11月20日、NYダウが500ドル以上売られ、ナスダックも下げ止まる気配を見せていません。今年ずっと書き続けたとおり、世界の株式市場は明確な弱気相場入りした可能性が高そうです。

日経平均株価も21,500円近辺で粘り腰を見せていますが、ドル円の下落とともに早晩、下放れると私は見ています。

 

「任天堂」「ビットコイン」「原油」が写す現状

今の相場の現状ってどんなでしょう? それが知りたければ、表題の3つの銘柄を見ればいいのです。なぜなら、この3つは2017年来の上昇相場をけん引してきた象徴的なものだからです。

それらは軒並み、底割れ、尋常でない暴落症状となっています。

任天堂が大幅続落、1年半ぶり3万円大台攻防の展開に

任天堂<7974>が大幅続落、3万円大台攻防の様相を呈してきた。中長期波動でも26週移動平均線を大きく下放れており、下落トレンド入りを印象づける。3万円大台割れとなれば17年5月以来、約1年半ぶりとなる。

~ minkabuPRESS ~

私の大好きな任天堂、再び買える日はいつの日か・・。

 

ビットコイン、4700ドル台に急落 BCH分裂騒動の余波続く

インターネット上の仮想通貨ビットコインが再び急落している。情報サイトのコインデスクによると、ドル建ての価格は日本時間20日7時ごろに1ビットコイン=4700ドル台と、昨年秋以来の安値を付けた。

~ 日経新聞 ~

ビットコインバブルは、投資に興味のない人もみんな知っていますね。なぜなら、テレビが取り上げ、芸能人が騒いだ、まさにバブルの象徴だったのです。

 

原油価格が1年1カ月ぶり安値、株価と同時急落の意味

11月20日のニューヨーク取引時間中に、値下り傾向にあった国際原油価格が改めて急落した。NYMEX原油先物相場は、1バレル当たりで前日比3.77ドル安の53.43ドルととなっている。同日の安値は52.77ドルであり、僅か1営業日で最大7.7%の下落率を記録している。これは2017年10月26日以来、約1年1カ月ぶりの安値更新となる。

~ Yahoo ニュース ~

 

最後に原油ですが、これも1年ぶりの安値に沈んでいます。上昇相場をけん引したスター3銘柄が揃ってこの有様、すでに相場は下落トレンド入りしたことを強く印象付ける事実と言っていいでしょう。

 

欧州に潜む爆弾がでかすぎる

これも過去記事に何度も書いているのですが、今年の相場にはとにかく、巨大な爆弾が潜んでいます。しかも、その導火線はもうだいぶ短い。

一つは、イギリスのEU離脱問題です。これは万に一つも合意はない、と思っていていいでしょう。それよりさらにおっかないのが、こちらです。

ドイツ銀行株が下げ止まらず、上場来安値更新-独当局が関心と関係者

20日のフランクフルト株式市場で、ドイツ銀行株は前日比4.8%安で終了。一時は6%安の8.05ユーロまで売られ、ブルームバーグが記録する限り上場来安値を更新した。年初来の下落率は49%に達し、ストックス欧州銀行株指数の24%と比べても下げがきつい。

~ ブルームバーグ ~

上場来安値ですよ、上場来安値・・。さらに、これ。

ドイツ銀とBofA、JPMに米当局接触、ダンスケ銀疑惑で-関係者

マネーロンダリング(資金洗浄)疑惑で国際的に捜査が進むダンスケ銀行の取引を巡り、米捜査当局がドイツ銀行とバンク・オブ・アメリカ(BofA)に接触した。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

~ ブルームバーグ ~

当ブログに繰り返し来てくれている方は、ぎょっとしたことでしょう。アメリカがドイツ銀行を潰しにかかる可能性が高いともう何度も書いてきました。

そんな情勢を睨んで、ドイツDAXが年初来安値を更新。欧州主要国の株価も年初来の騰落で、下落率が先進国の中で軒並み下位になるという悲惨な状況になっています。

しかも、各国揃って金融株が売られると言う恐ろしさ・・。

 

