今年の225予想は、15,000円そんな予想を掲げた私から言わせれば、株価は依然としてかなり高い位置にあるようです。しかし、崩壊への懸念が薄まっているかと言えば、全くそんなことはないようです。

米国株の調整局面というか下落相場は、かなり長期化する可能性が高まったと思う。ナスダックはバブルが完全崩壊する可能性すら出てきた。コロナ・バブルの崩壊というレベルではなく、第二次ITバブルの崩壊といった感じである。これについては追い追い説明するが、東西新冷戦の本格化で株式相場は歴史的な転換点に差し掛かっていると私は見ている。

山本伸の言いたい放題

歴史的な転換点

カリスマ株式評論家の山本伸氏は、株式相場が歴史的な転換点を迎えたとおっしゃっています。気づくの私の方が早かったですね(笑)。とは言え、相場の世界では、早いことがいいことではありません。

山本伸さんは、東西新冷戦によると書かれていますが、当ブログの分析では、世界の支配階層のトップによる西側から東側への権力の移譲、これこそが歴史的な転換、ネットで言われている超監視社会は目的ではなく、そのための手段、ギミックに過ぎないのではないでしょうか。

利上げで崩壊させられてきたバブル

東西新冷戦については後ほどにして、まずはマーケットの方ですが、これまでの歴史的な株式市場の崩壊は、すべて金利の引き上げによって起こされてきたと言っても、決して間違いではないと思います。

日銀が利上げを決めたのは1989年の5月30日である。この利上げをきっかけに債券市場は下落基調に転じた。10月と12月にも日銀は公定歩合を連続して引き上げ、完全に引き締め基調となっていた。しかし、東京株式市場はそれを無視して年末まで上がり続け、1989年12月の大納会の引け値、38915円が過去最高値として記録され、その後、株価は急落しバブルが崩壊したのである。

2000年の春以降、IT関連企業の収益に改善の兆しがみられなかったことなどから、IT関連企業に対する期待は急速に縮小した。1999年6月から2000年5月にかけて、FRBは政策金利を4.75%から 6.5%へと引き上げていた。このFRBの利上げも重なったことから、株価は急速に下落し、ITバブルは崩壊したのである。

バブル崩壊への足音、物価と長期金利の上昇に注意せよ Yahoo!ニュース

また、下のリンク先の表を見て頂ければ、リーマンショックも利上げの直後に起こっていることが分かるでしょう。

米利上げ、どう進む 過去の局面と比較

日本経済新聞

所謂常識論では、悪いのでは利上げではなく、その前の低金利の放置だということになっているのですが、これは出鱈目です。そもそも金利は取る必要がなく、ゼロ金利でもバブルは発生しません。

ヘリコプターマネーをやるから全体のバブルが発生するのであって、原因は、それ以外にありません。

懸念すべきは円高?

125円の時に、ドル円は天井を打ったと書いて恥をさらしていますが(´Д`;)、「アナリストが総強気だから、天井が近い」という予想ロジックが、そんなにも間違っていたとは思っていません。

円安が止まらなくなる中で、日銀の金融政策を筆頭に、日本の政策が悪いためだといった批判が増えている印象がある。方向は正反対だが、円高が止まらなくなった局面でも似たような現象は過去繰り返された。

(中略)

さて、それから約10年過ぎた2011~2012年に、米ドルは上述の「超円高」をさらに超えて75円まで進んだ。こういった中で、「この円高は日本の経済構造を受けた結果なので止められない」として、60円、さらに50円まで円高が続いてもおかしくないといった声も増えたものの、結果的には米ドル安・円高は75円で止まった。

以上見てきたように、これまでの円高・米ドル安は、それが高じる中で「構造的円高論」が登場するといったパターンがあった。循環的な説明が困難になると、持ち出される構造論だったが、結果的にはそんな構造論を尻目に円高はやがて終了した。

「止まらない円安」と「超円高」の記憶 吉田恒の為替デイリー

要はメディアなどが騒ぎはじめると、相場は終わりに近いのは定石だったです。それに、「歴史的な転換」といった大相場の始まりの直前には、逆の方向に大きく動くことがよくあり、纏めますと、今警戒すべき円高だと言うことになります。警戒と言ってもマーケット的にはという意味ですが。

日銀はいつまで戦えるのか

そうならないように、現在、日本銀行は瀬戸際で戦っている。21日から26日まで連続オペをするのは、現在コミットしている金融政策を守るためだ。

悪いのは日銀ではない、リフレ派とそのほか大勢の有識者と経済人だ アゴラ

以前の記事でも書きましたが、日本銀行は、金利上昇を阻止するための覚悟を見せているようです。

もちろん、日本の金融政策を誤らせたのは、リフレ派で、素直で経済学を知らない安倍氏に催眠術をかけたことが21世紀の日本最大の経済犯罪と言っても過言ではないが、彼らは、金融を食い潰したら、今度は財政を食いものにしようとしている。MMT理論はその手段の一つだが、残念なことに(幸運なことに?)すでに財政は死んでいる、ではないが今後の実質破綻が決まっているようなものなので、あまり余地がないからリフレ金融政策ほどのインパクトは現実経済にもたらさない。彼らがいなくても、政治家たちが十分財政を使い果たすので、追加的な被害はリフレほどではないだろう。

しかし、一番の問題は、リフレ派、MMT派を、放置してきた、まともだがサイレントな人々である。彼らは、間違っているリフレ派、自己実現にしか興味のないリフレ派と異なり、常識もあり、ある程度日本経済を憂いているはずなのに、何もしなかったからだ。

こちらのブログでも「インフレなるのは当たり前である」と書いてきましたが、経済学に精通する方々が、本当に何も知らなかったはずがありません。政府や日銀自身もそのはずです。

