いや~今回の結果には驚きましたね! 普通に考えて選挙でギリシャ国民がEU側の提示する緊縮財政策に反対を示すとは思いませんでした。予想は見事に外れた訳です・・が、こう言ってはなんですが、がぜん面白くなってきたのではないでしょうか・・。

 

チプラスは相当な策士であって、ギリシャをユーロ離脱へ導いている

と言う記事を最近書いたのですが、それともチプラスは単に馬鹿で駄々をこねているだけの男なのか、今のところは判別がつきません。

ただ、「ドラクマに戻る準備をしている」というニュースが出るなど、馬鹿の一言で片づけられない感があるような気が最近はしています・・・。彼は直接交渉しているわけで、EU側がこれで折れることを無邪気に信じるなんて、逆に不自然です。ユーロ離脱のリスクが少しも頭にないとはちょっと考えづらいですね。

まあ、チプラス首相への真偽のほどはさておき、今回「NO!」に投票したギリシャ国民自身はどうなんでしょうか。果たして本当に今回の結果がもたらす未来についての覚悟を持っているのでしょうか!?

 

チプラスが言っているように、ユーロ側が今回の結果を経て、ギリシャへの緊縮策を緩めることはありえないでしょう。

鉄の女とも呼ばれるドイツのメルケル首相がそんな甘っちょろい対応を許すはずがありません。

 

単に冷たいからではありません。そんなことをすれば、他の債務国が追随し、ドイツが多額の債務を肩代わりしなければならなくなるからです。メルケルがそんなことをドイツ国民に言えるはずはないのです。

 

では、ギリシャ国民はユーロ離脱の覚悟をもって、投票を行ったのでしょうか? それとも、チプラスの「交渉が有利になり、ユーロ離脱はない」という詭弁を信じただけ? で、あればユーロ離脱の果てにやってくる一時的な痛みに耐えきれず、チプラスを嘘つきとして祭り上げるでしょう。彼はまだ勝利なんて言って安心している場合ではありません。
ですが、もし、チプラス首相とギリシャ国民が同じ方向へ向かってひとつになり、ユーロ離脱の痛みに耐える覚悟をもって、今回の結果を選んだのだとしたら・・。

 

合理的な集合体である巨大なEUに対して非合理的な小さな人間性が大きな風穴をあける

という、誠に稀有な例として大いに注目すべきことなのではないでしょうか。それにこれはユーロ崩壊への先例になる可能性も?

まだまだギリシャ劇場は、我々の心を躍らせてくれそうですね。