今回、新しいカテゴリを設けました。この『黒い家』は決して、人に薦める事が出来ないからです。でも、つまらないからではありません。この小説は面白いと思います。しかし、おそらく健康に悪いです。だから、推薦外です。

私は、この小説で非常に怖い体験をさせていただきました。夜中に読んでいたこともあり、本当に、心臓がどきどきと痛く、寿命が縮んだのでは?と思うほどでした。しかし、先を知りたくって、文学的な小説を読むときの何倍ものスピードで、ページをめくっていました。

こう言ったことが、所謂エンターテイメント小説の醍醐味でしょう。読後感も決して心地よいとは言えず、気味悪さが残ったまま、緊張しているとても、健康的とはいえません。しかし、こう言ったことを面白いと感じるという事実を見逃すことは出来ません。

 

私は、比類なき凶暴な殺人者に恐怖を味わいましたが、しかし、無傷でした。まさか、殺人者が本から飛び出てくるはずもないので、当然のことですが、しかし、これこそがエンターテイメントなのではないかと考えています。簡単に言うと、疑似体験です。

恐怖とか、色々興奮すると、それが快感なんですね。だけど、本当に痛かったりしたら、困るわけで、身の安全は確保されていなければいけない。ジェットコースターなどはその典型ではないでしょうか。

 

そして、それでは刺激が足りない方たちは、危険な登山をしたり、冒険をしたりするのでしょう。完全な安全は確保されていないのですから、その得られる興奮、快感はきっと、極上なのでしょうね。

「身に危険が迫るという興奮を味わいたいけど、実際危険では困る」

こういう贅沢な現代人の欲求を叶えるのが、エンターテイメント小説の役割なのだと思います。そういったニーズにこの小説はうってつけです。そういったこと求める方にだけ、この小説をお薦めします。