株式市場では「ロンドン筋」が再び大暴れしたような印象を受けます。ネタは恐らくこれでしょう。

社説:米下院議長解任 世界への悪影響を憂う

京都新聞

米国の「保守強硬派」は、下院議長にトランプ氏を推してさえいるようです。

円安?

米国債の信用にもマイナスだ。売られて金利が上昇すれば、日米の金利差の拡大から円安のさらなる進行もあり得る。

それにしても、日米金利差の拡大による円安の進行を心配するとは、如何にも素人的でいただけません。米国債が暴落すれば、もっとも恐れるべきはドル安であることは、語るまでもないことです。

そして、当ブログはこう警告してきました。最も畏れるべきは、金利の上昇であると。

昨日の雇用統計の結果を受け、米国の長期金利は4.88%という16年の高水準。対する日本は、0.8%。

これね、日本の政治家と官僚だからこそ成し得た最高の結果だと思いますよ。これを評価しないで、いったい何を評価するんですかね? 数字で結果を出しているのに、それすら評価できない。ただの馬鹿ですね。

さて、気を取り直して、米国に視線を戻しましょう。

市場も反応した。4日のアジア市場では、マッカーシー議長解任をきっかけに金利高止まりや債券の伝統的なリスク・プレミアムの復活への懸念が強まり、米国債相場は下げ幅を拡大。米国債利回りは今週急上昇しており、ストラテジストは米議会の権力闘争が債券市場の動揺を再燃させかねないと指摘している。

米国債と米ソブリン格付けにリスク高まる、マッカーシー下院議長解任 ブルームバーグ

即ち「米国債」の信用を破壊しているのは、トランプ率いる「強硬派」であると言えます。これらのことを踏まえると、ドル円は既に天井を打ったんじゃないですかね?

当ブログは、ここ最近この「強硬派」のルーツについて、分析を重ねているのですが、ニュースを見ていて、ふとこの写真が目に留まりました。

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騎馬に乗った男の正体は、第7代米国大統領で、なんとトランプも敬愛する最強の「極派」だったのです。

「大統領になったジャクソンは、特権階級の既得権を破壊する過激な政策を次々と断行します。まず、それまで行政府を独占していた東部エスタブリッシュメント出身の公務員を全員クビにして、自分を支持した人々と入れ替えました。さらに当時の中央銀行(第二合衆国銀行)の免許更新を拒否して、破産に追い込みます」

トランプより強烈だった! アメリカが生んだ「最強のトンデモ大統領」 デイリー新潮

おお、なんてこった! エリートを破壊し、何でも言うことを聞くおバカさんと入れ替える。これはまさに前回の記事で詳しく書いた「ロンドン筋の手」そのもの、ではありませんか。

破壊の理由

「ロンドン筋」がいったい何を行っているのかと言えば、破壊そのものである、ということはもはや明白な事実です。支配説に拘るのは、止めましょう。市民を支配するには、テレビを見せておけば十分であることは、もやは証明済みです。

こうした建物が攻撃されるのは、それが軍事目標の進路にあるからではない。破壊者にとっては、それ自体が目標物なのである。

『なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか』 ロバート・ベヴァン

そう、彼らの目的は破壊そのものなのです。それには、もっとも都合がいいのが戦争を起こすことであり、その中でも最高の形態が世界大戦となるのです。

世界大戦を阻止した英雄

まず、この記事を読んで頂きたい。

ケネディも青ざめた…フルシチョフの「衝撃的な決断」に対してアメリカがとった「意外な対処」

現代ビジネス

全部読むのがめんどくせえ、という人のために、重要と思う箇所を抜粋してみましょう。

米軍内における好戦派の代表格だった空軍参謀長のカーティス・ルメイは、戦略爆撃機によるキューバ爆撃を主張してこう語った。

「ロシアの熊どもは、いつもラテンアメリカにちょっかいを出してくるんだ。やつらはワナにかかったぞ。脚を付け根からもぎ取ってやれ。……いや待てよ、ついでにキンタマももぎ取ってやれ」

ルメイはソ連との全面戦争の可能性さえほのめかしたが、ケネディは取り合わず、統合参謀本部のキューバ侵攻案を却下した。

今と全く同じようなこと言ってんなあ。しかし、ケネディは軍の「強硬派」の主張を聞き入れませんでした。

キューバ戦略爆撃案が門前払いにされたルメイは腹立たしく思ったに違いない。

しかし「統帥権」が、政治家にはコントロール不能であることを読者の方は、とっくにご存知のはずです。

後にロバート・ケネディ(ケネディ大統領の弟で、当時の司法長官)が書いた回想録によれば、海軍から「(潜水艦を浮上させるために)爆雷を使用する」との報告を受けた後の数分間は、ホワイトハウスの指令室が最も緊張した時間だったという。

