巷ではにわかに在韓米軍の撤退が、騒がれるようになって来ましたね。当ブログは予てより、それは確実に訪れる未来として、そのプロセスを独自視点で分析して来ました。対して、我が日本における米軍はどうなのでしょう。

トランプさんは大統領選挙の前に、「在日米軍を撤退する」と言っていたのは、有名ですね。私は従来より、「在日米軍の撤退はないのではないか」と考えてきました。

でも実は、これ、予測と言うよりも願望に近い部分があったのです。

「とうとう日本が真の独立を掴むチャンスじゃないか!」

そう考える人もいるでしょう。しかし、私の予感がもし、当たってしまうならば、これはすべての日本人にとって、非常に暗く悲しい現実を突きつける結果となるのではないでしょうか。

トランプの言葉への強い不安

「在日米軍の撤退」について、今まで私はあまり踏み込んできませんでした。それはなぜかと言うと、考えたくなかったからです。

そもそも他国の軍隊が、駐留しているなんて、全くおかしな話。米軍の撤退は当然。

この考えはまったくの正論でしょう。

しかし、当時から記事に書いています通り、 私はトランプが大統領に選出された直後から、彼が本気で中国を潰しに行くことを知っていたのです。

そんなトランプが、「米軍を撤退させる」と言っている、この意味するところは、こう想像できますよね。

「お前らが中国と戦え」

彼の言葉を聞いたとき、「米国の替わりに戦争をさせられるのではないか」、そんな強い不安を私は直感的に感じたのです。しかし、それを私は、こう打ち消しました。「日本だけで戦って勝てるはずがない」、少なくとも、彼の真意は「ともに戦え」だろうと。

この件に関して、少し古いのですが、こちらを見つけました。

元米陸軍情報将校が明かす「アメリカ軍が日本から撤退する理由」

日本人は、日米同盟があるのだから、日本を守るために、在日米軍はいてくれるだろう、と無条件に思いがちだ。まして日本から撤退することなど絶対に無いと思っている。
が、果たして、本当にそうなのだろうか?


—撤退する最大の理由は何ですか?
最大の理由は、軍事費の節約でしょう。

現代ビジネス

ここでは、在韓米軍の撤退に関して、当ブログが最大の理由に挙げるのと同じ、「軍事費の節約」が出て来てますね。

読み進めると、更なる重大なもう一つの理由が見えてきます。

—まず、金。その次の理由は何が来ますか?
撤退する二つ目の理由が、スタンドオフです。
—なんですか、それは?
敵の先制攻撃圏外にいることです。
米軍は、中国から先制攻撃された時に、被害を最小限に食い止めるために日本から離れ、十分で安全なスタンドオフ距離を保つ必要性があります。
—この第2の理由は、在日米軍が撤退する理由としては強いですね。米軍に金が足りなかったら、日本は幾らでも払いますからね。

そうです。だから、在日米軍がいなくなった時、日本が単独で防衛できる兵器システムにはなっていません。兵器体系でも、日本はまず、米国ありきになっています。

そう、私が決して考えたくはなかったそれが、「お金」以上の強い理由として挙げられているのです。

在韓米軍撤退後の残酷な現実

更にこちらをお読みいただくと、今後日本人を襲うだろう「残酷な現実」が如実に見えてきます。

なぜ日本は、アメリカによる「核ミサイル配備」を拒否できないのか

しかしその一方、日本の状況は悪化する。同じく制空権を失った、すべての自衛隊基地と米軍基地のあいだで共同使用が進み、そこにやがて対中国・ロシア用の中距離核ミサイルが配備されることになる。そして米軍の主要部隊はグアムその他へ撤退するが、「共同基地」に配備された核ミサイルの発射ボタンは米軍が握り続けるのだ……。

たんなる悪夢だと思われるだろうか。そうではない。すでに何十年も前から、「全自衛隊基地の米軍共同使用」と「日本の陸上基地への核ミサイルの配備」は、アメリカの軍産複合体が具体的な目標としてきた現実なのだ。

現代ビジネス

アメリカ軍の核が地上に配備され、その代わりに在日米軍が撤退もしくは縮小する、つまり米軍撤退による日本の防衛力の低下を核配備で補おうと言うのです。

ここにも、私の感じた強い懸念が、現実となり得る客観的事実が存在するのです。

しかしその過程で岸がアメリカ政府やCIAとのあいだで結んだ、国民の知らないあまりに異常な合意が、いま「戦後日本」という国に大きな危険をもたらしている。

なぜなら自国の軍事主権を、完全に他国の手に委ねることは、ほとんど自殺行為に近い暴挙だからだ。

やはりアメリカは今回、ともに戦う気などないのでしょうか・・。

矢部さんの予言は実現する可能性が高い

矢部宏治さんが指し示すこの未来ですが、現実化する可能性は極めて高いと私は思います。なぜなら、この道へ進むためのプロセスが、私の目には、はっきりと映し出されているからです。

