最近政治の予測を大きく外してしまった当ブログですが、依然として高レベルにあると考えているのが、経済予測です。

2016年6月 景気、株価、企業業績ともに底 → 的中

2018年9月 世界経済ピークアウト → 的中

当時の世間の論調は、実際これと真逆でした。

景気は非常に悪い

まず、現在の景気の状態が非常に悪いと言うのは、誰もが感じるところでしょう。

日銀の調査でも景況感の低迷が目立つ。日銀が12日発表した20年12月の個人の生活意識に関するアンケート調査によると、景気が1年前から「良くなった」と答えた割合から「悪くなった」を引いた景況感判断指数(DI)はマイナス70.2だった。前回の9月調査からは5.4ポイント改善したものの、水準は新型コロナウイルスの流行前にあたる20年3月(マイナス36.3)にはほど遠い。

街角景気 悪化続く 12月は20年5月以来の低水準 日経新聞
日銀短観(業況判断指数DI) チャート 株式マーケットデータ

そして、日銀短観のDIチャートを見て頂ければ、ドンピシャのタイミングで、私が予測を当てていたことを知って頂けると思います。

↓2018年9月1日公開の記事。

↓ここです、ここ。

2018年9月

2016年には「EU離脱」と「トランプの誕生」で、景気の回復と株価のバブル化が起こると書きました。

↓2016年5月13日公開

↓2016年6月25日公開

↓はい、2016年6月。

2016年6月

で、2016年終わり~2018年初め頃までは一貫して、株価と経済の回復が続くと書いていました。そして、世間は全く逆のことを言っていました。これ、すごくね?(笑)

すでにスタグフレーション

景気の悪化に反し、現在、世界の資産価格は暴騰しています。その理由は、もちろん大規模すぎる「金融緩和」と「財政出動」です。MMT論者は、インフレにならなければ、大丈夫、大丈夫、と言っています。

私は、2016年の時点で、インフレの時代の到来を予言していました。FRBはこの時、利上げに動いていましたが、彼らはインフレを予期して、そうしているはずであると私は、主張しました。

札をばら撒いて経済が回復するという理屈は成立しませんが、札の価値が薄まる(インフレになること)には、確かな道理が存在するはずだからです。

しかし、一向に指標にインフレは表れず、当時のFRB議長で現財務長官のジャネット・イエレン氏は、その理由は「謎」だとおっしゃいました。

しかし、私はイエレン氏が解けない「謎」の答えを示しました。その解とは、指標に出ていないだけ、というものです。そして、最近私の仮説をほとんど肯定するような記事が、ロイターに出ていて驚きました。

携帯電話各社の通信料引き下げが物価のかく乱要因になる可能性が指摘されている。現時点でオンライン申し込み専用の料金体系の扱いが判明していないためだ。仮に反映した場合は消費者物価指数(CPI)の下押しが予想より強まる恐れがある。

アングル:携帯電話料引き下げ、物価かく乱の可能性 日銀見通しへも影響か ロイター

スマホ料金の値下げが、CPIの押し下げ要因になり(考え方によってはそのためにスマホ料金は下げられ)、指標に出ないインフレが拡大している可能性が高い、と私は書いてきました。

MMTは「スマホ料金を下げれば、財政出動してもよい」という糞のつく屁理屈である、と酷評したのです。

極論するとMMTって、「スマホ料金が安ければ、財政出動できる」と言っていることになります。

インフレになれば経済がよくなると言う人は、「スマホ料金が高くなれば経済が良くなる」と言っていることになります。

物価は本来、経済の原因ではない

そして、もう一つ重大なことは、インフレとデフレが景気左右の原因であるという経済学の常識は、単なる嘘、間違いであるという気づきです。

「デフレだから生産性が上がるはずない」と考える人は、「だからインフレを実現すれば、生産性は自動的に上がる」と主張します。今回は、この点を検証します

結論から言いましょう。実は歴史を紐解くと、インフレ率と生産性の向上率は負の相関関係にあります。インフレ率が高くなればなるほど、生産性の向上率は下がるのです。

この相関関係は全世界で確認されています。また、この傾向は現代だけで観察されるものではなく、約130年間のデータを見ても同様の傾向が確認できます。

「デフレだから生産性向上は無理」という勘違い 東洋経済ONLINE

このことも正しかった可能性が非常に高いと言えるでしょう。

インフレになると生産性が上がるという単純な理屈は、最近否定されることが多くなってきました。2004年に発表されたアメリカの論文、「Good Versus Bad Inflation: Lessons from the Gold Standard Era」(NBER Working Paper No. 10329)は、この件に関して大変に参考になる論文です。デフレは景気後退を意味し、悪と見なすべきだという理屈も単純すぎると示唆しています。

(他の要因で)経済が悪化するからデフレ、つまり自然と物が安くなり、経済の回復が促されるのです。逆に経済が過熱している時は、物が自然と高くなり、つまりインフレになり、それ以上の過熱を抑えようとするのです。

デフレとインフレは、自浄作用です。

この論文では、供給に比べて需要が減ることで起こるデフレを「悪いデフレ」と評価しています。逆に、19世紀のように生産性が向上し、需要に比べて供給が増加することで起こるデフレを「いいデフレ」としています。

ですから、この理屈もおかしいのです。インフレとデフレはあくまで結果であり、いいも悪いも、彼らに責任はありません。

どうでしょうか、今のところ当ブログは、経済ブログとして超一流ではないでしょうか。その最新の予測は、

スタグフレーションは更にとんでもなく加速する、です。そのうちスマホを無料にしても、指標への表出を抑えられないくらいになるでしょう。

現在、当ブログを読んで頂いている方が、将来そのことを自慢できるようにすることが私の目標です。

今回、当ブログの支持率の回復を狙ってこのような記事を書いてみました。

私の思惑は外れましたでしょうか・・