最近「陰謀論」叩きをやっている当ブログですが、イルミナティ陰謀論以上に嫌いなのが、「財務省陰謀論」です。だってこれ、エンタメとしてもまったく面白くないじゃないですか。こんなつまらない話がなぜ、ウケルのでしょうか?

流布の先鋒が、著名教授だからでしょうか。しかし、私に言わせれば、現在を予測出来なかった者に、公に経済を語る資格はありません。

「救世主が、悪代官を成敗」の王道ストーリー

さてでは、超陰謀論者を自認する私が「財務省陰謀論」に代わるとっても面白い話をお伝えしたいと思います。

「#値上げ受け入れてません」大炎上、絶対ないはずの日銀総裁の失言が起きたワケ

ダイヤモンド・オンライン

それは、この記事に書かれていました。まず、このニュースを見た瞬間に「言わされた」と思いましたでしょうか?

財務省で日銀との調整に当たる責任者は、局長級の「総括審議官」である。将来の財務事務次官となり得る逸材が置かれる最重要幹部ポストの一つだ。しかし、この超エリートの座は現在「空席」のため、他の幹部職員が事実上兼務する形となっている。そう、総括審議官を務めていた小野平八郎氏が5月20日、電車内での暴行容疑で現行犯逮捕されたためだ。

小野氏は、事件直前に「次官コース確定」ともいわれる官房長就任が内々定していたとされ、財務省内には今もなお動揺が広がる。こうした中で飛び出した日銀総裁の失言には、財務省幹部から「総括審議官がいれば、通常はこのようなセンシティブな発言は全部チェックし、修正している。最高幹部の逮捕と日銀総裁の“失言“というダブルパンチは衝撃的で、政府としても責任を感じなければならない」との声も漏れる。

財務省の「番人」はなんと、10万分の1の偶然にも逮捕されていました。

警視庁によりますと、暴行の疑いで逮捕された財務省の小野平八郎前総括審議官(56)は、21日午後に釈放されました。

小野前審議官は20日未明に、東京都内を走行中の東急田園都市線の車内で他の乗客に対し、殴る蹴るの暴行を加えたとして現行犯逮捕されていました。

財務省の前総括審議官 小野平八郎氏が釈放される 電車内の暴行疑いで逮捕 TBSNEWS

論者いわく、財務省は日本経済を破壊する悪魔の組織らしいので、小野審議官を捕まえたのはQ世主様、いえ、間違えました、救世主様かもしれませんね。

で、その結果、

財務省と金融庁、日銀は10日、幹部による情報交換会合(3者会合)を財務省内で開き、為替市場の動向などについて意見交換した。会合後に公表した声明では、円安の進行について「憂慮している」とし、外国為替市場で急速に進む円安をけん制した。

政府・日銀が「円安の進行を憂慮」声明 緊密連携で市場注視 毎日新聞

どうしても円安を阻止せざるを得なくなったとさ。そう、経済をぶっ潰してでも

円高を警戒すべし

さて、最近マーケット予測を外しまくっている私ですが、まだ凝りません。警戒すべきは引き続き円高です。

ただそれでも、日本経済復活の手掛かりがつかめない中で、新たなQEとして注目されたのが、日銀が日本国債だけでなく、外国国債も購入するという考え方だった。

日銀が、米国債などを購入することで資金を供給するこのQEは、米ドル買いを伴うことで、二重の円安誘導効果が期待された、ある意味では「究極のQE」だった。ただこれに対して財務省が強く難色を示した。

円安135円、20年前との類似と相違 吉田恒の為替デイリー マネクリ

20年前も、財務省は日本を守るために奮闘していました。彼らが編み出した戦略は・・

一部報道で、財務省が複数の有力な為替関係者に、「130円を超える円安になりそう」といった「相場見通し」を伝えているといった内容が流れた。自律的に米ドル高・円安が進むことで、割高な米ドルを買う必要が出てくる米国債など外国債購入という「究極のQE」実現を回避するとの狙いと見られた。

口先介入で円安に誘導することで、毒を飲むことを回避しようとしたのです。しかし、今回同じ手が通用するとは思えません。その時よりも、今回の方が起きていることの規模が遥かに大きいのです。

20年前と今回で大きく異なっているのは、20年前の日本経済はデフレが懸念されていたのに対し、足元では逆に物価の上昇、インフレが懸念されているということだ。この結果、20年前はほとんどなかった「悪い円安」批判だったが、今回は輸入物価上昇をもたらす「悪い円安」批判となっている。

そして20年前と方向性は逆。日銀と財務省がいくら頑張っても、この状況をやり過ごせるとは思えないのです。そうなってほしいですが、流石に抵抗し通すのは厳しい。冒頭で書いた諜報作戦を見れば、残念ながらそれは明らかです。相手の力が巨大すぎるのです。

そう遠くない将来、日銀も利上げに追い込まれるでしょう。

その結果・・

G7で日本の円高懸念が共有された中で、円高をもたらしかねない日銀のゼロ金利解除といった「利上げ」は、普通に考えたら出来ない。結果的に、日銀のゼロ金利解除は2000年8月まで待たされることとなった。ただその頃は、既にITバブル崩壊の株暴落が始まっていた。その中でのゼロ金利解除という利上げは、株暴落の「第二幕」トリガー役になるといった具合に、結果的には最悪の政策判断となってしまった。

黒田日銀総裁と22年前の「黒田財務官」 吉田恒の為替デイリー マネクリ

再び「絶望の轍」を踏む結果になってしまう可能性は、残念ながら高いとみられます。奇しくも黒田氏は、20年前も謎の「利上げ同調圧力」と戦っていたようです。

それにしても、黒田氏の役回りは22年前も今も、結果として日銀の金融緩和継続を促すものになっているように見えるが、それは偶然の結果だろうか。それとも、2つの局面とも、金融緩和継続にこだわる理由があったのだろうか。

当ブログ読者様はすでに、黒田総裁がなぜ金融緩和継続に拘ったのか、その理由がはっきりと分かっているはずです。財務省は日本経済の番人だからですね。

当ブログのマーケット予想が外れ続けることを期待します。ドル円140円大歓迎。私はショートポジションですけどね・・