VW事件規模の詐欺師扱い

元理研の小保方晴子氏が、早稲田大学から博士号取り消しの処分を受けたとのニュースが出てましたね。これは、過去記事で終わらせたつもりだったのですが(小保方氏は結局そんなに悪かったのか!?)、彼女の今回のコメントが気になりまして・・、まあ、内容は過去記事の繰り返しにはなってしまうんですけどね。

 

「学術的な理由じゃなくて、社会風潮を重視した結論じゃないのよ!」

とおっしゃっていたようです。

 

まあ確かに、それは、その通りであります。彼女に対する社会風潮は厳しいの一言です。それはもう、厳しすぎます。死人が出るくらいなんですから、VW事件くらいの規模の詐欺師扱いです。

 

論文不正の私たちへの影響って・・?

しかし、冷静に考えてみると、小保方氏の論文の問題なんてはっきり言って、私たちの生活に一片の影響もない、どうでもいい話です。VW事件みたいに、嘘に騙され、多くの人が金を奪われたわけでもありません。

「刑事告訴するべきだ!」とか、たまに記事をみかけますが、関係者が勝手にすればいいだけで、私に被害はなんにもない、と冷めた目で見ています。これで実際に迷惑を受けた人なんて、関係者以外にはいないでしょう。そもそも、世間の人が実害も無いのに、そこまで怒るというのは非常に不自然です。

 

世間の「激怒」の特別な理由は先生が教えてくれる

であれば、彼女がここまで世間から厳しく問われる、なにか他に特別な理由がある、ということを疑ってみるべきでしょう。私は、その理由は、夏目漱石作『こころ』の先生が教えてくれると思っているのですが・・。

「かつてはその人の膝の前に跪いたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載せさせようとするのです。私は未来の侮辱を受けないために、今の尊敬を斥けたいと思うのです。私は今より一層淋しい未来の私を我慢する代わりに、淋しい今の私を我慢したいのです」

「あなたは熱に浮かされているのです。熱が冷めると厭になります。私は今のあなたからそれほどに思われるのを、苦しく感じています。しかしこれから先のあなたに起こるべき変化を予想して見ると、なお苦しくなります。自分が欺かれた返報に、残酷な復讐をするようになるものだから」

-青空文庫『こころ』-

小保方氏は、「社会風潮によって・・」とその不満をコメントに載せているようですが、先生のこの教えを読めば、その社会風潮は自分自身で作り出したもの、ということに気づくでしょう。

 

小保方氏は、一番最初の記者会見で、マスコミの期待を過剰に高め、世間の尊敬を一手に集めて、自分の前に跪かせました。そして、それをすぐに裏切りました。結果、世間とマスコミは欺かれた返報に、残酷な復讐をするようになったのです。

全ては先生のおっしゃる通りではないですか。つまり、すべては自分の責任なのです。そういう社会風潮をつくったのは、小保方さん自身なのです。そして、一層寂しい未来の私は自分が作ったのです。

 

ズバッと言って、論文をねつ造したから、こんなに責められているわけではないです。そんなことに世間は本当は興味ないんです。未熟な研究員が、論文をねつ造したことなんかに、いつまでも目くじらを立てているほど、世間もマスコミも暇ではないはずなのです。

最初の会見の際に、彼女を尊敬してしまった人ほど、今、腹立たしく思っているはずです。過去記事を読んでもらえばわかりますが、私は跪かされてないので、恨みも興味もありません(笑)。ただ、こんなおかしなことになっているには、こういう理由があるということをお伝えしたいだけです。

 

小保方氏は夏目漱石作、『こころ』の先生から、その自身の言う、「社会風潮」の本当の理由を教わるべきでしょう。でないと、いつまでもこの地獄から逃れられることが出来ないと思いますが、いかがでしょうか・・。まあ、余計なお世話なんでしょうけどね。