その最たる物が、徴用工や、レーザー照射問題に象徴される昨今の嫌韓ブームです。 いったい何の関係が? その答えは、原因と結果を逆に考えれば見えるのです。

アメリカは、核ミサイルの地上配備を目論んでいる、そう仮定したときに一番必要になってくるものは何でしょう? それは間違いなく世論です。

日本国民の抵抗が弱ければ、必ず実現するだろう。

彼らの目標の最大の障害は、国民の抵抗です。では、その国民の抵抗を大きく削ぐためにはどうしたらいいのでしょう? その唯一絶対の方法をこれからお教えしましょう。答えは、「正義」です。暴力を一般化するのに最高の素材は「正義」だ、と言うことは皆さんご存知でしょう?

韓国に対する日本人の「正義感」が、メディアの影響力により、成熟されていくのを私は如実に感じているのです。

北朝鮮の役割

矢部さんの記事には、韓国が主権を取り戻していくと書かれていますが、私はこれは違うと見ています。残念ながら彼らの運命は日本と同じです。

現在の朝鮮半島情勢はあたかも北朝鮮主導で統一が進むかのような様相になって来ています。私は北朝鮮は、すでに米国(イスラエル)が、支配下に治めていると考えています。

過去記事で何度も書いていますが、そうでなければ、北朝鮮がICBM級ミサイルを発射した後、トランプは何もせず、ただ、

「韓国と日本はこれは許さないだろう」

と言ったことを説明できないからです。

「北朝鮮は米国が反撃しないことを承知していた」「米国はICBMの発射を承知していた」お互いの了解があった、これがそれを説明できる唯一のロジックなのです。

北朝鮮は既に米国、イスラエルの傀儡だ、これはそんなにおかしな考えでしょうか? 逆にこう考えれば、2016年のトランプ政権誕生後に起きた数々の奇妙な事件を非常にうまく説明できるのではないですか?

ペンタゴン高官のエド・ティンパーレイクは、アメリカの取るべき道を次のように明快に述べている。

真っ先にしなければならないのは、金正恩の命令系統を断ち切ることだ。

『米中もし戦わば』 ピーター・ナバロ

ピーター・ナバロ大統領補佐官の『米中もし戦わば』は、2015年の刊行ですが、「真っ先にしなければならない」と言っているのですから、すぐにでも実行したんじゃないですかね。

それよりも、北朝鮮の「悪の帝国」である金王朝の方が、きちんと仕込めば共産主義中国に対する番犬としては役に立つと米国は考えるだろう。番犬は獰猛(どうもう)で主人に忠実なほうが役に立つし、実際米国は、南米や中東では、民主主義政権よりも独裁政権を飼いならすことが多い。

ZAKZAK by 夕刊フジ

「実際米国は、南米や中東では、民主主義政権よりも独裁政権を飼いならすことが多い」、独裁者一人を従えれば、それで事が済むからではないでしょうか。なぜ、北朝鮮だけが例外だと我々は考えなければならないのでしょう?

そう、北朝鮮は米国にとって、ヒールとして完璧な存在なのです。 多くの日本人にとって、北朝鮮は極悪国家です。彼らの横暴に備える正義のためであれば、核への抵抗は見事に弱体化させられてしまうと私は見ています。

南北朝鮮、彼らは今後、徹底的に日本を脅しにかかるでしょう。

しかし、実際は、これから大喧嘩させられる日本と南北朝鮮は、超大国アメリカの支配層の都合のために利用される、同じ運命を背負った悲しい共同体だと言うことです。

そして、朝鮮が核を残したまま南北統一し、在韓米軍、在日米軍が撤退、日本に核の地上配備が終わった時、アメリカの支配層が目標とする対中国東アジアフォーメーションが完成すると言うことでしょう。

私はそれは2021年頃までにと見ています。

全ての日本人にとって悲しい未来

政治には色々な思想が存在します。右派、左派、リベラル、保守。すべての人にとって、正しい、間違っている、と言うことは存在しないのでしょう。

しかし、矢部浩二さんの予言する、アメリカ軍の核の地上配備による「自国の軍事主権を、完全に他国の手に委ねること 」は、全ての日本人にとって悲しすぎる結末だと言うことが言えるのではないでしょうか。

そう、あなたが本当に日本人ならば、きっとそのはずです。

残念なことに怒りはあまり沸いてきません。なぜなら、矢部さんと違って、私には、抵抗してもどうにもならないことのように感じられてしまうからです。

怒りを諦めると、それは悲しみに変わるのです・・。