に引用しよう。

「このQアノンの連中を全員消すことができるとすれば、どうなるだろう」と、ツイッターの男が言いました。
「『消す』ってどういう意味? 殺すということ?」と学生が尋ねました。
「いや、そういうのではなくて、ボタンを押すだけで奴らが存在しなくなる、ということ。あの陰謀を信じている連中が単に存在しなくなる、という感じ」とツイッターの男が説明します。
「この時間軸から彼らの存在を消すことによって生じる論理的パラドックスも、自動的に解決される?」とフェイスブックの男が言いました。
「そのとおり」とツイッターの男が答えます。
「ボタンを押すだけで彼らが存在しなくなるとすれば、それを実行してしまうか、民主主義のために」

 この会話からわかるのは、シリコンバレーの賢い若者たちは、討論や対話によって合意を形成するという「民主主義」をもはやまったく信じていないということだ。自分が理解できない者は、ボタンを押すか、左にスワイプして消してしまえばいいのだ。

ゾクリとしてきました。あれ? もしかして、私たちはすでにその正体を掴んでいる? これ以上引用すると本記事から怒られそうなので、ここらで止めましょうか・・いやいや、ここは怒られる覚悟をもって、先を続けます。ダイヤモンド・オンラインに登録するだけで無料で読めるので、是非皆さんも、本記事を読んでくださいね。

技術によって社会問題が解決できるなら、政治は必要ないし、対話は時間の無駄でしかない。「シリコンバレーでは、加速主義は、『技術が適切になりさえすれば、政治は不要であり、右翼も左翼もなくすことができる』と主張する運動の一部になっています」と技術史の専門家は述べている。

 だが奇妙なことに、オルタナ右翼のイデオローグで、トランプの大統領選で選挙対策本部長を務め、ホワイトハウスの首席戦略官に抜擢された(7カ月で解任された)スティーブン・バノンは、この加速主義の熱心な支持者でもある。ラシュコフはその理由を、「バノンにとって加速主義の本当の目的は、世の中の制度そのものを崩壊させること」だからだという。

ああ、やっぱりだ! 全部ばっちり書いてるやん! 誰が「黒幕たち」を洗脳、支配して政治を操り・・

ラシュコフにはQアノンの陰謀論に取り込まれた親友がいる。彼ら「陰謀論者」は、映画『マトリックス』の「赤い薬」を飲んで、現実世界の本当の姿が見えるようになったと信じている。ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグといったリベラルな大富豪を嫌っているのは、「世界支配の野心、陰謀論に対する『検閲』、民主党の連携」がその理由だ。

陰謀論を流布して民衆を扇動、「黒幕たち」と喧嘩させて、世の中をぶっ壊そうとしているのか!

敗者の弁

そして、狂わされた西側の経済界は、最近再び奇妙なことを言い始めました。これも、きっと恐怖のせいでしょう。

ところが、一部の米国の政治屋は、中国の新エネルギー産業に「過剰生産能力」というレッテルを貼り、「輸出商品が多いということは、生産能力が過剰であることを意味している」や、「中国の生産能力は中国国内の需要を大幅に超えており、世界市場のキャパシティーも超えている」などと主張している。

そのような主張は全くつじつまが合わない。

米シンクタンク・ピーターソン国際経済研究所のシニアフェローであるニコラス・ラーディ氏は、「その観点からすると、どの国でも国内で販売できる能力を超えた製品を生産してはいけないということになる」と指摘する。

米国を含む西洋諸国の一部の人々のロジックに従うと、1つの国の生産能力が自国の需要を超えると「過剰」ということになる。それなら、チップや航空機、大豆といった商品を毎年大量に輸出している米国も「生産能力過剰」ということになるのではないだろうか。

「輸出の多さ=過剰生産能力」はつじつまが合わない 人民網日本語版

ああ、まったくその通りだ。普通に考えて、君たちの言っていることは、あっている。西側の諸君は、恐怖のあまり普通の考えを失っているのです。西側の人間の大半は、この見るからに奇妙なロジックを信じ込んでおり、つまり、それは「彼らの世界では正しい」のです。

値上がりした分が賃金にどう回ったのかをGDPデフレーターから計算したところ、23年度の上昇分(4.1%)のうち、賃上げ要因は0・3%分にとどまった。割合では1割に満たない。残りには企業収益や固定資産の減少分、間接税が含まれるが、「大半は企業収益と考えられる」(エコノミスト)。実際、24年3月期決算で、上場企業の純利益の総額は3年連続で過去最高となり、値上げが利益を押し上げた企業も多かった。

物価上昇しても賃金にほとんど回らず、大半が企業収益に GDP分析 朝日新聞

インフレになると、経済すなわち我々の生活がよくなると言う教義は、未だに経済界では固く信じられています。ところが、企業はせっせと株価対策に勤しんで、つまり海外投資家と外資証券会社に貢いだ。信者たちはそれを見て、株価が上がってよかったよかったと大喜び。

とてもじゃないですけど、付き合ってられないすわ、こんな宗教。

消費者から見れば、赤字覚悟の価格戦略を行っている新興コーヒーチェーンの商品はお値段以上の価値がある。つまるコストパフォーマンスが良いとみることができる。

〈注目〉中国でスタバの売り上げが激減している理由。「安い中国」「中国発のデフレ」が世界を破壊する!? WEDGE ONLINE

なぜ、安いことが悪いのか? 理由は「中国が怖い悪い国だから」です。簡単に想像つくと思いますけど、そんなこと言っているとビジネスでは、確実に負けますね。

今までは「世界」が西側だけだったから、問題がなかったのです。しかし、今後数十年のうちに西側の人たちは、自分たちが正しくなかったことを知り、愕然とすることになるでしょう。

制裁続くロシア経済 なぜ好調?

NHK

まあ、すでにそうなってますけどね。現実を目の前にしてもなかなか覚めないのが、洗脳ですけどね。

スティーブン・バノンが加速主義者なのは、テクノロジーが高度化すればするほど、そこから脱落する者が増えるからだろう。トランプの「岩盤支持層」が高卒の白人労働者たちであるように、知識社会が要請するスペックに満たない者が社会にあふれることが、「反動革命」が成立する条件なのだ。

なぜ大富豪たちは、宗教カルトや陰謀論者と同じように終末論的サバイバルに取りつかれているのか? ダイヤモンド・オンライン

その結果の「反動革命」、陰謀論者はその養分です。この世界は何千年も前から一つの洗脳システム社会になっており、その責任を、政治家や富裕層や専門家だけに負わせる話には、無理があります。

彼らが「悪魔の秘密結社」の一員ならば、あなたもそうですよね? という話にしかならない。なぜ自分は違うと言えるのか、その線引きがさっぱり分からないわけですが、彼らの言い分によれば、特別な理由は「目覚めているから」なんだそうです。

しかし、幸いなことに我らが日本政府は、洗脳を受けておらず、相当に優秀な人たちが、カルトから日本を守っています。

このように日本では「新しいやり方」からとことん逃げてしまう傾向がある。それは、信じがたいことに国民の命が危険にさらされる世界的パンデミックの最中でも同じだった。

若者の賃金が上がらない日本に巣食う「魔物」の正体…!ライドシェアもPCR検査も骨抜きにした「逃げる日本」とエリザベス女王の「決定的な違い」 現代ビジネス

「魔物」はお前の方じゃ、この未熟者!

これが、世界のマトリクス。この現実世界に気がついたのは当ブログ読者だけ、と私は敬虔に信じております。