2020年の「新型」コロナテロ発生を目の当たりにした時、それまで世界の絶対的支配者だった「ロスチャイルド家」の滅亡を感じました。しかし、それは30年後とか、かなり遠い未来の話とその時点では思いました。

しかし、崩壊は一度始まれば止めることは出来ず、一気に最期に至ることは、みんなが知っているでしょう。

「ロンドン家」の忠実な僕

「トランプ大統領になれば、主流派を支配した軍産が崩壊し、米国に民主主義が戻ってくる」――。

 経済格差を背景に噴出した反エスタブリッシュメントの波は、米国に新しい政冶の風を吹かせる、とドナルド・トランプ氏に一票を投じたが、その有権者の期待は、どうやら裏切られそうだ。

ユダヤ資金の軍門に下ったトランプ、中東に新たな火種
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トランプは、ロスチャイルドのロンドン家、直属の部下であり、彼が救世主であるというのは、ロンドン家側のプロパガンダであると言うのは、従来お伝えしてきた通りです。

しかし、彼は実際、既得権益層と戦ってきました。現在ロスチャイルド家は、深刻な内部対立に陥っており、彼は「ロンドン家」の代理人として、「パリ家」と戦っていると言う説が違っていたとは、今なお、全く思っておりません。

敗北の真の理由

「ロンドン家」はご存知の通り、ロスチャイルドの嫡流であり、イギリス政界に君臨した彼らは、世界の覇権を握りました。覇権国家が永続しないことを知っていた彼らは、バルフォア宣言でイギリスにイスラエルを建国させ、それを通して覇権をアメリカに移します。

アメリカの命令系統が、イスラエル・ロビーで、その中でも最強なのが、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)です。

「下院議員のうちおよそ半分、250~300人の下院議員たちは、AIPACが望むことならなんでもやる人々である」

AIPACの元職員で、米国政府の機密文書をイスラエルに流した疑いがもたれたスティーブン・ローゼンは、『ニューヨーカー』紙記者のジェフリー・ゴールドバーグに対し、一枚の紙ナプキンを目の前に置いて次のように語った。

「私たちAIPACは、24時間以内に、この紙ナプキンに70人の上院議員たちの署名を集めることができる」

『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策ⅰ』

この言葉には、彼らのおごりがモロに表れていますね。トランプは、AIPACの申し子でした。その彼が「影の政府」を倒すなどと宣うのは、かなり質の高いジョークです。誰もこれを理解出来ず、本気にするか、無視か、馬鹿にするの反応になります。

順に、純粋、無関心、プライドが高いとなるわけです。本当は、笑ってあげるのが正解みたいですよ。

というのも、トランプ新政権が米政権の中で最も大財閥(フリーメイソン)やユダヤマネー(イスラエルロビーの右派)という「影の権力」に傾倒する様相を帯びてきたからだ。

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ところで「最強」が負けた最も、本質的な理由とは何でしょうか。私は「最強」だからが、それではないかと思います。かれらは最強であるがゆえに、相手を屈服させることしか知らず、協力することが一切できないのです。彼らは、常に360度敵だらけなのです。

そして、2020年の大統領選挙では、敵の共闘に敗れたのです。「パリ家」は、本来敵だったもう一つのイスラエル・ロビー「JINSA(ネオコン)」と「民主社会主義」をも取り込み、総力戦でトランプを蹴落としたのです。

次の覇権は誰か

では、「パリ家」が勝ったのだから、覇権は彼らに移るのでしょうか? これはどうも、そうではないようです。というのも「パリ家」は元々、「ロンドン家」の虎の威を借りる狐だったはずですが、これを排除してしまいました。

彼らが特に頼ってきたのは、「暴力」です。覇権(ルール=正義)を正当化するのは、「暴力」であるというのは、日本の有名漫画に克明に表現されています。

「お前の物は俺のもの、俺の物は俺の物」

という有名なセリフは、アメリカそのもののようですが、これで言うと、「ロンドン家」はジャイアンだったのです。「パリ家」はスネ夫です。スネ夫はのび太や静香ちゃんと結託して、ジャイアンを追い出してしまいました。

ジャイアン無き後、果たしてスネ夫の天下が訪れるでしょうか?

