「日本のCIA長官」とも呼ばれる、北村滋氏はこう語りました。

北村氏は中国が西太平洋地域での覇権を追求し、現状変更を試みるなど、「日本周辺は高い軍事的緊張状態にある」と指摘した。

そうした状況下だからこそ「相手を思いとどまらせるには反撃能力の保有のほか、(軍事と非軍事的手段を組み合わせた)ハイブリッド戦への対応などが必要だ」と強調。

その上で「国家の危機では、政治的なリーダーシップを持つ人が安全保障の政策を迅速に決定し、国家の機構のあり方も考えていくべきだ」と主張した。

北村滋氏「安全保障の政策、迅速に決定を」 千葉「正論」懇話会 産経新聞

この発言、私には「日本を戦争できる国に変えるためには、岸田ではダメだ」って言う風に聞こえました。

裏金問題の本質

まずは前回も触れた、岸田政権を揺るがす「裏金問題」は、いったい何が悪いなのか?ということについて、もう少し詳しく見てみきたいのですが、結論から先に言えば、「イメージが悪い」の一言に尽きます

基礎から分かる 自民派閥の裏金疑惑 なにが問題か

毎日新聞

はい、出ましたね。毎度おなじみの「何が悪いのか?」をご丁寧に教えてくれるティーチャー。私に言わせれば、この時点で大した問題ではないことを証明している、と言っても過言ではないと思います。

人を殺した、物を盗んだ、人や動物を虐待した、脅した、誹謗中傷した、交通ルールを守らなかった。

これのどこが悪いの?って先生に聞かないと分からない人いますか? 世の中広いので、そういう人もいるにはいるみたいですが、大半の人は、それが犯罪だと聞いた瞬間に分かるわけです。

逆に言えば、これが犯罪の定義なんですね。誰もがそれを悪いことだと思うから、犯罪なんです。いい大人が「何が悪いのか?」を人に教えてもらわないと分からない犯罪って言うのは、この世に存在しないと思います。

「基礎から分かる 人殺し疑惑のなにが問題か」

って言う記事があったら、どうですかね? とりあえず、頭が混乱しますよね。

こう言った考えは、私だけの特異なものではなく、その道に最も詳しいと思われる弁護士の郷原氏もこう語っています。

一方で、「政治資金規正法はものすごく抜け穴が多い。そこに落ちないよう事件にしていくのは並大抵のことではない」と、同法での立件へのハードルを語る。

「裏金の何が犯罪になるかというのは、世の中のイメージとかなりギャップがある。

“裏金問題”で安倍派議員への任意聴取開始 特捜部が狙う本丸は? 元検事「緻密な戦略に基づいているようには見えない」「世の中は国会議員が出てこないと納得しない」 ABEMATIMES

つまり今回の一件、悪いのはイメージだけだと。しかし、法律違反ではない部分を「抜け道」や「政治家のいい訳」と称し、「国民が怒っているから」などと言う理由で、特捜部の違法捜査を容認する姿勢は、とても弁護士とは思えず、私人逮捕yotuberと同レベルと言われても弁護できないでしょう。

 一方で、捜査が行き過ぎる可能性には釘を差した。

「これまで盤石だった安倍派が、検察にこれだけ攻撃を受けるというのは、言ってみれば権力の分散でもあるわけで、この構図は1つ望ましい面もあると思う。しかし、検察には民主的な基盤も何もない。選挙で選ばれたわけではないし、権限行使を任せたわけでもない。今回は、権力が集中している安倍派に立ち向かってるから、多くの人が拍手喝采しているが、向きが変わって、法律上の犯罪を摘発するという範囲を超えて、“とにかくやってやる”“黒川問題の恨みがあるんだ”ということで動き始めたら、こんな恐ろしいものはない」

まあ、こんな指摘を唯一できる人でもあるので、赦してあげます(笑)。

はい、もう分かりましたね。日本に法治国家としての危機が訪れている、ということです。これが今回の「裏金問題」の本質なのです。

今回の「事件」ってそもそも、被害者がいないですよね? 勘違いされやすいと思うのですが、企業の裏金とは全然違います。

 分かりやすいのは2021年に発覚した、東証1部上場(現プライム)のシステム開発会社ネットワンシステムズの元社員による「裏金づくり」だ。

同社は中央官庁のシステム管理業務を受注していた。そこでこの元社員は、架空の保守管理業務を取引先に発注したことにして会社側に約2億円を支払わせた。しかし複数の取引先を経て、最終的に約1億7000万円を私的に得たという背任容疑で逮捕されたのだ。それは裏金じゃなくて横領じゃないかと思うかもしれないが、興味深いのはこの元社員が逮捕後に「(会社のために)リスク費を積み立てていた」などと供述していたことだ。

なぜ会社員もせっせと「裏金」をつくってしまうのか 日本にはびこる「員数主義」 ITMEDiaビジネス

これは横領、つまり盗みなので、被害者は会社になります。で、今回の自民党のは? 誰が被害者なんですか? 思いつきませんけどね‥。被害者のいない犯罪なんてあるんすか? え? 国民? まさか、ウソでしょう!?