タイミングが見事すぎる

何より、タイミングですよ、タイミング。まさにここぞ、というところで、足並みそろって欧州(EU)が、おかしくなって来ています。ちなみに、ゴーン逮捕!のニュースが世間を賑わしていますが、これで一番困るのが、EUの二番手、フランスだというこれまたすごいタイミング。

 

既に知りすぎている

そして更に驚くと言うか、呆れるのが、こちらです。

総額運用資産1500億ドルの巨大ヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるレイ・ダリオ氏が、220億ドル相当の大手欧州企業株をショートポジションで積み上げていることが明らかになった。

~ ZUU online ~

これは今年2月の記事ですが、日本株に対しても巨額の売り越しを続ける海外投資家に対し、一時は「間違っているのではないか?」なんて見解も出たりしたのですが、そんな心配はご無用! やはり彼らは最初から全てを知っていたのです。

ですから、個人投資家はこんなところで戦っても、決して勝ち目などないのです。下落トレンド中の戻りを狙うなど、達人投資家以外には到底出来るものではありません。

 

日経平均とドル円はともに下落する公算が大きい

このリスクオフが本物であるならば、TOPIX、マザーズと違い、明確な下落トレンド入りを辛うじて免れている日経平均株価、年初来で以前、高値圏にあるドル円相場も今後、大きな下落に見舞われると考えるのは、普通のことになるでしょう。

ちょうど、来年の米国の利上げ打ち止め観測も出始めているようです。ま、と言うよりも私は、FRBはそもそも、今後に起こる混乱を承知のうえで、その準備のためにせっせと、機械的に利上げを行っていたのではないか、と言う風に感じます。

新議長のパウエルの姿勢は、あまりに迷いがなさすぎます。トランプさんに批判されても意に介する気配すらありません。これは、人間として変じゃないですか?

私は昨年、イエレン議長が外された理由が見えたな、と思っています。

世界の経済大国、次の危機には減税と財政出動で協調をーOECD

世界経済が急激な減速に見舞われた場合、中央銀行には手段が残されていないため、減税と財政出動が必要になるだろうと、経済協力開発機構(OECD)が指摘した。

財政出動を促す背景には中央銀行にほとんど余力がないことがある。金融政策の正常化を開始しているのは米国だけだが、米国ですら金利は景気循環のこの段階における過去の例に照らすと、約2ポイント低いとブーン氏は指摘。

~ ブルームバーグ ~

確かにおっしゃる通り、FRB以外の中央銀行には、何も打つ手がないですね。アメリカだけは、利下げすることが出来ますし、各国が緩和状態なので、利上げを止めるだけでも、相対的な効果がありそうです。

これらのことから、ドル円は今後、下落に向かう可能性が高いのではないか、と感じられます。向かうは、100円ラインではないか。ここは当ブログにとっても、最重要ポイントとなります。なぜなら、何を隠そう私が長期円安トレンドの調整局面の転換点として底打ちを当てた、2016年の99円が、そこに存在しているからです。

ここを割れるとなると、2012年来の長期円安トレンドさえ否定されると言う事態になりかねません。

そして、もし仮にドル円が100円方向に向かったならば、EPSがどうとか連日叫んでいるアナリスト達の顔も真っ青になることでしょう。企業の想定為替レートは108円程度のようです。ここを下回ってくると、減益の可能性が輪をかけて高まってきます。

ドル円だけは下がらない、そんなコンセンサスが形成されつつあるように思いませんか? これも早々に否定されることになるような気がしてなりません。

もし、本当にそんなことになったら、絶望的、悲観一色となっていることでしょう。買いを検討するならそんな頃でも遅くはない、と今はおぼろげながら考えています。

 

2019年は残念ながら最悪の年に・・

本当に書きたくないのですが、2019年は政治・経済ともに、日本・世界ともに、最悪の年になるような気がしてなりません。すでに、私の想定したシナリオに沿う形で、日韓関係がごたごたし始めていますし、英国と欧州は、今にも喧嘩別れ寸前です。

「アメリカ・ファースト」

トランプさんが掲げたこの言葉の通りの世界がやって来る、と言うことだと思います。

これだけ悪いことを書いておけば、きっと来年は結構いい年になるでしょう・・。