ソ連消滅後の1990年代に米露両国が共同で行った検証によれば、ソ連の潜水艦の司令官や乗員は非常に規律が行き届いており、核を意図的に使用する危険性はまずなかったが、もし発射管に装塡されていれば、手違いや偶発的な要因により発射してしまう可能性もあったとされている。なぜなら、ソ連の潜水艦は、攻撃を受けて艦体に亀裂が生じたり、火災が発生したりした場合には、本国の指令がなくても自衛のために核魚雷の使用が許されていたからだ。

なお、そのときソ連の潜水艦に搭載されていた核は、1基につき5キロトン(5000トン)だった(15キロトンだったという説もある)。

もし使っていたら、アメリカの駆逐艦隊は全滅していただろう。そうなれば、米ソの戦術核による応酬から第三次世界大戦にエスカレートする可能性が高かった。このように、海ではソ連が核を使う一歩手前だったが、万が一、米軍がキューバに侵攻していたら、陸上でも米ソ核戦争の悪夢が現実となる可能性が高かったと考えられる。

ようは、”偶発的”に第三次世界に導かれる道筋が仕組まれていたということなのです。しかし、この危機が政治家のみならず、人類をも本気にさせたと言えます。

米ソが核ミサイルを発射しあう危険性が現実味を帯びたキューバ危機は、こうしてケネディとフルシチョフのトップ会談により回避することができた

この時はベルリン危機よりもはるかに危険で深刻だった。両国は戦車砲ではなく核ミサイルを突きつけ合ったのだから。

ケネディとフルシチョフは、手を取り合い、第三次世界大戦へと導く計画を阻止したのです。しかし、その”裏切行為”を「強硬派」が許すはずがなかったのです。

だがモスクワでは、フルシチョフは交渉の後半で弱腰になったと受け止められ、強硬派からこの取引はソ連にとって屈辱的だったと批判される結果となった。

この一件を契機にフルシチョフは求心力を失い、2年後に失脚することになる。アメリカから最大限の譲歩を引き出したにもかかわらず、国内の政争に敗れたのである。

(中略)

カストロは「もしもアメリカがキューバに侵攻したら、ソ連はICBMでアメリカを核攻撃してほしい」と要請する書簡をフルシチョフに送った。今日、この書簡は「カストロのハルマゲドン・レター」と呼ばれて知られている。

だが客観的に見れば、この取引でアメリカが侵攻しないことが保障されたのだから、キューバにとってこれ以上良い実現可能な解決法はなかったはずだ。

政治家として最高の結果を出したのに(「強硬派」のスパイによって)、彼らは糾弾されました。そして、これこそが「政治家」が「強硬派」に従わざるを得ない理由であり、ネット民が「死闘」をプロレスだと勘違いしている理由でもあります。

そして、ケネディの方は糾弾どころでは済まされなかったことは、誰もが知っています。

一方、アメリカの好戦派にとっては、キューバへの侵攻ができなくなったことは大きな不満のタネとして残った。

ケネディは、ピッグズ湾事件とベルリン危機における対処の仕方に加え、この交渉が理由でCIAやペンタゴン内部の好戦派からますます疎まれることになったのだ。

ケネディは白昼堂々、撃ち殺した犯人はこの中に書いてあります。彼が暗殺された理由は、第三次世界大戦を阻止したから、そして後に続く「裏切者」への警告であった可能性が極めて高いでしょう。

中央銀行が~みたいなのは、与太話に過ぎません。

第三次世界大戦計画は「茶番」ではなく「本気」であり、冷戦の結果は「軍の強硬派(ロンドン筋)の政治家に対する敗北だった」とみていいでしょう。

「手」を知る者

日本のトップ達は「強硬派」のその手を知っています。なぜなら、彼らは同じ手で酷い目に合わされた経験をもっているからです。

だからこそ(天皇を擁する)岸田文雄は、国民に向かってこう訴えました。

防衛力強化に向けた防衛費の増額について、岸田総理大臣は「責任ある財源を考えるべきで国民が自らの責任として重みを背負って対応すべきものだ」と述べました。

テレ朝NEWS

政府が国民に向かって、このような強い言葉を発することがありましたか?  私はこの時、初めて見ましたよ。彼らは常にお願いばかりしていますが、この時は明らかに違ったのです。

「もう一度よく考えろ」

私は個人的に、これを「天皇のおことば」だと受け止めています。

なんども書いておりますが、安倍晋三前首相は、ケネディと同じ理由により「強硬派」によって、殺された可能性が極めて高いと言えるでしょう。

おそらく、彼はウクライナ戦争に日本が巻き込まれて、第三次世界大戦に発展していくシナリオを邪魔して、殺されたのでしょう。

さて、今回はちょっと長くなり過ぎるので前編として、次回は、それにしても「なぜそこまでやるのか?」について迫ってみたいと思います。画像がその匂わせになっていたりしますよ。