じゃあ、なんで政治家は謝ったり、すぐに辞任したりしているのって? そんな必要ないじゃんって。それは確かにそう。

この問題が、大きな犯罪に繋がってしまうケースが一つだけあるんですね。それは脱税です。議員がその裏金を、私的に使っていた場合は脱税になってしまうのです。

「クラブのおねーちゃんに、つぎ込んじゃいました~」

なんて、供述が東京地検特捜部にでっち上げられたら・・。彼らは、犯罪ではないものを犯罪に仕立てあげるプロフェッショナルなのでね。政治家は、守勢に回るしかないです。

岸田文雄のすごさ

しかし、岸田氏はさすがの立ち回りで、攻撃された部分をさっさと切ってしまいました。トカゲのしっぽ切りとはまさにこのこと。負傷した部分を引きづれば、本体の致命傷に繋がるわけです。

ですから、この「手」はすごい。

安倍さんが、森友学園問題で稲田朋美を守りに入り、ダメージを大きくしたのは記憶に新しいですね。

やはり岸田文雄は、日本が今の時代を乗り切るための最高の首相だと思います。だって、彼の実績って思い当たります? ないです。はい、何もない。何もやってないですね。

だから、最高なんですよ。だって、さんざん見てきたじゃないですか。日本をおかしくする政策が、次々と実現していく様を。

岸田政権は、政権の柱となるような政策の実行や具体的行動のないまま、徹底したリスクコントロールに徹する、ある意味ではきわめて「保守的」な政権である。

「”緊張感をもって注視”するだけで何もしない」そんな岸田政権が高支持率をキープしている”残念な理由” PRESIDENT ONLINE

彼は何も実現させない。つまり、本物の保守なんですよ。

その上で「国家の危機では、政治的なリーダーシップを持つ人が安全保障の政策を迅速に決定し、国家の機構のあり方も考えていくべきだ」と主張した。

北村滋氏「安全保障の政策、迅速に決定を」 千葉「正論」懇話会 産経新聞

ここで先ほどの北村氏の発言をもう一度、思い出してみましょう。

「現状変更勢力」にとって、岸田文雄が如何に都合の悪い存在なのかは、明らかです。

「平和・安全保障研究所」(徳地秀士理事長)は13日、都内のホテルで創立45周年記念シンポジウムを開いた。久保文明防衛大学校長が基調講演を行い、来年11月の米大統領選でトランプ前大統領が当選する可能性があると指摘した上で「かなり深刻な事態をひき起こす可能性がある」と述べた。

トランプ政権再選なら「かなり深刻な事態」 久保文明・防衛大校長 平和・安全保障研究所シンポジウム 産経新聞

「現状変更勢力」が米軍のいないところでは、いとも簡単に戦争を引き起こせることが証明されましたね。だから、絶対に米軍を撤退させてはいけないのです。「かなり深刻な事態」とは、きっとそういうことです。

同じく、岸田氏が外されれば、北村氏の言う方向へ日本が運ばれる可能性が高まるでしょう。岸田氏以上に何もしないでいられる首相はいないのですから。

令和の二・二六事件

私は、今回の一連の流れを「令和の二・二六事件」と捉えています。

事件に対する処分は厳しく、反乱将校及び彼らに思想的影響を与えた北一輝・西田税は死刑となり、その後の粛軍人事で皇道派などの将官多数が予備役に編入され、統制派が実権を握った。また、クーデターの恐怖が政界に影を落とし、軍部の発言力がさらに増すこととなった。

「4-7 2.26事件」 資料に見る日本の近代史 国立国会図書館

昭和の二・二六事件は、すぐに鎮圧されたものの、その後に軍部の力が強まり、日本が戦争に突入するターニングポイントとなった事件です。

そんな中、天皇陛下はこんなことを危惧されていたようです。

ロシア革命の最終段階では軍が反乱に協力し、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世は、一家ともども虐殺された。昭和天皇が「日本もロシアの様になりましたね」と言ったとすれば、皇室がロシア王家と同じ運命を辿ることを危惧していたのを考えられる。

「二・二六事件」 ウィキペディア

奇しくも、昭和天皇が抱いた危惧は、現在、私が抱いたものと同じですね。

また、1981年1月17日に現在の警視庁本部庁舎を視察した際に、今泉正隆警視総監に「色々な重要な施設等暴漢例えば、2・26の如き折、充分防護は考えていようね」と訊ねている。

そして、これはあまり書きたくないことですが、岸田文雄の命を守れるのは、日本の警察しかありません。日本の「敵方」も追い込まれており、なりふり構わぬ様子がうかがえます。

木原誠二前官房副長官(53)の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死事件”通称「木原事件」をめぐり、12月15日に警視庁が事件性は認められないとする捜査結果を東京地検に送付したことを16日、報道各社が報じた。

【警視庁が「事件性認めない」捜査結果を検察に送付】「オマエなんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」自宅に向かうと木原副長官は怒鳴り…“妻の元夫怪死事件”全容を“捜査一課伝説の取調官”が実名告発! 文春オンライン

自衛隊が日本を守る組織だと言うのは、とんだ勘違いです。

1995年に起きた国松孝次・警察庁長官(当時)狙撃事件で、警視庁の特命捜査班が事件の時効約1カ月前の2010年2月から複数回、参考人として事情聴取した元自衛官の男性(49)が毎日新聞の取材に応じ「事件当日、『狙撃犯』を名乗る知人の逃走を手伝ってしまった」と証言した。

警察庁長官狙撃事件「実行犯逃走手助け」 当時参考人の元自衛官新証言 毎日新聞

国松長官を狙撃したのは、オウムではなく自衛隊関係者である、という情報をご存知でしょうか。

何はともあれ、安倍晋三をみすみす死なせたのは、誰がどう考えても警察の責任です。

安倍晋三元首相が奈良市で参院選の演説中に銃撃され殺害された事件について、警察庁の中村格(いたる)長官は12日に記者会見し、「警察としての責任を果たせなかったことを極めて重く受け止めている」とした上で、「警察庁の関与のあり方にも問題があった。長官として慚愧(ざんき)にたえない。責任は誠に重いと考えている」と述べた。

中村警察庁長官、責任認める異例の発言 安倍元首相銃撃を受け会見で 毎日新聞

次は頼むぞ! 如何に強大な敵とは言え、その暴力から日本を守れるのは、あなたたちだけです。