SQが終わったのに、今日もだだ下がりの日経平均株価とドル円相場。それもそのはず、イギリスのEU離脱問題に絡んで欧州不安が再燃しており、銀行株が相当売られているようです。マーケット関連記事を読み漁っても、どこもかしこも悲観的なものばかりで気が滅入ってしまいますね。

しかし、当ブログではその異様ぶりを再三指摘しているのですが、アメリカの株価指数NYダウ、S&P500、そしてNASDAQ。このどれもが高値圏で推移しており、特にダウとS&Pは史上最高値を伺う水準にいます。

世界的なリスクオフのはずがそれを完全に無視です。この状態はあまりに不自然であり、見逃すべきではないと思うのですが、なぜかこのことを解説してくれるアナリストの方が見つかりません。ですので、私が一生懸命書いていると言う訳です。同じように感じている方も多いのではないか、と思っております。

EU離脱投票直前でも全く下げなかったダウ

これも以前書いておりますが、イギリスのEU離脱投票が近づいてもダウは全くと言っていいほど下げませんでした。これはおかしい、これじゃあ離脱しても下げないと言っているようなものだと言う趣旨のことを書いたのですが、実際そんな動きになったのです。

今回も世界的なリスクオフと言う状況で、このような状態にあることは異常としか言いようがありません。これから下がるのかもしれませんが、そうだったとしても、株の動きとしてはおかしいです。遅すぎます。最初は無視していた材料が後から蒸し返されて下がる、と言うようなことは確かにありますが、欧州の銀行株がすでに年初来安値付近まで売られている中ですから、このグローバルな時代で、普通ならばそれを無視し続けられるはずがないです。ニュースが出てから下がり始めるのであれば、誰でも簡単に儲けられますよね・・。

NYダウは今回のイギリスショック直前の1万8011ドル(6月23日)に対し7月7日時点では1万7895ドルと高値圏に位置している。上放れに備えた 高値圏のモミ合いとみることは可能だが、マーケットの置かれている環境を考慮すると上値を期待することは難しいように思われる。

http://inumaru.seesaa.net/

株式評論家の犬丸正寛さんの解説ですが、これは株の解説としてはどこか変ではないですか? 犬丸さんを悪く言っているわけではありませんが、「マーケットの置かれている環境を考慮すると」、これは株価に織り込まれていなければならないはずですよね、本来は。私は正直意味が分かりません。私にも上放れするようには見えるのですが。

私は欧州不安より、こちらの方がよほど気になります。

 

仮説 第二の国債化

ここからは私の仮説になりますが、アメリカ株は半国債化しているのではないでしょうか。

「世界的な金融緩和でじゃぶじゃぶに余った資金がやがて行き場を失い、株にやってくる」

こうおっしゃる著名なアナリストの方には、朝倉慶さんや平野憲一さんがいますが、この通りのことが米株に起こって来たのではないかとは考えられないでしょうか。理由は利上げを見送っているからです。そして、利上げしなければそうなると、イエレン先生はずっとおっしゃっているとお伝えしてきました。

このままでは、リスクオフで買われ、さすがにリスクオンで売られるとは思いませんので、余計買われると言うことになるのではないかと。消去法的に買われるならやっぱり米株ではないかと思われます。今、一番安心して買える市場です。

 

もし、この仮説が万が一あっているとすると、これはいい事ではなく危険な兆候です。なぜなら、確実にバブルだからです。イエレン議長がこれを見逃すはずがなく、実際にFRBは株高を警戒してるという記事も出ていました。利下げなんてとんでもない話で、政治の枷が外れたら、すみやかに利上げに動くと思われます。ただ、大統領選挙があるので、年末くらいまでは実際難しいのかもしれません。

私はバブルを崩壊させずに防ぐ方法はただ一つじゃないかと思っています。それは緩やかなドル高です。ですから、アメリカは意外と早い段階でドル高政策に戻ると考えているのです。

 

日本株の救世主は米株バブルとイエレン先生?

対して非常に心もとない動きを続ける日本株ですが、その要因は何といっても円高です。他に理由はなく、その一点に尽きると言ってもいいくらいです。もし、アメリカがバブル阻止のためにドル高に転換するのならば、円安に戻ることは間違いないと思います。そして、米株にその愛の鉄槌をくらわすのはイエレン先生です。

その時、溢れるマネーは怒涛の様に今度は日本株になだれ込むでしょう。アベノミクスへの失望なんて本当はあんまり関係ないことではないでしょうか。

以上、このお話は毎度フィクションですが、一生懸命考えましたので、現実化する可能性は1パーセントくらいはきっとあるでしょう(笑)。