「陰謀論は嫌いです」と言っている私ですが、同時に国際政治とは陰謀のことであると考えています。そのことに同意するならば、国際政治に正解、つまり「真実」など存在するはずがないことを認めなければなりません。もしそれが見えるなら、もう陰謀ではありませんから。

皆で寄ってたかって、たった一つの結論を追いかけ続けることのうさん臭さを私は指摘しているだけなのです。

『十万分の一の偶然』

それとは別に、国際政治上における陰謀の存在そのものを否定する方々も非常に多くいらっしゃいます。特に純朴な日本人には、とても多いようですね。彼らは国際政治上の数々の事件をすべて「偶然の産物」として処理しているのです。

例えばこれ。

ネオコンがイラク戦争の主要な設計者であると言う事実と同じくらいに重要なことは、彼らがクリントン、ブッシュ両大統領にイラク侵攻を説得できなかったという事実だ。ネオコンは自らの目的を達成するための手助けを必要としていた。そして9.11同時多発テロがその手助けとなったのだ。

『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策  Ⅱ』

ネオコンがイラクに侵略する口実を探していたところ、空からそれが降ってきた。つまり、彼らはとっても運がよかった、ということになりますよね。

国際政治におけるこのような偶然は、枚挙に暇がありません。「十万分の一の偶然」がしょっちゅう起こるんですね。最近ではその最たるものが、2019年末に始まったコロナ危機ということになるでしょう。

どうやら世間の大半の人は「十万分の一の偶然」がしょっちゅう起こることを当然だと思っているようなのです。私はここを一番のポイントと捉えており、科学的な「真実」には全く興味がありません。

これは、いくらでもねつ造が可能ですから。裏も表も、ですね。

ところで『十万分の一の偶然』とは、松本清張の超面白い小説で(以下ネタバレあり)、ある事故のシーンを撮影したカメラマンが、報道写真大賞を受賞するですが、その事故で恋人を失った主人公が「これは本当に事故なのか?」と疑問を抱き、個人捜査で犯罪である事実をつきとめて、復讐を遂げると言うストーリーなのです。

この小説のすごいところはここから先で、単なる勧善懲悪の物語では終わりません。主人公は犯人を完全犯罪の形で葬り、めでたしめでたしかと思いきや、無実の人を共犯だと思い込み、一緒に殺してしまうのです。結局、その”冤罪”がきっかけとなり、警察が主人公に疑いを持ち、捜査が動き出すところで完結となるのです。

自分ではどんなに正しく思えても必ず間違いはあるという人間の真理をついているのです。そう、現在の不合理な世界を見るとき、これはそのまま当てはまります。

「真実」に固執するのはよくない、ということです。信仰は国勢政治分析においては、無用の長物です。

数字は語る

さて、それらのことを念頭に置きながら、少し考えてみたいと思います。最近になって、私の中で「偶然」では、処理出来なくなってきたことがあるんですね。それはズバリ、東日本大震災。

まず、起きた日ですが、2011年3月11日ですね。実はこの日は、投資家なら誰もが知っている特別な日でして、225の先物とオプション取引の決済日が重なるメジャーSQなんですよ。

まあ、偶然でしょう。

さて、時間を10年ほど遡りまして、2001年9月11日。この日が何の日かと言うと、世界同時多発テロの日ですよね。なんか日付が似てますけど、この週はメジャーSQ週でした。メジャーSQの日は、3月、6月、9月、12月の第2週の金曜日です。

まあ、偶然でしょう。

今度は、時代を9年進めた2020年3月11日。この日はWHOがパンデミック宣言を出した日、ですね。月日が同じですからこの週はもちろん、メジャーSQ週です。

まあ、偶然・・・正直、この辺りから、私はとても苦しくなってきましたが、皆様はどうでしょうか。「神はサイコロ降らない」ってそういう意味だったのって、相対性理論かって言うくらいの規則性を、私は感じてしまっています。宇宙の法則を発見しちゃってます? もしかして・・。