しかし、この一大事において、黒田総裁はメディアに逆らう姿勢を見せたようです。彼が、その姿勢を続けられるかどうかは、これまで日本を裏切ってきた人々が、反旗を翻せるかにかかっていると思います。

これまでの日銀の政策に反対でも、現在の自分の国の中央銀行への信頼を、私は何が何でも守りたいと思うし、する必要がある。

そう言う意味では、庶民も経済人も一緒だと思います。もちろん、私もです。とは言え相手は非常に強力であり、100%の抵抗でぶつかることの代償は、あまりにも大きすぎます。

しかし、もっとひどいのは、欧米と金融政策が逆だから良くない、という批判だ。

むしろ、急にインフレになって、政策を急転換しなければならなくなった、さらに、もう利上げしても間に合わない米国中央銀行FEDは最悪の金融政策であり、欧米との比較でいえば、日銀だけがインフレを起こさなかったと褒められるべきことであり、まだ利上げが間に合うという世界一良い状況にある。

つまり、欧米に比べて「まし」な状況を作れればよしとするべきであって、日銀はその方向に動く可能性は十分にあります。黒田日銀が姿勢を軟化した時が、金融崩壊と円高のきっかけとなる可能性があるでしょう。

その中でのゼロ金利解除という利上げは、株暴落の「第二幕」トリガー役になるといった具合に、結果的には最悪の政策判断となってしまった。

(中略)

1999年当時の日銀の金融緩和、ゼロ金利政策は、1999年1月にかけての長期金利暴騰に歯止めをかける目的で行われたものだった。巨額の政府債務などを理由とした日本国債暴落不安説は長い間くすぶり続けてきた。その意味では、金利暴騰、国債暴落回避が黒田総裁の金融緩和継続の目的ということだろうか。

黒田日銀総裁と22年前の「黒田財務官」 吉田恒の為替デイリー

東西新冷戦の見込み

そして最後に、山本伸さんが歴史的な転換の理由として挙げた東西新冷戦ですが、これは東側の勝利ですでに結果が確定しているように見えます。

さらに、日本人の村山節氏が1937年に発見した世界文明のサイクルとして、800年サイクルがある。過去6400年の世界文明の盛衰波動周期を調べると、東洋文明と西洋文明が概ね800年ごとに主役交代しているというものである。現在の世界文明の主流である西洋文明から東洋文明に主役が交代するのは2000~2100年と見られている。既に、その交代期間に入っているのである。東洋文明が再び主流になるとして、東洋文明の主役を担う国はどこだろうか。中国か、インドだろう。

大風呂敷か、覇権獲得か、中国の「一帯一路」 東京商工リサーチ

というのも歴史の覇者は、超長期スパンの中で覇権を西から東へ行ったり来たりさせており、西側が勝つのは、決して絶対ではなかったようです。

わたしは、この度の戦争を長い歴史的発展のほんの始まりと見なして いる。これが終わる頃には、イキリスは、世界的な地立を失っているだろう…〔そして〕有色人種による革命が、ヨーロッパの植民地帝国をひっくり 返していることだろう。

〔プロイセンの軍人、軍学者〕コルマール・フォン・デア・ゴルツ元帥

『大英帝国の歴史』下 ニーアル・ファーガソン

というよりも、「世界の支配者」は初めから、その計画で動いているのですよ。よく言われるシオニストや欧州貴族は、所詮西側のローカル支配者に過ぎないわけですが、彼らにとって、この話が到底受け行けられるものではないというのは当然の話で、2,020年にクーデターを起こして、真のグローバル支配者の代理人であるトランプを排除したというのが、私の読みです。

しかし「支配者」は依然として頗る強く、西側はその後も否応なく引きずられています。決死のクーデターは西側の勝利を意味せず、結局嫌がらせ程度でしかなかったのかもしれません。

さて、本当に最後になりますが最も重大なことは、果たして「支配者」の超長期戦略は計画通りに行くのだろうか?という疑問です。これは今の時点では、5分5分というくらいにしか言えないのではないでしょうか。

この勝敗の鍵を握るのは、中国の習近平政権です。覇権が東に移るのは確定的とは言え、その司令部がこれまでと同様の「ロンドン」になるのか、そうではないのかというのが、最大の焦点です。

岸田首相は5日、訪問先の英ロンドンで5カ国歴訪を終えました。首相は、対中国を念頭においたイギリス政府との新たな安保協力(日英円滑化協定)の枠組みについて合意しました。

この合意は、イギリスとオーストラリアの合意に非常によく似ています。モリソン豪首相は、イギリスとの合意について、「両国の部隊の迅速な派遣・展開とより簡素な手続きを円滑にするもの」としています。

中国外務省の趙立堅報道官は、「日本はまたも外交努力を放棄して、中国の脅威を宣伝することで地域の緊張を増加させている」と述べました。

その上で、「日本はこうした振る舞いにより、自らの軍備増強を強化し、地域諸国間の信頼と協力を損ねようとしている。このことは地域の平和と安定にとって好ましくなく、支持されない」と述べました。

中国、「日本の姿勢は地域の安定を損ねる」 Parstoday

日本が習近平政権を倒すための飛び道具にされていく、アメリカ(イギリス)の軍事作戦について、これまで詳しく論じてきていますが、その現実を素直に捉えるならば、旧大英帝国の超長期戦略に習政権が立ちはだかったということになりますが、もちろん、それが「真実」かどうかは分かりません。

そして、米英の軍事作戦がうまく行くかは経済と一緒、私たちが裏切り続けた日本を守ってあげられるか、にかかっているのです。

100年後、もし日本が存在していなかったとしたら、私たちがそれを望んだというに他なりません。日本人は祖国を守るのでしょうか? それとも?

これこそ今、私たちに突き付けられた究極の問いです。