象徴的なのが外交・安保だ。マクロン仏大統領は12日の仏誌のインタビューに「我々も自分たちのために自立しなければならない」と語った。同氏は欧州軍の創設が持論だ。北大西洋条約機構(NATO)に絡んで欧州の防衛を軽視したトランプ氏の言動もあり、かねてEUが自立する必要性を訴えてきた。

EU、バイデン政権「同盟重視」見極め 協調期待も自立模索 日本経済新聞

「パリ家」当主のダビド・ロスチャイルドが頭取の「Rothschild & Co」出身のマクロン氏は、弱点をしっかり把握しているようです。

米軍はバイデンには従わない

パリ色が強いバイデン政権に、米軍は完全には従わないでしょう。これは今に始まったことではありません。

◆安倍晋三首相は、米国オバマ大統領が、このところ日米安保政策を大きく変更していることに気づいている。気づいているどころか、信用しておらず、米国オバマ大統領と国防総省(ペンタゴン)実務家とが、いまや「対立状態」に陥っていると言われているなかで、安倍晋三首相は、はっきりと国防総省(ペンタゴン)実務家の側に立っている。

オバマ大統領と国防総省が「対立状態」、安倍晋三首相は、オバマ大統領を信用せず、国防総省側に立つ BLOGOS

これは当然のことです。

中国への敗北は確定か

私は2020年の「コロナ」を見たとき、ロスチャイルド家の内部対立が、すでに修復不能なほど、激化していることに気が付きました。その時点で、米国は、中国に勝てないことを確信し、そのことを書きました。

大統領選にトランプが敗れたことで、それは確定したように思えます。

欧州連合(EU)を1月末に離脱した英国がEUとの貿易交渉で合意した。物別れに終わっても「英国にとっては良い結果だ」と豪語してきたジョンソン英首相だが、最後に選んだのは安全策だった。背景には、離脱の強力な「後ろ盾」のトランプ米大統領に続投の可能性が事実上なくなった結果、国際的な孤立を避けるため、EUとのつながりを断ち切れなくなったという事情がある。

英、EUとの関係切れず 背景に米大統領選離脱後の貿易合意 jiji.com

私が「保守的なグループ」と呼んできた「ロンドン家」は、アメリカとイギリスを完全に敵から切り離し、つまり米英を取り返して、「パリ」EU、中国と全面対決するつもりでした。

彼らの対中対EU世界戦略は、完全に崩壊したのです。

こうした現実を直視すれば、バイデン次期米政権と短期間に関係を強化できる見通しが立たない以上、首相に残された現実的な選択肢は一つしかない。それがEUとのFTAを何としても確保するという道だった。EU離脱を支持してきた英日曜紙サンデー・タイムズすら、交渉決裂は「16年の国民投票時に多くの有権者が期待した結果ではない」(社説)と切り捨てるありさまだった。

それでも、アメリカは、今更中国と仲良くする訳には行きません。

ダボス会議は、EUが中国を呼んで世界の主役に据え、中国主導のBRICSとEUが仲良くし、そこに日韓など中国傘下に移った国々も入るという「非米同盟」の会合になった。この新たな隠然同盟体は国連を牛耳っており「新たな連合国」と呼べる。対照的に、ダボス会議を欠席した米英アングロサクソン諸国は負け組であり、「新たな枢軸国」である。世界は第2次大戦の状況から、75年後の今、見事に逆転した。

『田中宇の国際ニュース解説』

「ロンドン」のロスチャイルド支配の時代は、既に終わったのです。彼らは、嘗てイギリスからアメリカに覇権を移したのと同じように、覇権を移すことを失敗したのです。

彼らは米国覇権と共に滅びます。

「パリ家」の繁栄はどうなのでしょうか。これももう終わりだと思います。彼らは言っても、同じ「ロスチャイルド家」です。それに中国は、完全に「パリ家」とデキている訳でもなさそうです。

結局、パリも中国と戦うしかないのです。もちろん、彼らは勝てない。

だから、「ロスチャイルド家」はもう終わりです。

私は「パリ家」が先にやられて、「ロンドン家」が後になると思っていました。しかし、この順序は逆になりましたが、これはとてもいいことです。そして、この順序の読みが外れたからと言って、自分の分析が誤っていたとは、全く思っていません。

中国支配の暗黒の時代になるんじゃないかって?

無いとは断言できませんが、私はあまり心配していません。なぜなら、「ロスチャイルド家」亡き後、中国共産党の強権と独裁を正当化するものはないからです。

13億人が、いや、60億人の人々が、理由なき強権をいつまでも許すと思いますか?

中国に支配されると言う人は、60億の民が、中国共産党に負けると予測していることになります。

ロスチャイルドには、負けて来たじゃないかと?

彼らとは、ほとんど誰も戦っていません。彼らはずっと、隠れてきました。これが彼らの繁栄の理由でした。つまり、中国共産党も繁栄できないことを彼らが、教えてくれているのです。

北野幸伯さんの国家サイクル論で言えば、米も中国も両方落ち目なのだと言います。その通りになるのではないでしょうか。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらわす

『平家物語』