「そんなの偶然に決まってんだろアホ!」と罵声を浴びせて頂けるならば、私はとっても安心します。

11年の時を経て

しかし、もし仮に東日本大震災が事故ではなく事件だったとして、その目的は何なのか?というのは、ごく当然の疑問です。私はつい最近までその「動機」を見つけることが出来ませんでした。

ネットで軽く見たところ「イランにプルトニウムを輸出したから、アメリカとイスラエルが激怒した」とか、そんな阿保な!というようなものしか見当たりませんでした。

私が知る限りの支配層は、そんな短気なおやじなんかではありません。彼らは、恐ろしいほど狡猾で冷徹、そして陰謀の計画性は数百年単位にも及ぶ長期的なものに違いありません。

では彼らは一体何を目的としたのでしょうか。最近になり、ちらりとそちらが見えてきた気がするのです。

須田は今回の節電要請の決定と日本が電力不足となっている原因について、「あまりにも無計画で無軌道な再生可能エネルギーを推進してしまった」と、政府の電力政策の問題点を指摘した。日本では東日本大震災のあと、再生可能エネルギーの推進策がとられた背景がある。

「電力不足の原因は、無計画で無軌道な再生可能エネルギーの推進だ」須田慎一郎、政府の節電要請を受けて疑義日本放送NEWS

ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「電力不足という説明の仕方がおかしい気がしている」と意見。その上で「原子力発電所を稼働させればいいだけだと思う。原子力発電所を稼働させようと全く使わなかろうと、リスクはあまり変わらない。原発が稼働していないと言っても、まったく原子力を出さないわけではないし、メンテナンスも必要だ。今の時点で夏場にクーラーを使わない人、クーラーがない人が熱中症で死んだ場合は『“原子力反対”と言う人が殺しているんだよね』ということをちゃんと自覚してもらった方がいい」と持論を述べた。

“電力不足”懸念にひろゆき氏「原発稼働すればいいだけ」 なぜ動かせない? 立ちはだかるハードルとは ABEMATIMES

昨今の電力不足の原因とは、いったい何なのか? ウクライナ危機? いやいや、東日本大震災でしょう。そして、東日本大震災後に脱原発に全力を傾け、自滅に向かっている国があります。

今年第2四半期のドイツがマイナス成長に陥ることが確実視され、欧州委員会も「19カ国から成るユーロ圏の中で今年の経済成長率がドイツより低くなるのはエストニアだけだ」と予測している。ドイツ、エストニア両国はロシアへのエネルギー依存が高いことが災いして経済成長が妨げられるというのがその理由だ。

 ドイツはEU全体の経常収支の黒字の過半を占めるなど群を抜くパフォーマンスを示してきたことから「欧州で一人勝ち」と長らく言われていたが、再び「欧州の病人」になってしまうとの懸念が生まれている。

ドイツはウクライナ危機で「欧州の病人」に逆戻り インフレともう一つ“爆弾”がある デイリー

これが私の考える彼らの動機、つまり、陰謀の根幹です。やったのは「イスラエル」ではなく「ロンドン」です。

陰謀を否定しよう

さて、今回は内容が内容だけにいつもと違い、私の思いを届けるだけの記事にするのではなく、もっとフェアなものにすることを求めたいと思います。

木の枝が折れていたり、物陰から音がしたりといった周囲の環境の変化に、敵や捕食者などの知的な行為者の存在を直観することで、それが勘違いであったとしても生存戦略として有効だったために強く機能している。

人工地震を信じる人々が映す「陰謀論」深刻な浸透 東洋経済オンライン

結局この記事は、すべては偶然なんですよという内容です。「偶然」か「陰謀」か、答えは二つに一つです。

先程も書いた通りなのですが、偶然に決まってんだろう!と言ってもらえれば本当に安心です。なぜなら、私が間違っているだけだからです。『十万分の一の偶然』の教訓を思い起こし、自分を信じ込むことを止めようと思います。

ただ、先程の引用部分をもう一度読み直すと、(勘違いであれ)陰謀を信じた方が生存戦略として有効だったと言ってますけどね。

どないやねん。今は変わっちゃったてこと? もうええわ。